認知症の母の食事のコース料理化を進めている

以前、認知症の母が食事で混乱しないよう、ワンプレート化を進めている話を書きました。

ブログ読者の方かリスナーの方から頂いたコメントで、食事のコース料理化の話があって、わが家も全く同じ状況なのでご紹介します。

今の母は、例えばシュウマイを食べるからし醤油の小皿と、餃子を食べる酢醤油の小皿が並んでいたとしたら、その使い分けができません。どちらも母にとってはしょうゆなので、からし醤油で餃子を気にせず食べますし、シュウマイ用だった!間違えた!ともなりません。

そういった複雑な食卓にしないよう、ワンプレート化や丼もの化を進めているわけですが、もうひとつ、提供する食事の順番も意識しています。

例えば、食後のデザートにリンゴをむいたとします。以前の母なら、食事を終えたあとに、リンゴを食べていました。デザートは食後という意識があったので、おかずが並んでいる食卓にデザートも並べていました。

しかし最近あった極端な例をご紹介すると、イチゴのショートケーキをおかずと一緒に食卓に並べておくと、ケーキから食べ始めてしまうことがあるのです。それ食後でしょ!って。わたしの中の常識は、母にとっては関係ないようです。

自分が食べたいと思ったものを食べる。それでも問題はないのですが、介護者のわたしには困ることもあるので、最近はデザートはおかずと一緒の食卓には並べないようにしています。

何に困っているかというと、デザートから食べてしまうと、おかずを残してしまうのです。それだけなら問題ないのですが、おかずを残して食後2時間くらい経つと、あれ、ご飯食べたっけ? と何度も言われてしまいます。

母は怒りだすわけではないので、わたしの介護負荷はそれほどでもありませんが、お腹が空いていると寝る前に冷蔵庫を開けて、牛乳一気飲みして、敢えて書きませんが翌朝大惨事になる場合もあります。

食事をしっかり食べてもらうために、ある意味コース料理的な出し方をしなければなりません。
リンゴやデザートは、母がある程度おかずを食べ終わってから出すようになりました。

もうひとつ、一気に食卓に皿を並べると、圧倒されてお腹いっぱいになる日があります。そういう視点からも、混乱しないように食事を提供する必要が出てきました。ワンプレート化に加えて、コース料理化も進んできたお話でした。

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今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか