音声配信で2回に分けて話すほど、先週の遠距離介護は本当にやばかった。何が起きたのかを、文字でも残しておこうと思う。
12月2日:盛岡の実家に到着
東京から東北新幹線に乗って約5時間かけて、盛岡に到着。途中買い物を済ませ、実家に到着後は何度も洗濯をして、デイサービスから帰ってくる母を待った。帰宅した母は、若干鼻声。気にはなったものの、夕ご飯を食べてそのまま就寝。
わたしは移動疲れもあり、爆睡。すると朝4時に、1階からガタガタと音が。クマでも出たのかと思ったら、母だった。
見守りカメラの映像を確認すると、2時間寝た母が布団から出て、暖房のついていない居間や客間へ移動して寝ていた。たまに夜中にウロウロするのだが、岩手の冬はとても寒い。その結果、母の鼻風邪は悪化、咳も加わることとなった。
12月3日:訪問歯科
母の鼻風邪と咳はそこまでひどくなかったので、予定どおり訪問歯科をお願いした。先生に状況を伝え大丈夫と判断されたので、下の歯の抜歯を2本行う。母の歯が抜かれるところを、興味深く観察した。
自分が実家にいる間に風邪を治して欲しいと思ったので、近くのドラッグストアで鼻水と咳が止まる市販薬を購入し、飲ませた。母のおくすり手帳を持って行ったが、レジ待ちの列ができてしまい薬剤師さんとあまり話せず、ヌルっと購入。
午後は訪問リハビリ、血圧の上が98と低い。前日のデイの記録も血圧が低く、シャワー浴にしたと書いてあった。母の風邪がうつると来週の出版記念イベントに影響するので、わたしは家の中でマスクをして生活するようにした。
12月4日:ラジオ出演とデイサービスの日
12月4日は新刊販促のためラジオ出演があり、母はデイサービスへ行く日。
雪がうっすら積もっていたので、バスの渋滞が予想された。早めに出ようと思って、朝6時40分に母を起こす。しかし反応がない。10分後にまた起こそうと思って、先に朝食の準備。6時50分、母を起こすもやっぱり反応がない。
声を掛けたり、体を揺さぶったりしてもダメ。指を鼻の下にあてると、呼吸はしている。でも不自然に舌を出しているし、昨日の抜歯の影響で口の周りに血が付着。10分間、声を掛け続けても全く起きてくれない。いつもと違う、これは24時間の訪問看護に頼るしかない!
すぐ電話をしたが、早朝だからかつながらない。これはもう、ラジオ出演はムリかもしれない。担当者にメッセージを入力したが、送信は止めた。訪問看護師さんが来たら、母が起きてラジオ出演できるかもしれないと思ったから。
同時にデイサービスへメール連絡。鼻声で咳が出るけど、行っていいかと。2件のメッセージの入力が終わり、再度母に声を掛けたり、体を揺さぶったりしたが反応がない。母を起こし始めて、すでに30分が経過。訪問看護から、折り返しの電話がない。
たまらず2回目の電話、しかしまた留守電。これで40分、母は起きてくれない。13年の介護の中で、最もやばい瞬間と認識。するとデイからメッセージが帰ってきて、今日はお休みにしましょうと。インフルが流行っているし、やむを得ない。
母にデイに行ってもらっている間にラジオに出るつもりだったが、母を家に置いてラジオに出演するしかない。ラジオは15分程度だし、すぐに帰ってくればいい。それよりも母が起きなければ、ラジオどころではない。
再び指を鼻の下にあてると呼吸はしている、しかし舌は出たまま。人が死ぬ前って、どんな感じだったかなと祖母のときを思い出しながら、ネット検索をした。ドキドキが止まらない中、再度母に声を掛けると目が開き、反応して起き上がった。
「よかったー、生きてたー!」
呼吸しているから生きているのだけど、40分も起きないと死ぬ直前なのかと思ってしまった。不自然に舌を出し、口の周りは血だらけだから、恐怖心は倍増。
これでラジオ出演はできそう、メッセージを送信しなくてよかった。すると訪問看護から電話が来た。気が動転していて、名乗るのを忘れたほど。
「解決しました、大丈夫です!」
朝食はパンと牛乳のみにして、母を居間のコタツに座らせた。すぐバスに乗って、放送局へ移動しラジオに出演したものの、朝の疲れのせいか、ONAIR中にのどが急におかしくなって、言葉が出なくなった。岩手のリスナーの皆さんごめんなさい、実は朝にこんなことがあったんです。
母がなかなか起きなかった理由
母がなかなか起きなかった原因は、おそらくわたしが買った市販薬が効きすぎてしまったからだろう。訪問薬剤師さんがインフルエンザで、いつもなら薬を買う前に質問するところだが、今回は薬局でさっくり買ってしまったのがまずかった。
後日、薬剤師さんに市販薬の成分をみてもらった。確かに眠くなる成分は入っていると。市販薬は1日で止め、それ以降は母にはちみつをひたすら舐めてもらって、何とか鼻風邪も咳もおさまってくれて、無事帰京できた。ケアマネさんに帰京を延期するか、相談したほどだ。
13日(土)の出版記念イベントは中止しないといけないとか、葬儀屋の電話番号はとかもう、いろいろ考えすぎてしまって、疲れてしまった。勝手に母が生き返ったと思っているわたしは最近、ものすごく優しく介護ができている。
同じ話を何回もしようが、失禁を繰り返そうが、いいよいいよと。生きてるだけでありがたい、そう思えている。たぶん長続きはしないだろうけど。
わたしは母の風邪を若干もらってしまったのと精神的ダメージで、帰京後は体力の回復に努めている。だいぶ元気になって、13日のイベントも大丈夫そう。
今日もしれっと、しれっと。
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