認知症の経過報告(21週間目)

認知症の母(70歳)が、コウノメソッドと出会って、どんな経過をたどるかをひたすら書いております。4時間後には新幹線の最終で東京に戻りますが、新幹線に乗る前に今週の出来事を書いちゃえ!ということで、経過報告の連続投稿になります。


認知症の母の状態と、現在行っている認知症治療

・コウノメソッド実践医にアルツハイマー型認知症(軽度)と診断されたのが、2013年4月上旬?
・おそらく1年前くらいに発症、祖母が子宮頸がんで入院して家で1人になってから一気に悪化
・サプリメントのフェルガード100M(1日2回)と、お薬レミニール4mgを1日1回処方。
・日曜日~金曜日までの6日間、実家で母といっしょに過ごしました

新たにひとつつかんだコツとは?

”何回も同じ事を聞いてくる” 原因のひとつに、”先に予定を教えてしまっていた” というのがあります。要は先に予定があると、

予定があることはなんとなく覚えている → でもそれが何か忘れてしまう → 息子に確認する

これを1日に数十回、予定が実行されるまでの数日間ずっとこの調子です。本人は毎回初めてのように聞いてくるのでいいのですが、聞いているわたしのストレスはたまる一方で、いつキレてしまうか・・・絶対キレないんですが、窓を開けて ”ウォーーーーー” って言いたくなることはあります。ホワイトボードに書いても、紙に書いて見せてもあまり意味がないです。

ということで、

”予定は常に、直前になったら教える”

ということにしました。これはかなり効果的でした。祖母の病院に連れて行くときも、外食の予定も、帰省する前からすべて決まっているのですが、敢えて言わない・・・ひたすら隠して隠して、当日にいきなり連れて行く。今後もこのパターンでいきます。

公共料金の口座引落問題

口座引落の失敗、そして督促というのを、新聞、灯油、ガス、固定資産税・・・などなど、ここ数か月頻発しておきました。きちんと電話連絡がくるんですが、その電話連絡が来た事を忘れてしまうので、督促の意味がまったくないんです。

何回かそういう事があったので、わたしがその口座に定期的にお金を振り込むようにして回避していたのですが、灯油屋さんからなぜか5万円もの督促が来ました。5万円??

うちは灯油式のボイラーなので、お湯を沸かすのに灯油を使います。冬場はだいぶ消費しますが、今は夏。なぜに5万円もの請求が来るんだ?と不思議がっていると、灯油屋さんから電話があり、母が電話をとりました。

母: 『配達の人が初めての若い人で、タンクに満タンに入れていった。いつもは半分しか入れないのに』

と電話口で話しています。さらに、

母: 『祖母が入院したりして、口座に入金する暇がなかったんです。通帳の記帳を忘れていたのも原因です』

入院したのは昨年の話だし、記帳しないと口座がストップすると、なぜか思い込んでいます。何度か説明したんですが、これも意味をなさないんですよね・・・横でわたしがこの会話の一部始終を聞いていたので、受話器をとりあげてなぜ5万円もの請求がきたかを確認したら、

『昨年の5月に、お客様より口座振替中止の依頼があって、それ以降集金に伺っていなかったため、5万円になってしまいました。』

んっ? そもそも、口座振替中止にする理由ってなんだ? ここで母に質問してみると、

『忘れた・・・分からない』

まぁ、しょうがないですよね・・・これが認知症。不幸中の幸いだったのが、次の日に地区担当の灯油屋さんと直接お話ができたことです。

わたし: 『うちの母は認知症です。この灯油がないとお湯が出なくなり、冬場だと生死に関わります。だから定期配送で、毎月在庫確認をお願いします』

この灯油屋さんのホームページを見たら、定期配送という素敵なシステムがあったんです。同時に自動引落の契約を結びなおしたので、今後は何の心配もいらなくなりました。バタバタでしたが、結果オーライでした。最後に担当の方が、

『うちも母が認知症でしたので、よく分かります』

と。いやぁ~、理解ある灯油屋さんでよかったよかった!毎回帰ってくると、何かしら問題が起きますが、これが1個1個解決できているのは大きいなぁと思います。

結論

電気、ガス、水道などのライフライン系もすべて整ったし、食材もヘルパーさんがサポートしてくれるので、もし自分が1か月間帰省できなかったとしても、生きてはいける状態になりました!認知症自体は何の不安要素(予定を教えることが不安になるらしい)もなかったためか、今週は平和でした。

フェルガードについての詳細記事は、フェルガードという米ぬかサプリメントとコウノメソッドのはなし に書いてあります。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか