認知症の経過報告(1年と40週・41週間目)・デイサービスを利用しての変化

どこでもドアホン

2015年に入っての母の大きな変化は、週1回のデイサービスの利用です。2年前にデイサービスの利用を検討するも、失敗。

その後、在宅での介護体制を着々と進めてきたのですが、役割を持ってもらったり、人と触れあう事が認知症の薬よりも重要!と考え、昨年夏から再トライして成功しました。

デイサービスは分かってる?

訪問看護、訪問リハビリ、ヘルパーさんは決まった曜日・時間にいらっしゃるのですが、母は分かってません。ただ、早起きなので、”たまたま” 待ち構えている状態です。

しかし、デイサービスは待っているだけではだめで、ある程度の準備が必要です。きちんと準備できるか、東京から遠隔でSkype確認すると、緊張のせいかいつもより1時間早起きしてるではありませんか!

東京から実家をPCで覗くとこうなります(以前の画像引用)
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「準備しておかないといけない」

そういう気持ちがきちんとはたらくんですね。普段はメモを自分で書く事すらしないんですが、デイに行く日をメモって持ち歩くまでしています。

待ちきれない母

実家に帰るとまず、誰が来ているか確認するためドアホンの録画確認をします。どれどれ・・、デイサービスの職員さんは・・・、あれ?映ってません!

このモニタでチェック(以前の画像を引用)
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なぜか?

翌週の母の行動をみて、理由が分かりました。家のインターホンを鳴らす前から玄関でスタンバイしていたため、職員さんが押さなかったのです。日常のヘルパーさんのゴミ出しや、訪問リハの日時も分からない母が、デイだけは分かってるってすごいです。薬以上の効果です!

しかし、デイサービスに行ったことは忘れる

いい刺激になった事は間違いないようです。で、デイで何をしてきたか聞いてみると、こんな感じです。

ねぇ、デイサービスっていつだっけ?
くどひろ
昨日、行ったでしょ
ウソ!なにしたっけ?
くどひろ
はい、連絡帳。何やったか書いてあるでしょ
えー、ホントに昨日行ったの?

まだデイ2回目ですから・・・これでいいんです。お料理のお手伝いである調理リハビリも、2回目で参加しました。母は以前病院で食器洗いを死ぬほどしていたこともあって、妙な事に感動してました。

「あそこね、病院っぽい食器じゃなくって、高級な皿を使ってた、九谷焼かしら」

んなわけねー!と心の中で思いながらも、病院っぽい食器ではなく普通のお皿を使っているのは本当なので、こういうちょっとした事も実は大切なんだな~って思いました。九谷焼の話は50回は聞きました(笑)

デイという言葉だけで拒否反応を示していた母ですから、ものすごーく進歩してます。少し経つとネガティブ発言が出ますが、褒めて褒めて褒めまくっているので、すっかりデイがお気に入りのようです。

「あんなデイは他にはないよー」

って、記憶の奥底に響き渡るまで繰り返しているのも効果あるんじゃないかと思ってますが、ウソではなく本当にそう思っています。強制的なレクリエーションは一切なく、やりたい事だけをやるタイプのデイです。1年近く入ってないお風呂も強制はしません、あくまで利用者本位の姿勢を保ってくれてます。

まだ面白イベントはないみたいですが、少しずつ何かが変わっていけばいいなぁ~


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

うちも今デイに連れて行こうとこの前二回目の見学にいきました。「ひととひと」というデイサービスで和風な感じで「気にいるかなー」と思ったのですがついた途端に全身から「行きたくないオーラ」がでていて中を見もしないで「行きたくない」と・・・。
デイサービスがどういうものかは理解したみたいですが、やっぱりそれでも「私は今のままでいい」(こっちがよくないんだよ・・・)といって聞きません。
そして「この前も行ったよね?」、「今回で二回目?」とどちらも正解です。そのくせウソ言いまくったり作話しますけど・・・。
まだまだデイは遠そうです・・・

syumitektさま

うちは結局2年かかりました。デイっぽくないデイだったから、だまして連れていく事ができました。
やはり独居でひとりで過ごす時間が、症状を進行させている気がして・・・・

この後さらにいい変化が生まれるといいのですが・・・

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか