主語が入れ替わる認知症の母との会話で混乱してる話

最近の母は、主語の間違いや入れ替わりが激しくなりました。例えば、

そういえば、まなみたちは来ないの? あんた帰ってきてるんだから。

くどひろ

まなみ? まなみは神奈川だよ? まなみって、自分の妹だって分かってる?

分かってるわよ。わたしの妹はまなみ。

この話は、母の妹のまなみと娘のようこが入れ替わってます。ようこの子どもたち(母の孫)は、わたしが帰省しているんだから家に来ないのかと言いたいのです。

最初は何を言いたいのか分からなかったのですが、何度も間違うので最近は主語を聞き手側で変換するスキルが身に付きました。

まなみ「たち」と言っているところもおかしくて、ようこの娘と息子も一緒に遊びに来ると思っているのです。娘は社会人、息子は高2ですが、母はお年玉をもらいに来る小学生ぐらいに思っているようです。

他にも、亡くなった夫と父親の名前が入れ替わりますし、あれ、それが増えているので、話を最後まで聞いても、結局何を言いたいのか分からない会話が増えてます。

めちゃめちゃ腹が立つこと

認知症の進行で、目の前に本人がいても名前が出てきません。息子のわたしも忘れますし、娘であるわたしの妹もしかりです。

正直なところ、あとどれだけ自分の子どもの名前と顔を覚えていられるのか分かりません。今の状態を覚悟と諦めの気持ちで過ごしているわけですが、めちゃめちゃ腹立つことが1つだけあります。それは、

お隣の2人は本当に美人だっけ。ひとえちゃんとまさみちゃん。

実家の隣に美人姉妹がいるのですが、なぜか名前を間違わないのです。しかもスッと出てくるから、腹が立つ!息子と娘の名前は分からないのに!この姉妹と母がよく顔を合わせているのなら納得できます。でも、35年以上は顔を会わせてないはずです。

わたしと同学年の妹さんは本当に住んでいるらしいのですが、顔を見てもお互いに年を重ねているので分からないんじゃないかと。お姉さんは県外にいるので、見てもいない人を美人と言っているのです。もし母がご対面したら、初めましてというはずです。

つきあいのほとんどない、何十年も会ってない人の名前は鮮明に覚えてて、しょっちゅう顔を会わせる息子や娘の名前や顔を忘れるって、認知症が憎いです。

先日久しぶりに、母とわたしとわたしの妹の3人が揃いました。わたしが2階に居るときに、母がわたしをこんな感じで呼びました。

ちょっと、ひろ。下りてきて。あの人、あの人に……。

何事かと思って1階に下りたら、母の髪の毛を染め終えた妹がいました。何で母が自分を呼んだのかと思ったら、娘をヘルパーさんと勘違いして、しかも髪の毛を染めてくれたお礼にお金を渡して欲しいというのです。

妹もしょっちゅうヘルパーさんに間違えられるらしいのですが、わたしも数年以内にヘルパーさんと間違えられると思います。その葛藤を乗り越え、他人として接するようになると、認知症介護がラクになるはずです。亡くなった認知症の祖母は、最期まで孫を忘れなかったけどな~

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2件のコメント

うちの母も似たような感じです。
たとえ自分の子と分からなくなっても、お礼をしたいという感謝の気持ちを忘れないお母様すてきです。
そしていつも優しく接してくれているヘルパーさん達のおかげですね。

ひろ子さんの娘さま

はい、ヘルパーさんすばらしいです。
お礼の気持ちは大切ですよね。でも毎回何かあげようとしてしまいます(笑)

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。岩手にいる認知症&難病(CMT病)の母(79歳・要介護3)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて10年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ』。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
【著書】親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)ムリなくできる親の介護(日本実業出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか