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認知症の母にかなり強めに注意してしまったある出来事

夕食は無印良品のソースで作ったナポリタンと、レタスとまいたけが余っていたのでサラダにした。

17時の盛岡はまだ明るくて、太陽の光で夕食を食べられる。だけど認知症の母はカーテンを閉めたがる。そして自分が布団を敷いたかどうか気になって、居間と寝室を何往復もする。

母が寝室に布団を確認しに行った瞬間、パスタを茹でていたわたしはダッシュで居間へ行き、カーテンをシャーっと開ける。布団を見て安心して戻ってくるまでの1分間でカーテンは開いているが、母はそのことには気づかない。

パスタの茹で時間終了まで何分かあったのでサラダを作っていたら、母がまたカーテンを閉めた。そしてさっき確認したばかりの布団の確認をするために、また寝室へ行った。

「さっき確認したよ」と言う日もあるが、カーテンを開けたいので母が居なくなった隙にまたカーテンを開け、台所に戻ってサラダを完成させた。

その後母はまた、カーテンを閉めた。今度はちょうどパスタが茹で上がるタイミングだったので、カーテンの攻防は母に勝ちを譲って、わたしは夕食に専念した。

夕食後の出来事

ナポリタンのケチャップのついた皿をちゃんと洗えるつもりの母だが、こういう手ごわい洗い物は任せられない。母には形式上洗い物をお願いしていて、最終的にはわたしが洗い直しているのだけど、一応皿洗いしていることになっている。

母が皿を洗っているときに、わたしはお風呂に入るようにしているのだが、風呂に入る前にケチャップの汚れだけはお湯ですすいでおいた。

母が皿を洗ってふきんで拭いている間に、わたしは風呂に入りその後自分の部屋で原稿を書く。ものすごくうまくいくと1時間原稿が書けるし、トラブルがあると30分くらいしか書けない。

この日は自分の部屋が暑すぎて、原稿が書ける状態ではなかったので飲み物を取りに1階に行ったところ、母も暑かったのか顔を洗って拭いていた。台所の台拭きで。

ニトリの使い捨て台拭きで顔を拭いてしまう母
くどひろ

ちょっとー!!それで顔拭いちゃだめーー!!

なに、これはキレイなやつなの。ちゃんと洗ったからキレイなの。それくらいわたしにだって分かるの!


前日、母がガスレンジ周りの油汚れをこの台拭きで念入りに拭いていたのを見ているから、尚のことだめなのだ。全く何も分かってない、でも認知症だからしょうがない。

こう強く言ってしまったときは、ろくな反応が返ってこない。売り言葉に買い言葉的な展開になっていく。

くどひろ

もう1回顔洗って!ほらキレイなタオルあるから、こっち使って!

何なのよ、もう!

認知症でタオルの使い分けができなくなっていると、母に伝えようと何度も言いかけたことはあるが、今のところグッと堪えている。言ったとて自分が一瞬スッキリするだけで、母にとってもメリットがないし、わたしもあとで後悔するのは目に見えている。

最近は思わずギャーって言いたくなる案件が多くなっていて、例えば前日夜に朝食の準備とか言って、わざわざ冷蔵庫からジャムを出して常温に戻そうとする。他にも挙げるとキリがないので、ブログとか音声配信voicyのネタとかで発信していこうと思う。

わたしの予想の上を行く行動が増えてきて、しかも初見ばっかりだから思わず声が出る。初見じゃなければ、何とでもなるんだけどなぁ……。

音声配信voicyの最新回は、ものわすれ外来の診察のお話です↓

今日もしれっと、しれっと。


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これから親の介護が始まるかもしれないと不安に感じている人に向けた入門書です。目次や本の内容はAmazonに掲載されています。

 

2件のコメント

私の認知症の母親も台所の台拭きで手を拭いたり、床の汚れを拭いたり、果てはコバエを見つけると台拭きで捕まえたり‥。でも、汚れたらちゃーんとキッチンハイターで漂白してるから大丈夫だよ、と言われてしまいました。

匿名さま

取り繕いも本当にいろんなパターンがありますよね。できれば笑ってやり過ごしたいですが、なかなかそういう気持ちになれないことも……。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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