在宅介護の限界が近いと思われる内容の発信が続いていますが

認知症の母が長谷川式認知症スケール30点満点で1点を取ったり、冷蔵庫の脱臭剤を食べたり、訪問看護に1か月で3回も電話したりと、ブログ記事の内容からさすがに在宅介護は厳しいのでは? と思っている読者の方もいるかもしれません。

以前、こうした発信をするためにムリして在宅介護を続けていると揶揄されたこともありましたが、さすがにそんな理由で遠距離在宅介護は続けられません。

ただ気づかないうちに、自分が在宅介護に固執している可能性もありますし、母からやっぱり住み慣れた家がいいと言われると、なんとか在宅で粘りたい気持ちも生まれます。

自分が介護で疲弊したり、ムリしたりすることのないよう、介護がどんな状況になっても、俯瞰で物事を考える意識は忘れていません。だからたまに介護施設の可能性もあるかもと、あえて文字で書くことで在宅介護バイアスがかからないようにしています。

ギリギリ在宅介護で粘れている理由

なんとか在宅介護を続けられている大きな理由は、睡眠時間を確保できているからだと思います。日中いろいろあっても、母はしっかり寝てくれます。

夜中に最低2回は起きてトイレを利用するのですが、母が自立できるよう布団のすぐそばにポータブルトイレを置いて、その上にセンサーライト、部屋全体にはスマートリモコンによる常夜灯の設定など、認知症で足が不自由でもトイレが使える工夫をしています。

あとは食事です。誤食や誤飲で何度も危険な場面に遭遇していますが、それでも食べられるものを提供すれば、母は自分の力で食べられます。料理は作らなければなりませんが、食事の介助はまだ不要で、お薬を飲んでもらうときだけ手渡しと見守りをしています。

これらに加えて、週4回のデイサービスに助けられています。デイがなかったら、間違いなく母を施設に預けていました。同じ話の繰り返しや失禁処理の連続も、デイで小休止できるので在宅介護が続けられています。

今のレベルを保てているうちはまだ、遠距離在宅介護は続けられるはずです。ただ病気やケガ、特に骨折等があって車椅子生活になった場合は、さすがに諦めなければならないかもです。

あらゆることを想定しながら遠距離介護を続けていますが、だいたいこちらが想定していない出来事が起きるので、シミュレーションが足りていないのでしょう。落ち着いた介護の状況になっていないので、穏やかになったらケアプランの見直しや施設見学も再開したいと思っています。

音声配信voicyの最新回は、母と一緒に96時間過ごしたけど大変だったと思った話です↓

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

こんにちは。
私は認知症の母の一人で介護をしている中年男性です。介護をはじめた当初からくどひろさんのブログを見つけて、(私は)遠距離介護ではありませんが、同じ中年男性が母親の介護の情報を発信しているという事が何処か安心感に繋がっています。
私の母ははじめはデイサービスとショートスティを利用しておりましたが、私も仕事を早く出なくてはならない為母が一人になる時間帯があり、徘徊の頻度も増えてきたので、デイサービス一本に絞りました。
母も施設に徐々になれ、笑顔も増えてきたので良かったと思っております。

河井様

ブログが安心感を得るきっかけになっていて、よかったです!
おひとりで介護されているとのこと、頑張りすぎないよう力を抜いていきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか