なぜ畳が尿で汚れた? 万全の対策を突破した不思議な理由

在宅介護の失禁処理は、大変で時間がかかります。介護者をイライラさせる原因のひとつなので、これをしれっと乗り切れれば、介護者に安寧がもたらされます。改めてわたしがやってきた3つの対策をご紹介すると、

  1. 寝室のふとんの真横に、ポータブルトイレを設置した
  2. リハビリパンツを常時履いてもらうようにした
  3. 畳が汚れないよう、クッションフロアを一部貼った

これだけの対策しておけば、寝室の畳が尿で汚れるはずがありません。ほとんどの場合、母はポータブルトイレで用を足し、間に合わなければリハパン、たまにクッションフロアが汚れるくらいで、寝室の畳が汚れることはありませんでした。

しかもこの日は病院に行ったあとで、3回尿を吸収できるリハパンを履いてました。どう考えても畳が汚れる要素はありません。なのになぜ、畳が汚れてしまったのか?

見守りカメラで原因を探る

母の布団を上げて、畳に失禁のあとを見つけたときは、何が起きているのか分かりませんでした。久しぶりに尿で汚れた布団を干し、消臭スプレーをし、シーツを洗濯。

こういうときに役に立つのが、見守りカメラです。24時間連続録画をしているので、なぜ母が3つの対策を突破して、畳を汚したのかを探ることにしました。

母が夜中に寝室のポータブルトイレを使う際の工夫として、母が寝たあとに常夜灯がつくよう、スマートリモコンで設定しています。暗闇だとポータブルトイレが見えないので、トイレの存在を忘れるのですが、程よく明るいので母でもトイレに気づくのです。

さらにトイレに近づくと、1分間だけスポットライトが自動で点灯します。この工夫で、布団やシーツの洗濯の回数は激減しました。

映像を見ると母がポータブルトイレで用を足し、布団に戻るところまでは普通でした。しかし動作がいつもより機敏で、布団に戻ってもスポットライトが自動で消灯しません。

そこで母は全く関係のない、寝室の照明のヒモを引っ張りました。すると偶然、スポットライトも同時に消灯。部屋は、完全に真っ暗になってしまったのです。

その後母は尿意で起き、ポータブルトイレを使いました。いつもはついているはずの常夜灯がついておらず、真っ暗。母はトイレと逆方向に起き上がります。そして何を思ったのか、リハパンを脱ぎ、クッションフロアが貼られていない畳のほうへ移動して、用を足したのです。

おそらく布団を汚したくない思いと、下着を汚したくない思い(リハパンですが)から、畳にしてしまったのだと思います。敷布団には防水シーツをしているし、タオルケットも洗濯するだけなので、畳にだけはして欲しくなかったのに、そこへ……。

今後は起こらないと思いつつ、唯一できる対策はスマートリモコンで常夜灯をONする時間をもう1回増やすことです。そうすれば、今回のようなことはもうないはずです。畳のお掃除は、下記記事の手順でやりました。

音声配信voicyの最新回は、どうしても克服できない家事の話です↓

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか