認知症の母がトイレと勘違いした場所が想像のつかないところだった!

9月の遠距離介護、スタートしました!

記事がアップされる日は3日目ですが、今日の話は2日目の朝に起きた出来事です。2日目の朝はだいたい、大量に洗濯する日と決まっています。ヘルパーさんが最低限の洗濯はしてくださるのですが、それだけでは間に合いません。

わたしがシーツや枕カバー、座椅子カバーなど、尿で汚れる可能性のあるものはすべて洗濯します。洗濯しながら母を起こして、朝ごはんを食べてもらって、薬を飲ませて、歯みがきと洗顔のサポートをして、化粧を見守って、デイサービスへ行く準備までが1セットです。

2階で自分の準備をしていると物音が!

母の朝のルーティーンが終わると、やっと自分の準備です。顔を洗って、歯を磨いて、ひげを剃って、デイの送迎が来る前に最低限の身だしなみを整えないといけません。

2階で準備を終えて、1階に降りると母がいません。どこに行ったと思ったら、脱衣所のほうから音がしたので行ってみると、母がお尻を出した状態で洗濯カゴに挟まっていたのです。

洗濯カゴの下段にお尻が挟まった

母の姿に一瞬フリーズしましたが、近くに便が落ちていたので、すぐに理解できました。まずは母を洗濯カゴから出さないといけないのですが、しっかりはまったわけではなかったので、何とか母を立たせて、トイレへ連れて行きました。

一緒にトイレに入って、ウォシュレットを使ってお尻をキレイに洗い流し、わたしがおしりふきで拭いて終了。幸いなことにズボンや手はキレイで、30分前に変えたばかりの尿パッドが汚れていただけでした。

脱衣所に戻ると、洗濯カゴの真下に便がモリっと。母はトイレに行こうとして分からなくなってしまい、浴室に入ろうとしたようです。しかし浴室をトイレとよく間違うのでいつも鍵をかけていて、諦めてトイレへ向かうのですが、今回はそうならなかったのです。

なんで洗濯カゴに座るの? と最初は思ったのですが、これはあり得るかも!と思った理由を説明します。

洗濯カゴをよく見るとあるものに見えた!

ここからは、写真を使って説明します。この日わたしは、洗濯カゴを持ち歩いていました。洗濯カゴは下だけセットしてあって、上はない状態でした。

洗濯カゴが下段のみにある状態

これ冷静に見ると、何かに見えませんか? 洋式トイレに見えなくもない(自分だけかも)。母はきっと洋式トイレと勘違いして、カゴの上に座ったと思います。

母のお尻に傷ができてしまったのと洗濯カゴが曲がってしまったのですが、お尻もカゴもそれほどダメージはありませんでした。

支えていた洗濯カゴの棒がグニャリ

そんな不安定なところに座ること自体難しいのですが、重度の認知症になると行動が予測できません。いろいろ対策を施してますが、母はそれを上回ってくるので驚きの連続です。

今後は洗濯をしたり、自分が2階の部屋に行ったりするときは、脱衣所に鍵をかけておこうと思います。脱衣所には鍵がついてないので、ここでもまたベビーガードが活躍しそうです。

ちなみに洗濯カゴを持ち歩くのは、わたしかヘルパーさんしかいません。上下にカゴがあれば、洋式トイレと間違うことはないと思うので、むしろ人がいるときのほうが危険です。

いつもなら怒ってもしょうがない母に対して、ついつい怒ってしまう場面でしたが、3週間ぶりの再会だったことに加え、理由に納得がいったので、いつもより穏やかに対応できました。

今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(82歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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