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認知症の経過報告(3週間目)

認知症の母(69歳)が、コウノメソッドと出会ってどのような認知症の経過をたどるのか、ブログに残していきます。

認知症の母の状態と、現在行っている認知症治療

・アルツハイマー型認知症と診断されたのが、2013年4月上旬?
・症状自体はおそらく1年前、祖母が子宮頸がんで入院して家で1人になってから一気に悪化
・脳の委縮はほとんどなく、軽度の認知症と診断
・現在服用しているのは、フェルガード100Mのみ。1日1包服用
・この週はわたしは東京に滞在、母とは電話のみ

3週目に現れた効果

実家に1週間一緒に居る時というのは、母の不安(認知症なので、直近の記憶を忘れてしまい、その事を不安に思う)を解消してあげることが可能です。遠距離介護の難しいところは、これができなくなるということです。ただ、この離れている時が症状を確認できるチャンスです。

わたしがいる時はわたしがいろんな仕掛け(外に買い物に連れ出す、祖母の病院へ連れて行くなど)をするので、本人から見ると非日常になります。ごはんも2人分作ったり、材料もいつもより多く必要です。1人になると、ヘルパーさん以外は特に母にあれこれいう人がいないので、こういう時に妄想とか不思議な行動をとることが多いです。

今までの妄想の中で、回数的に多かったのが

『わたしが東京に帰ったと言っても、理解してくれない』 

これが結構面倒で、毎日携帯に電話をしてきては、『今日は何時に帰ってくるの?』 というのを留守電に短時間で10件とか入れてました。『今東京だから、来週ね』 このやりとりが何回もありました。1週間目にだいぶこの症状がなくなったのですが、この3週間目は完全になくなりました。これはびっくりです。

ただ、『次は何月何日に帰ってくるんだっけ?』 という質問は相変わらず何回もするんですが、少なくとも東京にいる事は理解してくれるし、すさまじい携帯電話ラッシュも完全になくなりました。次に多い妄想が、

『お父さん(自分の夫)がもしも万が一だよ、実家に戻ってくるとして・・・』

22年前に出ていった父は全く家には連絡してきてないんですが、認知症の母はずっと妄想の中で、『家に戻ってくる』 と思っていて、これがなんとも切ないです。わたしから見ると99%戻ってくるわけがないのに。

この ”万が一” ってのが、わたしから見ると大成長でめちゃめちゃ驚きました。今までは完全に帰ってくると思い込んでいるので、玄関にスリッパを用意したり、灰皿を客間にセットしたり、寿司をとろうとしたり・・・とにかく切なさのオンパレードです。帰ってこないから~と言っても、聞いてくれる相手ではないです。

それがフェルガード服用して3週間目にやっと、万が一という言葉が出てきたときには耳を疑いました。えっ?って。認知症の症状も波があるので、まぐれかもなぁと思っていたのですが、最近は寿司の準備がなくなっただけでもありがたいです。

また、認知症の経過報告(1週目)でお見せしたフェルガード服薬管理の写真(下記)ですが、これを母が ”自分で” やりだしたのです。相変わらずフェルガード服用直後に、『あれ、サプリ飲んだっけ?』と言いますが、わたしがいない1週間は指定された包数を決められた時に飲もうと思いだしたのです。劇的な改善ってことではないんですが、何かが少しずつ変化している事は確かです。

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結論

3週間目は妄想が少し減ってきた。もちろん核となる部分は相変わらずだが、半年前に祖母が入院してパニックになっていた時と比べると、かなり穏やか。

フェルガードについての詳細記事は、フェルガードという米ぬかサプリメントとコウノメソッドのはなし に書いてあります。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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