父から相続されたマンションを売却するか、賃貸にするかの結論

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9月に亡くなった父の手続きを始めて2か月が経過しましたが、まだ終わりません。先日は、介護保険負担割合証を市役所の介護保険課に返却にいったら、少しだけ還付が決まりました。おそらく還付されるお金は、すべて頂いたと思います。

今やっているのは、凍結された父の銀行口座を解除する手続きで、こちらももうすぐ終わります。あとは相続のメインイベントであるマンションです。こんなステップで、マンションの相続は進んでいます。

  1. 父のマンションの名義を、わたし名義に変更する(行政書士に依頼)
  2. 名義変更をしている間に、父の遺品整理を終わらせる
  3. 不動産業者をマンションに呼んで、どこまでリフォームするか話し合う
  4. 火災保険の名義変更を行う(相続後しかできなかったため)

父のマンションの相続が終わる

まず、相続人であるわたし、母、妹の3人で、父の遺産をどう分割するかを決める「遺産分割協議書」を行政書士に依頼して、作成しました。父の「口頭遺言(無効ですが)」をこの3人が承認したので、その内容で書類を作成しました。27年別居していた母への相続を父は望んでなかったので、実質わたしと妹が遺産を受け取ることになりました。

マンションの名義変更(相続登記)というのは、行政書士ではできません。司法書士につないでくれて、その先生が手続きを進めてくれた結果、わたし名義に変わりました。これら手続きで、10数万円の費用がかかりました。

遺品整理が終わる

わたしは合鍵を渡して、好きな時間に遺品を廃棄してくださいとお願いしました。最終確認したら、マンションはもぬけの殻(記事タイトル下の写真)でした。大切なものは事前にチェックしたつもりだったのですが、重要書類と父の遺影、仏壇だけが残ってました。本当に何もないマンションになり、スッキリしました!こちらも10数万の費用がかかりました。

マンションを賃貸する案が急浮上!

不動産屋に会う前日の夜、ある方から父のマンションを貸してもらえないかという打診がありました。売却とだけ不動産屋には伝えていたので、翌日に急きょ不動産屋と賃貸についても話し合いました。

  1. 同じくらいの築年数、間取り、駅からの距離で、家賃相場を計算した
  2. オーナーとして払うべきもの(管理費、修繕積立金、固定資産税)などコスト計算をした

毎月どれくらいの利益を得られるか計算したところ、月々の収入は約2万円。不動産業者に、管理業務を委託する費用も新たに発生します。オーナーがどこまで払うかは物件によって違うのですが、比較した物件はほぼオーナーが払ってました。これらをONして借り手に払ってもらうと、家賃が他より高くなるので現実的ではありません。

わたしは今、相当な持ち出し(葬儀とか病院代、お墓の費用など)をしておりまして、この利益ではお金を回収するのに何年かかるんだってことになり、賃貸についてはなくなりました。すでに築30年以上が経過しているので、ゆっくり回収している場合ではないというのもあり、マンションは売却することにしました。

マンションを売却する際に注意すべき点

マンションを売却する場合、どこまでリフォームするかというのがポイントになります。

  1. 全く何もせず、現状のまま売り出す
  2. お風呂やボイラー、キッチンなど一部リフォームをして、売り出す
  3. 大規模にリフォームして、売り出す

1のメリットは、余計な費用がかかりません。しかし、古いマンションなのでフローリングもなければ、段差だらけですし、お風呂場の浴槽も深い・・・誰も欲しいとは思いません。それでも、買い手は自由にリフォームができるわけで、その分価格を安く売りだすことができます。

3に関しては、100万を超えるリフォームをして、どれだけ売却価格にONして売り出せるかがポイントです。お金をかけても、投資に見合った回収ができないと、何の意味もありません。これは博打的な要素があります。

結局、わたしは1を選択しました。というのも、不動産屋が最近取引した物件が、1のパターンで3か月で売れたというのです。父のマンションの真下の部屋は300万近いリフォームをしたのに、1年経っても売れなかったみたいで・・・

1に関しては、一切何もしないわけではありません。物件の内見に来る人に、ある程度キレイな状態を見せておかないといけないのです。これをやらないと、値引きの材料にされてしまったり、いつまでも売れなかったりする可能性があるのです。

ハウスクリーニングなど不動産屋の見積

不動産屋とマンションに行って、そのキレイな状態にするのにどれくらいお金がかかるかを口頭で説明してもらって、後日正式見積をもらうというステップにしました。

不動産屋さん
それでは行きますね~、すべて税抜きです。まずは寝室ですが壁のクロス43000円、天井のクロス28000円、カーペットを新しくしたら4万円・・・
くどひろ
いやぁ~、面白い!ってことは、この部屋だけで13万必要なんですね

こんな感じで、他の部屋も診てもらったら、まぁ数十万円はかかりそうです。具体的にどんなことをするかというと、

  • 壁、天井のクロスの張り替え(タバコのヤニで黄ばんでる)
  • じゅうたんのクリーニング洗浄(じゅうたんを新しくするよりは安く抑えられる)
  • 台所の天井の塗装(ここだけクロスではなかった)
  • 台所・お風呂の水回りを含む、ハウスクリーニング全般
  • お風呂の鏡を取り換える

もちろんこれら費用は、ある程度マンションの売値にオンします。でも、市場価格と乖離するような設定にはしてないですし、とにかくわたしは1日も早く売ってしまいたいのです。お金というよりかは、この面倒な一連の手続きから早く解放されたい!

マンション売却時の不動産屋への仲介手数料

売却価格×3%+6万円

売却時には、これを不動産屋に支払います。売却価格から、葬儀代、病院代、お墓代、ハウスクリーニング、相続登記の費用、遺品整理代、仲介手数料、売れるまでのマンションの公共料金など、立て替えた分をまず回収。残ったお金をわたしと妹で分けます。手間の割には、手元に残る額が少ないっていう・・・まさに「負動産」。

3月の異動シーズンまでに売れて欲しいですが、さてさて。ブログのネタにはなるから、父にはどうもありがとう!と言いたい部分もありますけどね・・・。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか