22時のバイブ音。大寒波から布団をいじり続ける認知症の母を守る遠距離介護の夜

重度まで認知症が進行した認知症の母の最近のこだわりは、布団です。タオルケットや毛布、シーツをいじり出すと止まらず、ひどい日は2時間近く触っています。

今までは寝室に母が入ったところで、見守りカメラによるわたしの見守りは止めていました。しかし今は寝室に入ったあと、母がきちんと布団に入っているかを確認し、寝たあとも数回確認するようにしています。

布団を1時間以上いじると目が冴えるのか、せっかく寝室に入ったのに居間に戻ってテレビを見ようとしたり、夜中なのに外出の準備をしたりします。

先週今週と大寒波が岩手にもやってきていて、朝の最低気温はマイナス7℃くらいの日が多くなり、マイナス10℃以下になる日もありました。そんな厳しい気象条件の中、夜遅くに母が起きてしまったのです。

タオルケットを頭からかぶる母

この日の母は20時に就寝したので、東京にいたわたしは一安心。

念のため20時30分に寝室の見守りカメラを見たら、母がタオルケットを頭からかぶっていました。どうやら服と勘違いしたようで、いくらかぶっても着られません。

そのうち毛布やシーツが気になり出し、気づいたら21時に。このままではまずいと思って、見守りカメラから「明日早いから、寝てくださーい」と声を掛けました。

この声掛けで素直に寝てくれる日もありますが、この日の母は無視。そこからさらに1時間ほどタオルケットや毛布をいじって、22時過ぎにやっと寝てくれました。これで自分も寝られます。

氷点下7度の脅威。深夜の動体検知が知らせる母の異変

昨年12月、深夜に母が寝室から出て、寒い居間や客間をウロウロして、寝室に戻らずに寒い部屋で寝て風邪をひいた事件がありました。1年前の冬にも、夜中に冷蔵庫の前で置き型手すりの下にあるカーペットの毛玉を3時間取り続けていたことがありました。

いずれも大事には至りませんでしたが、今回の大寒波中だったら凍死するかもしれない話です。実家は築50年以上で、深夜は寝室以外の暖房を切っているので、室温が一桁になります。

しかもわたしが寝ている時間なので、母の見守りができません。そこで見守りカメラの動体検知機能を使って、対策しています。わたしが使っている見守りカメラの記事は、下記になります。

見守りカメラ Eufy Anker
設定は通知画面で「人物」「その他全ての物体」のフラグを立てておくと、母がカメラの前を通過した瞬間に通知がきます。

要は寝室の扉が開くと、東京のわたしのスマホのバイブが鳴るのです。わたしはいつもスマホを就寝モードにするので、メールやLINEが来ても夜中は鳴りません。しかし唯一、見守りカメラの通知だけは許可していて、母が寝室の扉を開けるとスマホが「ブー」って鳴ります。

この日は布団いじりが長かったので特に警戒していて、わたしも軽く目をつむっていたのですが、22時30分に枕元に置いていたスマホのバイブが鳴りました。母はキッチンの電気をつけ、どこかに出かけようと自分の姿を鏡で見ていました。

母は足に障がいがあって、外は歩行介助なしでは歩けません。氷点下10度近い外へ出る危険はないのですが、実家が古すぎるため室内でも冬は危険です。

キッチンの室温は5℃、フローリングの上を裸足で歩いています。「今は夜中ですよー、風邪ひくから布団に入ってー」と見守りカメラで声を掛けると、母は素直に寝室に戻りました。

22時45分に再びバイブが鳴り、その後も23時1分、23時6分と何度も寝室から出る母。その都度声を掛けて、寝室に戻ってもらいました。

布団をいじりまくった結果、掛布団1枚で寝ることになってしまったのですが、遠距離介護なのでどうしようもありません。寝室は一晩中エアコンがついていて、室温は19度。

去年はお泊りデイを利用したあとにこうした行動が多かったので、泊まる日数を減らして落ち着きました。でもお泊りデイとは関係ない日にもたまにあるので、こればかりは対策のしようがありません。

遠距離介護の限界と翌日に起きた母の異変

翌日の昼ごろ、デイサービスの看護師さんから母が嘔吐したと東京のわたしに電話がありました。血圧が低く、ヘルパーさんの報告では布団に大量の失禁もあったとのこと。

寒い寝室から何度も裸足で出たり、掛布団1枚で寝たりした影響があったのだと思います。また失禁した尿の上で寝てしまい、体が冷たくなった可能性もあります。結局デイから帰ってきたころには、いつもの母に戻っていました。

来年も今年並みの寒さや雪になったら、冬季だけ介護施設で生活してもらうプランも考えておかないといけないかもしれません。たった2日のお泊りデイで不穏になる母が、1か月も生活できるのか心配ですが、今年の冬までにじっくり考えておきたいと思います。

今日もしれっと、しれっと。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(82歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて14年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
工藤さんが教える 遠距離介護73のヒント(翔泳社)、老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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