地震の影響で東京へ帰れず遠距離介護の帰路はこうした

羽田空港

東北新幹線のチケットは、1月上旬に2月19日分(通常運賃の5割引)を取っておきました。ところが今回の大きな地震の影響で、東北新幹線が10日間動かないことが判明。

東北新幹線が全面復旧するまで、実家で過ごす選択肢もありました。しかし、わたしが帰京したあとのヘルパーさんの手配は終わっています。それに1か月半にわたる長期の遠距離介護で、さすがに東京へ帰りたい。歯医者に行きたい、確定申告を終わらせたい、暖かいところで生活したい、普通の歩幅で歩きたい!(凍結でずっとチョコチョコ歩き)

19日に帰るつもりで、実家の掃除や洗濯、消毒、洗濯槽掃除、見守りカメラのバッテリー充電、冷蔵庫の食材の消化などを考えながら家事をしていたので、やっぱり帰りたい。

どんな手段を使ってでも、帰京しよう! コロナ禍だから、そんなに人の移動はないだろうと思っていたら、飛び込んでくるニュースはどれも「密」だったのです。さて、どうする?

盛岡から東京へ帰る方法

1番避けたいのは密に巻き込まれ、コロナに感染してしまうことです。

コロナがなければ、深夜高速バスに7.5時間乗って、盛岡から東京へ行ったかもしれません。しかし、あの狭い空間でマスクをしながら、長時間の移動はつらいし、きっと眠れません。ということで、高速バスは早々に却下。

次にレンタカーを借りて、1人で運転して東京へ行って乗り捨てる方法を考えました。密じゃないのでいいと思ったのですが、ニュースで同じことを考えている人がいることを知り、しかもすでに乗り捨てレンタカーで車両が出払っていると。料金が5万以上とえげつないので、これも却下。

twitterを見ていたら、臨時列車が常磐線を走っているという情報が。ところが、鉄道ファンが押しかけて、混雑している模様。そして時間がかかるので、却下。

密を避け、移動時間を極力短くして、お金をあまりかけずに帰る方法はないだろうかとひたすら考えて、最終的にこの方法にしました。

どこから飛行機を利用するか?

岩手県の県庁所在地は盛岡市ですが、空港がありません。宮沢賢治の生まれた花巻まで移動して、花巻空港から臨時便を使って、羽田へ行けることが分かりました。通常は東京行きの飛行機はなく、東日本大震災以来の臨時便だそうです。

しかし、数日先の予約ができず、運賃は28000円。東北新幹線の片道はコロナ禍の今、8000円を切っているので、3倍以上です。いくら払ってでも帰ろうと思いましたが、臨時便の日程が前日にならないと分からないので却下。

花巻空港がだめなら、秋田だ!盛岡から秋田新幹線で秋田へ移動し、そこから飛行機で羽田へのルートを検討しました。それぞれの移動時間は90分くらいずつで、コロナ的にもよさそうです。

19日午後からしか移動できなかったので、どうしても1泊しないといけません。いつも利用しているホテルなら、ポイントでほぼ無料で泊まれます。ところがそのホテルが、秋田にはないので却下。

次に目をつけたのが青森でした。飛行機代と青森までの新幹線移動で22000円、ホテルはただなので、この方法で予約確定しました。

そしたら、岩手県内のみ東北新幹線が復旧。さらに花巻空港から東京までの飛行機が17,000円で予約できることが分かり、青森のチケットすべてキャンセルして、盛岡→花巻空港→羽田のコースで、ホテルに泊まることなく帰京が決まりました。

8年の遠距離介護の移動トラブルは、東京駅で火災があって、指定席に座れず通路に座って帰った思い出と、お盆期間中に指定席が取れず、東京まで2時間立って帰京したくらいです。

花巻空港は、子どもの頃飛行機を見に行っただけで、実際に利用したことはありませんでした。一生使うことはないと思っていたので、ちょっと楽しみです。とりあえず1.5か月の遠距離介護生活、さすがに長かった~

音声配信voicyの最新回は、認知症の母が町内会班長になったエピソードをフルバージョンでお話ししつつ、気づきも加えてみました↓

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか