離れて暮らす親の要介護認定の立ち会いを見守りカメラで行った話

認知症の母は現在、要介護2です。前回の要介護認定は2020年12月で、有効期間は3年とブログでご紹介しました。

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なのでまだ有効期間内でしたが、昨年末に要介護認定を行いました。そうです、区分変更です。

区分変更とは?

要介護認定を受けている人(わが家では母)の状態が著しく変化した場合や、要介護認定の結果が不服だったときに、区分変更を利用します。今回お願いした理由は、前者です。

コロナ禍で母の認知症が進行し、ケアプランの微修正をたびたびお願いしてきました。直近だと、訪問リハビリの時間を40分から60分に延長したのですが、いよいよ要介護2の限度額を超過する月が出てきてしまっていたのです。

実はこの区分変更の申請した週に、町内会費問題や母の転倒が重なり、遠距離介護とは思えないほどケアマネさんや妹との電話でのやりとりが急増しました。

要介護認定の立ち会いは必須

本にも書きましたし、それこそ要介護認定を受けた方なら皆思うことですが、認定調査のときは家族の立ち会いは必須です。理由は、調査員の質問に対して、認知症の人が本当はできないのにできると答えてしまって、本来の要介護度で判定されない場合があるからです。

しかし今はコロナ禍。帰省前にPCR検査を受けたり、ホテルで健康観察をしたり、調整期間を経てから帰省してます。急に調査日が決定しても、認定調査には立ち会えません。 

それでも昨年12月は感染者数がかなり減っていたので、日帰りで帰省して認定調査に立ち会おうかと考えていたところに、ラッキーなことが起きました。調査員が、うちのケアマネさんだったのです。以前も同じことがあったのですが、ケアマネさんは家族の次に、母の状況を理解しています。

調査員がケアマネさんならと帰省を見送り、わたしは見守りカメラで母の要介護認定の様子を見学することにしました。まさか見守りカメラが、要介護認定にも役立つとは!遠距離で立ち会えない方は、見守りカメラの映像で立ち会うという方法もありですね。

認定調査をLIVE映像で見る

要介護認定で最も気になるのは、いつもどおりの母が調査中に出るかどうかです。

それこそだいぶ前の要介護認定では、2年ぶりに自分の年齢を当てる奇跡を演じ、わたしを困らせた母でしたが、カメラのLIVE映像ではこんな感じでした。

ケアマネ:「何時に起きていますか?」
母:「のんびり寝ててね。それこそ、若い頃は何時まででも寝れたのよ」

ケアマネ:「朝ご飯は、何時に食べましたか?」
母:「ご飯はね、残り物でなんとかしてます。子どもたちがいた頃は、用意が大変でね」

ケアマネ:「今、何歳ですか?」
母:「えっと、82歳かな。それこそ孫に、おばあちゃん間違ってるって言われてね」(正解は78歳)

ケアマネ:「今、何月か分かりますか?」
母:「秋かしらね」(正解は冬)

ケアマネ:「買い物は、どうされてますか?」
母:「買い物はね、自転車を押して自分で行きます」(正解はヘルパーさんが買ってくる)

母は自分はできている、やっているアピールをしてました。
ただ、この答え方は完全に取り繕いというか、はぐらかしています。結局、起きている時間が分からない、朝ごはんの時間も分からない、だからなんとなく答えているふうを装ってます。

調査員によっては、母の言うことをそのまま信じてしまうこともあります。しかしケアマネさんなら、母の回答の間違いに気づきます。いつもどおりの母が出ていたので、安心してLIVE映像を切りました。

現在要介護2ですが、おそらく要介護3になるのではと予測しています。そろそろ結果が来る頃ですが、もし要介護3になったら、さらにいろいろケアプランを見直していきます。遠距離で在宅介護を続けていくのに、介護職の皆さんの力をもっと借りないといけない状況になってきました。

いつも、帰省のピークをずらしているので、必ず盛岡に到着した後に東京の感染者が増えますね。次回の遠距離介護の時期を考慮しながら、ケアプランの見直し始めます。

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今日もしれっと、しれっと。


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5件のコメント

今年もよろしくお願いします。

認定調査は本当に準備が大切ですね。
うちは前回調査員の質問中に「私をバカにしてるでしょ!」と怒り出し、杖を投げつけて他の部屋に行ってしまいました。
毎回ケアマネさんが調査に同席して下さるので、今回は事前にケアマネさんから調査員に手短にと伝えてもらい、質問を大幅カットして調査員・ケアマネ・私(嫁)の三者面談の時間をたくさん取ってもらいました。
名前、生年月日、手が上げられるか、今の季節だけの本人聞き取りでしたが、手上げの動作時には顔が引きつっていて危ないところでした。
毎回の調査で季節の問いには絶対に断定しません。
「冬の終わり、春の初めかな」「秋の初めやね」等必ずぼかして答えます。今回は12月の調査でしたが「夏の初めやね。春の終わりと言うてもええね」でした。

三者面談では伝えることが多いので、本人の最近の様子、本人のできる事とできない事、介護者がしている事、介護者が困っている事、今後利用したいサービスをWordで作成してお渡ししています。
面談時には全てを読む時間はありませんが、調査員の助けにはなると思っています。回を追うごとに書くことが増え、今回の調査ではA4用紙5枚になりました。PCに保存しておくと次の調査の時にも役立ちます。

↑ 三者面談の時、ケアマネさんはデイサービスやショートステイでの様子を調査員に説明してくださいます。こまめにデイやステイ先に出向いたり電話したりして情報収集をしくださるケアマネさんです。
家族が把握しきれない事をちゃんと伝えてくださるので心強いです。

おじゃるんさま

以前はwordに書いたものを渡しておりました。
母への配慮といいますか、母の答えをことごとく否定してしまうので紙で渡していたのですが、最近はその必要がなくなりました。

記事のとおり、しっかり違和感ある回答をしてくれるまで認知症が進行したためで、それでも奇跡のような出来事がこういうときにかぎってあるので、コロナでなければ今後も立ち会うと思います。

くどひろさま

いつもためになる記事に感謝しています。
今年もよろしくお願いします。

考え続けて1年、本日スマカメを設置しました!
気持ちがすごく楽になりました。

同じマンションの別の部屋に住んでいますが
母娘ゆえの葛藤やら何やら。
紙パンツ交換の電話を毎晩していますが、
母が別のことをしていてタイミングが悪ければ
何度もかけ直していました。
今日からはスマカメで状態を確認できるので助かります。

しいちゃんさま

記事がお役に立っているようで、よかったです!
今年もよろしくお願いします。

スマカメ設置に1年、結構悩まれましたね。
わたしはカメラなしでは、もはや介護は成り立ちません。便利な使い方はたくさんあるので、いっぱい活用してみてください!

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか