認知症の母のがん検診は超厳戒態勢モード

今回の帰省目的は、2年ぶりの母のがん検診でした。

普通の健康診断に加え、乳がん、子宮頸がん、肺がん、胃がん、大腸がんの計5つを行いました。本当は毎年やらないといけないのですが、盛岡市は乳がんが2年に1回なので、それに合わせてます。

2か月前に病院予約をし、レンタカーを借りて、母を病院へ連れて行きました。大きい病院に行くと、1か所で検診がほとんどできるのでそこを予約し、胃がん(胃カメラ)だけは、別の病院にしました。

検査前日の母の凄まじい質問攻撃

母としては不安なんでしょう、がん検診が。凄まじい質問攻撃が始まります。同じことを5回以上言われると、介護者はストレスがたまるのですが、5回なんて3分もかかりません(笑)

明日は何時から?なんて病院?どこ?タクシーで行くの?何年ぶり?

数えるとストレスになるので止めましたが、この質問は冗談抜きで100回超えを達成しました。10回を超えてからは、ホワイトボードに情報をすべて書き、指さし対応に変えましたが、それでも質問が止まりません。

分かっていてもやはり疲れますが、2年前にも同じ状況を経験してますし、母の不安も分からないでもないので、なんとかなりました。スイッチの入った母の連続攻撃は、やっぱりすげ~です。

毎度おなじみのがん検診質問票

2年前にもありましたが、それぞれのがん検診毎に質問票がありました。質問の意味は理解できるはずですが、いいかげんに回答してしまうところがありまして(ピック病っぽい)、すべてわたしが添削しました。

勢いで、全部1番に〇しそうになったり、「視力低下」の問いが気になって、看護師さんに何回も質問したり・・・認知症だと知らない相手の場合、事情を説明しようか悩むのですが、ほとんど説明したことありません。なので「まぁまぁ」と、話をさえぎって終わらせたりしました。

今回も母と閉経について語り合いましたが、2回目なので「しれっと」会話できました(笑)母と息子でそんな話をするのは、うちぐらいでしょう。足が不自由ですが、車イスを使うほどでもないので、腕を組みながら病院内を3時間ほどグルグル回りました。

自宅での大腸がん検診

洋式トイレに紙を敷いて、その上に用を足した後に、つまようじのような細い棒ですくう検診です。自宅で5日の間に2回取るというミッションを与えられたのですが、結構大変です。トイレに行こうとする母に、

くどひろ
今からどっちに行くの?大?少?

トイレに行く都度、毎回この質問をします。で、トイレに一緒に行って、使い方の説明をします。わたしが不在時にも対応できるよう、トイレに貼り紙もしました。

ちょっと文章が変ですが、トイレの扉にこれを貼りました。
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今回は、2日間であっさり採取できたので、そこまで苦労はしなかったかな・・・

バリウムでの検査はできない!胃がん検診

一番大変なのが、胃がんの検診です。盛岡市では今年から、内視鏡を選べることになりました。母は握力がないので、バリウム飲んでグルグル回るアレはできません。2年前は、検査を受けられませんでした。台から、ズルズル落ちます。というか、世の中の高齢者、あの拷問のような回転はできるのでしょうか?

とにかく検査前日の夜9時以降、当日の朝食まで、なんとしても食べさせないようにしないといけません。わが家の台所と居間は、厳戒態勢を取りました。

まずは冷蔵庫。開けられないように、壁と冷蔵庫にまたがるように貼り紙をしました。
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次に流し台。水道水をガブガブ飲むので、水栓を貼り紙で隠しました。
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台所のガス台横。コーヒーを飲むために、ガスに火をつけそうになるので貼り紙。
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台所のダイニングテーブル。朝食を準備しそうになるので、ここにも貼り紙。
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居間のこたつ。最近朝が寒いので、コタツ出しました。居間で食べないように、貼り紙。
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前回は分かったとか言って、貼り紙をはがされました。(分かってないのに)今回は狭いところに5枚貼ったので、さすがにはがす気も起きなかったようです。

胃がんの検査結果

胃がんだけ結果が出ました。13年ぶりに受けたのですが、結果は問題なし。麻酔を使って、鼻からの胃カメラだったので、ずっと朦朧としてました。昼寝を1時間ぐらいした後も、

え、朝の3時?午後3時?

とにかく混乱しまくってましたが、胃カメラの「えづき」が感覚として残るとイヤだなと思ったので、麻酔をお願いしました。麻酔利用すると、市の無料検診対象外になりますが、結果をすぐ知りたかったのでこれでよかったかなと。

残りは11月に結果を聞きに行きますが、たぶん大丈夫なはず。長生きしてもらいましょう!

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

わー、お疲れ様でした!
うちの母と同じぐらいの記憶力なので、この「3分もたずにかなりの質問攻め」という状態がどれだけキツイかよーくわかります!
メモを貼りまくったり、予めこちらの準備することが多くて、これはやる前から萎えるなぁ。

大腸癌の検査はすごく大変そうですね。うちの場合はトイレを済ませたか忘れて検査のキットを何度も出したり入れたりしそうです。糖尿病の毎月の血液検査以外は何もしていません。

何はともあれ、お母様の結果がよくてよかったですね。

babamamaさま

ありがとうございます!

がん検診の前は決意というか覚悟が要りますが、2年に1回のイベントなのでなんとかなりますね、少し大変ですが(笑)とりあえず胃がんはよかったので、残りもいいことを祈ってます!

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか