アルツハイマー病の革命的予防・治療法「リコード法」ってなに?

リコード法 アルツハイマー病真実と終焉 デール・ブレデセン

「アルツハイマー病真実と終焉(ソシム)」という、つい最近出た新刊が気になって、読んでみました。

この本はアメリカで発売4か月で9刷、20万部の販売数。そして、Amazonやウォールストリートジャーナルでもベストセラー入りしました。監修は、うちでも未だに試している認知症にココナッツオイルでもおなじみ、お茶の水長寿健康クリニック院長白澤卓二先生です。

この本で紹介されているアルツハイマー病の革命的予防・治療法(←表現は本のままです)が「リコード法」です。このリコード法を使った約9割の患者が、回復が認められたのだとか。2017年12月現在で500人以上が、この治療法で成功しました。

うちの母もアルツハイマー型認知症と診断されていますので、半分期待、半分疑いの目をもって、この本を読みました。「リコード法」をもしうちで実践するとしたら?

リコード法とは?

認知機能の低下の回復を英訳すると、Cognitive DeclineをReversal するとなります。太字を並べてReCode(リコード)です。

本の著者であるデール・ブレデセン博士は、神経変性疾患の世界的権威。本ではアルツハイマー病の方が、このリコード法を使って回復された事例が紹介されたり、こうやったら、あなたもアルツハイマー病になれる!みたいな話が延々と続きます。

400ページ以上の本なのですが、「オチ」が見えません・・・。小説だったら、前振りもすべて最後に著者が回収してくれるのだろうというワクワク感をもって読み進めます。わたしのようなせっかち人間は「で、どうするの?」「9割治るんでしょ、早く教えてよ!」となるわけです。

しびれを切らしたわたしは、巻末の「監修者あとがき」から読むことにしました。白澤先生が書いたものですが、結果この読み方が一番正解でした。

ブレデセン博士は「屋根に空いた36個の穴」というたとえで、リコード法を説明しています。その36項目の中には遺伝子、血液検査、毒素、金属など、いろんな項目が提示され、その目標値が記載されています。1種類の薬剤で、穴は2から3個塞ぐことが可能なのだそうです。具体的なことはネタバレになるので、そこは本を読んでみてください。

結局、食生活や生活習慣を大きく見直すことが求められますし、運動や睡眠、ストレスの軽減といった、たくさんの項目の改善が必要です。読んでいて、リコード法の実践はうちでは厳しい!と思ったのですが、白澤先生が巻末でこう言ってます。

穴は、全部完璧に塞がなくても、3つ4つ塞いだだけで、劇的によくなる人もいる。

この言葉がなかったら、わたしはそっと本を閉じ、ブログにも書かなかったはずです。この本で認知症によくない食材や生活習慣を、理解していくのだと思います。

リコード法をフルパッケージで実践してくれる介護施設が出てくれば面白いと思いますし、しばらくしたらリコード法実践医も日本に現れるのではと思います。

これだけだと、ブログを読んでくださった方がガッカリすると思ったので、どうやったらリコード法を実践できるかをネットで調べまくりました。すると、介護家族でこのリコード法を実践されている方を見つけました!

リコード法を介護家族が勉強するには?

要介護3のお父さまと認知症のお母さまを介護する、黒澤うにさんという方のブログ「婚活しながら♡両親介護」で、このリコード法を実践されています。その方がさらにオススメしているのが、若年性アルツハイマーのお母さまをみていらっしゃるアルハカさんの「アルツハッカー(日本で唯一の認知症回復系ブログ)」です。お二人とも本当に気合の入っていらっしゃる方々で、驚きます。

この本やお二人のブログを見るに、わたしたち介護家族や医療も含め、すごくシンプルな方法(このお薬さえ飲めば、このサプリさえ飲めば認知症が治る!改善する!)というアプローチを渇望している、だけどアルツハイマー病はそんな単純な原因で発症するのではなく、いろんな要素をつぶしていかなければならないということだと思います。

わたしもいろんなサプリメントや抗認知症薬を試してきましたが、単発で試してダメなら次という発想しかありませんでした。しかし、この本とお二人のブログを読んで、36の穴のいくつかを「複合的に」ふさいでみようかな・・・そんな気持ちになりました。

半歩か一歩、認知症の症状が進んでいる母。ちょうど過渡期でサプリメントを変更していますが、今のところ自分の望む成果は得られていません。

母はアルツハイマー型なのかピック病なのか、あるいは混合型なのか微妙です。アルツハイマー型以外についてはこう記述があります。

リコード法はアルツハイマー病と前アルツハイマー病に役立つことが証明されているが、レビー小体型認知症など、その他の認知症の原因に有用であるのかはまだわかっていない。
引用元:アルツハイマー病の真実と終焉(ソシム)

認知症介護が始まってから暗中模索が続いています、一筋の光を探すべく、リコード法の「エキス」をどこかで試していければなと思っています。全部実践するのはやっぱり厳しいです、でも抜け落ちたパズルのピースを見つけたら、うちの母も改善するのかも・・・

何より、こんなに真剣に認知症という病気と対峙しているご家族がいることに感動しました。


わが家で今試せているリコード法の一部がこちらの記事になります、あわせて読んでみてください!

アルツハイマー病 真実と終焉

アルツハイマー病 真実と終焉 “認知症1150万人”時代の革命的治療プログラム

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2件のコメント

ご紹介いただき、どうもありがとうございます。

私は不完全な形でしかリコード法を実践できていませんが、こんなふうに書いていただき、がんばろうと思えました。少しずつですが、続けていきたいと考えています。

黒澤さま

いえいえ、こちらこそ勝手にご紹介して申し訳ありません。

本を読んで、これを実践するのはなかなか厳しいぞ・・とまず思いました。それで実践されている人を探したら黒澤さんを見つけまして、お料理とかすごいなぁと思いました。あれはわたしにはできません。
うちは遠距離介護なのと、あの量のサプリの管理はなかなか厳しいので、3つか4つの穴を埋めようかと思ってます。

そして、ブログで紹介して頂きありがとうございました!

今後ともよろしくお願いします。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか