介護のニュースや記事、書籍を読んでいて、何度も目にする「地域で支え合う」の言葉。
認知症の方が道に迷っていたり、買い物で困っていたりした時、ボランティアや地域住民、認知症サポーターが支えるということがよく書いてあります。認知症の人にやさしい街として有名な福岡県・大牟田市などは、きっとこういうネットワークがしっかり活用されているのだと思います。
介護職の皆さまも「地域で支え合う」「地域づくり」の勉強会に多く参加されていて、こういった動きは活発なんだなぁ~ そう思います。
わたしにはどこか遠い「地域で支え合う」
介護者の中にもご近所さんとのお付き合いが深く、それこそ「地域で支え合う」を実践されている方もいます。
わたしはというと、今はその実感がありません。以前は近所の親族や民生委員さんの力を借りていた時期もあったので、地域で支え合うを体感していました。しかし、民生委員さんが退任され、親族も夫の認知症介護が始まったので、地域感がありません。
ただ、地域包括ケアシステムの中にデイサービス、ヘルパーさんの利用、医療を使いながらの在宅介護も含まれているので、うちもがっつり地域のお世話になっているのだと思います。厚労省のこのシステムの解説を載せておきます。
特別養護老人ホームの順番待ちもありますから、これからさらに「地域で支え合う」ことは大切なことは分かってます。ただ、介護者として悩みを抱えたり、解決方法を探しているときに「地域で支えましょう」という言葉を見つけた時、正直言うと「絶望感」を味わうことがあります。
「それって、今すぐは解決できないってことでしょ?」
って。すごく遠いものに感じてしまいます。老人クラブ、自治会、ボランティアなど探せばアプローチはできるのですが、特に関係を築いてこなかったので、今のところはやはり遠いものです。ボランティアの皆さんに関しては、やはりボランティアの方のスケジュール次第なのもキツイです。
わたしみたいに20年近く首都圏で生活していた人が、突然介護で実家に帰ってみたら、知らないご近所さんばかりになっていた・・・なんてこともあります。介護者の都合のいいタイミングで、すぐ解決してもらえるものって・・・。
インターネットで支え合う介護
今の高齢者世代は、インターネットを使えない世帯も多いと思うので、あまりネットを活用しようとはならず、回覧板とか電話とかサークルとか集いとか、アナログ的な手段が好まれます。
介護者世代の平均年齢が若くなれば、ネットなどデジタル的な手段もだいぶ普及していくと思っています。しかし、公的機関、医療・介護・福祉の世界はネット=危ないという考えが支配していますし、ネットは使える人と使えない人がいるので格差が生まれる、平等でないと言います。
なので、公に「ネットで支え合いましょう!」ということを声高に言えるのは民間機関や、介護当事者ぐらいなのだろうと思います。いずれ時代が追いついてくるのか・・・日本だと、ずっと厳しいままかもしれません。
地域で支えることはもちろん大切なんですけど、今すぐなんとかしたい!困った!と思ったときに、やはりネットは便利です。全国の介護者が解決法を「すぐ」教えてくれます。
TwitterやInstagramのフォロワー数や、Facebookの友人が多い学生が就活に有利になることがありますが、介護者もこの手法を取り入れるといいと思います。会ったこともないゆるいつながり・人脈を、全国に幅広くネットワークとして持つのです。
もちろんフォロワー数が増えると叩かれて凹むこともあるのですが、それでもフォロワー数が多いほうが「インターネットの中で支え合う介護」がより可能になると思います。
自分の介護仲間を増やすために、自分の介護がつらくなった時のために、会社の上司や同僚に相談できない時のために、介護迷宮に迷い込んだときのために、日頃からツイートや投稿を繰り返して、フォロワーを増やしておくことで、介護の孤独からも解放されます。介護者として「リアルな自衛」になると考えています。フォロワー数が少なくとも助けてもらえることもありますが、多いほうが「すぐ」答えが返ってきます。
わたしはブログで何度も読者の方に教えられ、助けてもらってます。ブログは続けるのが難しい人でも、SNSなら割と簡単に始められると思います。物理的な距離は地域のほうが圧倒的に近いのに、遠くにいるはずのネットのほうがより近くに感じてしまいます。
おまえみたいなやつが当事者意識を持たないから、地域も変わらんのだよ!と言われたら、そのとおりです・・・はい。
今日もしれっと、しれっと。
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