イラストレーターであり、超人気介護ブログ『あっけらかん』を運営する、なとみみわさんの新刊『まいにちが、あっけらかん。―高齢になった母の気持ちと行動が納得できる心得帖』(つちや書店)が、2月20日に発売になりました!
実はこの本が発売される直前になとみさん、女性セブン(小学館)で好評連載中の「伴走介護」を書いているN記者、わたしの3人で、新宿でお酒を飲みながら、幸せな介護についてワイワイ語る会があったんです。
この記事も最初はその会のはなし、そして最新刊の感想という書き方をしていたのですが、いつもの3倍の文字数になってしまいました。あまりにも長過ぎるし、それぞれが面白い内容なので、今日はこの本の紹介だけにします。
『 まいにちが、あっけらかん 』本のつくり
なとみさんから、本の発売の話を聞いて1番ビックリしたことは、この本の監修をしたのが、あの佐藤眞一先生だったことです。う、うらやましい、なとみさん!
佐藤先生は、わたしの認知症介護のバイブル本のひとつ『認知症「不可解な行動」には理由がある』(SB新書)の著者。認知症を医学ではなく、心理学・人間行動学の視点で書いた珍しい本で、わたしも未だに読み返しています。そして、佐藤先生の新刊も読んでいる最中です。
なとみさんの実母と義母の理解できない日常のエピソードが、見開き2ページのマンガになっていて、次の見開きページで佐藤先生が老年行動学の視点で解説をしています。
3章111ページなので、1日かからず読み終わると思います。
『まいにちが、あっけらかん』の感想
なとみさんの実母、義母の謎の行動を読みながら、「これ、うちの母だ」「これは、うちの祖母だ」というエピソードが8割もありました。お風呂で読みながら「マジか、このシンクロ率!」と叫んだほどです。
特に笑ってしまったのが、エピソード3の「夫婦じゃないってば」。義母となとみさんがテレビを見ながらご飯を食べているシーンで炸裂する、義母の思い込み。
その思い込みの内容が、ウチの母と一緒!こんな家庭他にはないだろうな・・と思って、ブログの記事に書かなかったのですが、おそらく全国にも同じ思い込みをしている人がまだまだいるんだろうなと思いました。
その思い込みの理由を、佐藤先生がしれっと解説。記憶には「事実の記憶」と「イメージの記憶」があるのだそう。このイメージの記憶を事実と思い込んでしまうと、否定することが難しいとありました。
あとエピソード8の「寝てましたから!」。これも義母となとみさんがテレビを見ているシーンなのですが、義母がこっくりこっくりしているのに「寝てない」と。
なんで高齢者は昼間の居眠りが多くなってしまうのか、佐藤先生の解説を読んで、やっぱりか!と思いました。わたしはうちの母がなぜ「寝てない!」と言い張るのかを知りたかったので、佐藤先生、そちらの解説もぜひお願いします!
この本をオススメする本当の理由
わたしは新刊「ムリなくできる親の介護」(日本実業出版社)の中で、「老察力」という言葉を使いました。詳しくは新刊を読んで頂きたいのですが、本の中でわたしは介護する側がつい、「なんでも認知症のせいする」と思いを持ちながら、書きました。
なとみさんの本の特徴として、「認知症」という言葉がほぼ出てきません。でも、認知症だろうと思う箇所はいっぱいあるし、単なる老いかなとも思わせる箇所もあります。
そういう揺れ動きが介護者の中にも必ずあるのですが、多くの場合、老いではなく「認知症」に軍配が上がり、すべて認知症が原因だと考えがちです。
しかし、この本を読むと、「老いなのかも」と思うことが増えるようになると思います。誰もが老い、若い時の身体機能は維持できません。それを推察し、認めてあげることが介護者には必要だとわたしは思っていて、この本はその推察ができるようになる本です。
わたしの新刊とこの本、あわせて読むと面白いと思います。なとみさんのエピソードをマンガで読み、佐藤先生の解説で原因を知る。そして、わたしの本でその課題を解決するツールを知る・・・こんな使い方ができるエピソードもあります。
この本はAmazonのランキングで、わたしも届かなかった大ジャンル「介護」の中で1位を取りました!わたしがオススメするまでもなく、すでに売れております。
今日もしれっと、しれっと。
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