在宅介護で苦労したことベスト10の結果

在宅介護で苦労したことベスト10

ジャパンロボットウィークでいろいろな介護ロボットを見てきました。介護が大変だから、介護ロボットが必要なことは分かるのですが、一般的に在宅介護でどんな苦労があるか分からなかったので、早速調べてみました。

こちらは内閣府政府広報室が 「介護ロボットに関する特別世論調査」 を2013年に実施していて、その結果になります。(在宅介護経験者、家族が在宅介護経験者だった人に、複数回答で聞いた)

順位内容率(%)
1位排泄62.5%
2位入浴58.3%
3位食事49.1%
4位車椅子からの移乗48.3%
5位寝返り・立ち上がり補助47.7%
6位屋内の移動37.8%
7位認知症ケア28.9%
8位見守り28.2%
9位外出19.4%
10位リハビリ訓練16.1%

1位は排泄、排泄時の付き添いやオムツ交換が最も大変だ!という結果になりました。内閣府がこういう調査をするということは、この苦労をラクにする =介護ロボットで補助する ということになるわけです。その1位の苦労は、これで解決して!というものがロボット展にありました。

ベッドサイド水洗トイレが解決してくれる

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こちらはTOTO株式会社、関東学院大学の共同開発で第6回ロボット大賞で優秀賞を受賞しました。もう売ってます。ベッドのすぐ脇に水洗トイレを設置できる優れものなんですが、現在使われているポータブルトイレのマイナス点はこんな感じです。

<ポータブルトイレの問題>

  • 部屋に臭いがこもる
  • バケツ掃除が大変
  • とにかくポータブルトイレが嫌いと言われ、使ってくれない
  • 使いたくないので、食事や水分の量を控える
  • おしりの拭き取りが大変

上記のポータブルトイレ問題は、下記写真のような簡素なタイプで起こり得るものです。介護用品はAmazonや楽天をとりあえずチェックするのですが、そこでは価格も1万円~3万円とお手頃です。

もちろん進化はしていて、同じTOTOであればポータブルトイレでもウォシュレットがついていたり、暖房便座、脱臭機能がつきます。お値段で11万円くらいです。しかも家具調のものもあります。

今回受賞した「ベッドサイド水洗トイレ」は、これらよりも当然、機能はすごくってこのようなメリットがあります。

  • 家族への気兼ねがいらなくなった
  • 紙おむつを下着に戻す事ができた
  • 排泄処理スタッフの負担が軽減した
  • 音が静かなので、いつ使っているか分からない
  • 夜間の家族介助によるトイレまでの移動がなくなった
  • 本人のプライドが保たれた
  • ウォシュレット機能つきなので、拭き取りがラク
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ベッドのすぐ真横に設置されたベッドサイド水洗トイレ

なんでこんな事ができるかというと、汚物を粉砕して流すんですよ。こうすることで排水ホースで外とつなげるようになり、大規模な工事がいらなくなったんだとか。ウェットティッシュなど異物が入ったとしても、音声ガイドで取り除いてねと知らせてくれます。

トイレットペーパーホルダーがついていて、好きなところに取り付けられたり、トイレ自体固定式でないので移動もできます。ただ介護保険制度の対象でないので、高いです。

うちはまだポータブルトイレを必要としてないですが、手足が不自由なので5年か10年後には必要になるかもしれません。その頃には介護保険の対象になっていて、しかもお安くなっていることを願ってます。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか