先日、ソニーグループさんで講演した話をブログに書きました。
やたらとSDGsの話題に触れることが多くなったと思うのですが、地球上の誰一人取り残さないというSDGsの理念は、多様性の重視です。何が言いたいかというと、ソニーグループさんの取り組み、ダイバーシティ(多様性)&インクルージョンという言葉を目にして、久しぶりに多様性を意識する機会を頂きました。自分が関わってきた多様性の話と介護との関係について、取り上げてみたいと思います。
多様性を身につけたキャリア
わたしがキャリア形成においてラッキーだったのは、ダイバーシティを意識した「ような」(会社が意識していたかどうかは別)職場で働いてきたことです。
5つの会社に在籍しましたが、資本も規模も社風もメンバーの気質も全く違っていました。
それこそ昭和の時代を色濃く反映した、男性経営者や男性管理職の多い会社で働いた経験もありますし、国籍豊かな外資系の職場、転職組が多くいる職場も経験しました。
わたしが会社員だったのは約10年前ですから、多様性や男女平等の話題は今ほど取り上げられていない時代です。男性管理職のほうが多い時代に、女性の上司の元で働く経験もよくありましたし、LGBTQの同僚がいた職場もありました。
また、年下の先輩、年下の上司は日常でした。なので年齢、性別、国籍、いろんな人と関わることができたおかげで、多様性に対する意識を自然と身につけることができたかもしれません。
年齢や性別、国籍もそうですが、例えば介護をしながら働く社員、ワーキングマザーなど、多様な背景を持った人材を活用することが企業にも求められ、企業自体の持続可能性を実現するために必要な時代になっています。
介護におけるジェンダーの話
フリーランスになってから、多様性への意識が薄れつつありましたが、介護においてジェンダーをテーマにした講演依頼がよく来ます。
昭和の時代はそれこそ、嫁が介護する時代でした。その意識を今ももっているシニアの方、そして実際にその影響を受けて介護している方もたくさんいるので、わたしのような男性介護者もいることを伝えたいという主催者の意図を感じます。
男女平等の観点から、これまでの介護の歴史と多様性の今の時代のバランスを取るべく、講演依頼があるのはありがたい話で、全く違和感なく引き受けています。ただ男性介護者の割合も、いずれ4割を超えると思うので、それこそ昭和の介護の感覚でなくなる時代もすぐそこまで来ています。
わたしが講演で呼ばれなくなるようになれば、いわゆる「男性でも介護」的な発想が消えて、本当の意味で多様性のある介護社会がやってくるように思うのです。
ただ、介護は時代を先取りすることはあまりなくて、レース終盤になっても全く追い上げを見せない、常に後方待機しているイメージがあります。育児・介護休業法も、育児は先行しますが、介護はまだまだです。
いろんな職場環境で働いた経験は、今になってみるとありがたいというか、多様性を重視する世の中になっても違和感を持たずに済んでよかったというお話でした。
音声配信voicyの最新回は、認知症介護のツライときの乗り越え方の2回目です。
今日もしれっと、しれっと。
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