ブログカテゴリ「認知症の経過報告」を、2023年はなぜか1回も使っていませんでした。
認知症介護の単なる日常を書くカテゴリなのですが、使ってなかったってことはノウハウになるような介護の日常のほうが多かったのかもしれません。
母は焼きそばがあまり好きではありませんでした。3袋入り焼きそばについている粉末ソースが苦手で、「ソースが気持ち悪いから食べない」と言ってました。
認知症になる前はそんなことなかったと思うし、母の作った焼きそばを食べた記憶もあります。おそらく認知症の軽度の頃から焼きそば、鶏肉、ハンバーグがなぜか嫌いになり、これらの料理を母は作らなくなっていました。
献立決めは母から息子へ
認知症が重度まで進行した今、料理の主導権はわたしにあります。
買い物、料理、洗い物すべて自分でやらないといけないので時間が足りず、あまり料理に時間をかけたくありません。簡単に調理できるレパートリーを増やしておきたい気持ちがありました。
焼きそばがレパートリーに加われば楽になるなと思い、粉末ソースではない秋田県の横手焼きそば2人前をスーパーで買って、試しに作って出してみました。横手焼きそばの特徴である目玉焼きを、きちんと乗せて。
認知症が進行すると、嫌いだったものが嫌いでなくなる場合があるし、何度もリピートしていたいつもの話も内容が変わります。そこに期待して、母にしれっと焼きそばを出しました。母の反応は?
これ、何ていう食べ物なの? (ズルズル)何これ、本当においしいんだけど。
いい感じで、焼きそば嫌いを忘れてくれたようです。
麺の量が多い焼きそばを買ってしまい、きっと残すだろうと思っていたのですが、見事に完食。そしてあんなに嫌がってた焼きそばが、好きになるとは!調子にのって2日後にまた、焼きそばを作ってみました。キャベツが余っていたので。
これ何? (ズルズル)おいしいごど。
わたしにとってお手軽レパートリーが増えると、介護的にはラクになります。
認知症の人のこだわりや好き嫌いは長く続かないと言いますが、うちの場合は2年~5年くらい続いたものもあるので正直長いです。
ただ認知症の進行とともに、そのこだわりや好き嫌いすらも忘れてしまう現実もあって、それを切ないと考えるのか、この焼きそばのようにプラスに活用するかは介護者の考えひとつではないかと思います。
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今日もしれっと、しれっと。
うちでも焼きそばはお昼の定番です。
たまに塩味の焼きそばにしたり…
焼きそばは問題ないのですが、うちの場合は最近、パスタを残しがち…
ある時、焼きそばもあまり手をつけなかったので
考えてみると、”太麺”が好みで無いのかもしれない…
先日、春雨(永谷園)にしたら結構食べ、昨日は細麺の焼きそばで残さなかった…
何となくそんな気がしています。
好みを探る毎日です。
あおいさま
細かい好みを探るのも、介護していくうえでは大切ですよね。
探っているわけではないけど、気づくと細かい変化まで気になります。
岩手県内で在宅訪問管理栄養士として活動している者です。認知症高齢者の食嗜好の変化、あるあるですね!
工藤さんのお母様にはあてはまらないかもしれませんが、高齢者は唾液の量が減り、口の中が渇きがちです。
焼きそばのような汁気のない麺類は本人とってはパサパサして食べにくいと感じる場合があります。
焼きそばのソースを粉末タイプから液体タイプに替えるのはある意味、理にかなっていると思いました。
とはいえ、原因となることは他にもたくさんありえますよね。
ホント、認知症介護は奥が深く、20年以上高齢者を相手に仕事をしている私も手探りで「正解に近いもの」を探し続ける毎日です。
これからもしれっとしれっと…
投稿、楽しみにしていますね!
チューリップさま
唾液の量が減って粉末から液体だったら、すごくロジカルで納得できます。その理由であって欲しいくらいです。母はたぶん、認知症の進行のほうが勝っているような気がします。これまでほとんど管理栄養士さんと接点はありませんでした、ぜひ岩手のためにこれからもよろしくお願いします。