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認知症の母がカバーを外しまくるので対策した話

カニカン 介護

先日の記事で、母がお泊りデイに2泊したあと、枕カバーをズボンのように履こうとした話を書きました。

他にもクッションカバーや座布団カバーなど、布団カバーを除いて、あらゆるカバーを外したがる母。

カバーを外されると困る理由は、リハパンの尿漏れです。例えば座布団の場合、座布団カバーと座布団本体の間に吸水シートを仕込んであって、尿漏れで汚れたとしてもカバーだけ洗濯して、吸水シートを捨てれば終わりです。

座布団カバーと座布団の間に吸水シート
使い捨て吸水シート
わが家で大活躍中の激安吸水シート

しかし母はカバーを外し、吸水シートも捨て、むき出しの座布団の上に尿で濡れたズボンのまま座って、座布団本体を汚します。クッションは洗えるものにしたのですが、40年以上も前の座布団は洗えません。

なので、座布団の上からクエン酸スプレーをしてニオイを消して、干してから使っています。一応ニオイは消えますし、40年以上前の座布団なのでニオイが消えなくなったら捨ててもいいのですが、この一連の作業がとにかく面倒で。そこで妻から聞いた秘策を、試してみました。

ダイソーでカニカンを買った

見守りカメラを見ながら東京で唸っていたわたしに、妻が「カニカンをつければ」とアドバイスしてくれました。初めて聞いた「カニカン」という言葉。頭に思い浮かぶのは「カニ缶」ですよね。

カニカン 介護
ダイソーのカニカン

ダイソーにあるらしく、妻に買ってきてもらいました。わたしは裁縫が苦手ですが、クッション3つ、枕1つに早速カニカンを取り付けてみました。ファスナーの最終地点の近くにカニカンを縫い付け、下の写真のようにファスナーをロックします。

ファスナーをカニカンでロックする

認知症の母がなぜカバーを外すのか?

認知症の母がなぜクッションや座布団のカバーを外しまくるのか?

まず冒頭に書いた、慣れないお泊りデイに泊まったことによる反動があるのだと思います。お泊りデイから帰宅したあとに、カバーを外すことが多いので。慣れないといっても1年経ったのですが、相性でしょうか?

あとは、母自身に成功体験がなくなっているからではないかと。認知症が重度まで進行し、何もできなくなってしまった母。そんな中でも自分の思い通りになるのが、ファスナーです。それで家じゅうのファスナーを外すのかもしれません。

そう考えると、わたしが行ったカニカン対策って成功体験を奪っていることになるのかもしれないのですが、推測が当たっているかは分かりません。

クッションだけ先行して試したら、母はファスナーを外さなくなりました。少しずつカニカンを増やしていこうと思っています。わが家で愛用中の激安吸水シートはこちら。

今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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