82歳の母を市の無料健康診断に連れていった話

2年に1度、母を盛岡市の無料健康診断に連れて行ってます。今までブログに書いた記事はこちら。

認知症 健康診断
なぜ2年に1回かというと、盛岡市の乳がん検診が2年に1回だからです。手足が不自由なのに広い院内を歩行介助して疲弊したり、検尿コップを女子トイレに入れずに遠くから声掛けしたりなど、これまでの失敗を踏まえて臨みました。

これまでの失敗を糧に順調な健康診断

数日前に頂いた盛岡市福祉タクシー助成券を使って、病院へ。以前は格安レンタカーを使っていたので、母を降ろして壁につかまってもらっている間に急いで車を駐車場に入れて、ダッシュで母の元へ戻ってきてました。

しかし今回はタクシーなので病院入口で降り、すぐ近くにある車椅子を借りて母を乗せて、あとは広い院内を押して回れば終了です。また尿漏れ対策も万全で、尿吸収6回分の尿取りパッドにしたので健康診断が長くなっても心配ありません。

今回も最初の受付で、2年前に大変お世話になった方が担当でした。「あ、あの人だ!」とわたしは思ったのですが、むこうは1日に何十人も相手しているから覚えてるはずもありません。

車椅子から立ったフラフラの母の体重をどうやって測るか、検尿をどうするかなど、その方が担当であればクリアしてくれるはず。そう思って安心していると、すべて対応してくださいました。

しかし検尿でサポートしてくださった看護師さんから、尿取りパッドがもう汚れていたからパッドを取ったとのこと。家を出て1時間しか経っていませんでしたが、結構尿が出てしまったため、検尿はあまり取れなかったようでした。

子宮頸がん検診、肺がん検診、乳がん検診、心電図あとは血液検査で終了です。毎回、生年月日と名前を聞かれるのですが、認知症で答えられない場合もあるのですべてわたしが対応しました。胃がんは台の上で体勢を変えるのがムリなので、いつもやっていません。

数年前に血便が出たときに、胃と大腸内視鏡検査をしているのでたぶん大丈夫だと思います。

車椅子で移動したからなのか、病院のスタッフ皆さん優しくて、2時間30分ほどですべて完了です。あとは検査結果を来月聞きに、また病院へ行きます。

今日もしれっと、しれっと。


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1件のコメント

工藤広伸さま
はじめまして、桜餅と申します。

大変な中でも”しれっと”…なかなかできないと思います。
私は介護そのものはほぼ経験がないので、記事を拝見して本当にすごいと思いました。

私事ですが、3年前まで私の母も認知症の進行を抱えながら一人暮らしをしておりました。現在は施設でお世話になっています。

今ある悩みは、やはりどんなものでも”本人の意思確認”が必要であることです。母は自宅に執着し、「私が一人でこの家を守らねば」という思いだけが残っています。専業主婦だったこともあり、自己アイデンティティのよりどころが「自分の家」しかありません。自分が一人では暮らしていけないこと、施設で全面的にお世話になっていることはわかってはいるのでしょうが、常に「帰りたい」と言い張っているようなので、やはり家の話などをこちらから切り出すのは非常に困難に思われます。家やお金の話になれば、ますます「帰りたい、どうしてこんなところにいさせるのか」と言い出して施設の方たちに迷惑が掛かってしまうでしょう。

しかし、家の見守りサービスも本人でないと申し込めませんし、1,2か月に1度私が行って掃除はしますが、土地が広く雑草が多く困っています。さらに困っているのは水道が使えない(地下で漏水しているため、水道局に止めてもらいました)ため水道もトイレも使えず、長時間そこにいるのが難しい状態です。

法定後見人に関しても、自分がなれるかどうかも分からないし、仮になったとしても事務をこなせるのかどうか、という点もあります。

認知症患者の介護で苦労している人は本当に多いと思います。本人の意思確認が出来なくても、せめて本人が入所している施設への支払いだけでも、本人名義の口座からの引き落とし手続きができればありがたいのですが。
(現在は私の貯金から施設費を支払っています)
私が顔を見せただけで、たぶん帰りたがるので一切会っていません。

最初から長々と書いてしまい申し訳ありません。
暑い日が続きます。どうかご自愛ください。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(82歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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