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認知症の母がガス警報器を外していた話|仏間に鍵をつけた理由

女性
ヘルパーさん

危ないから触らないほうがいいですよ、こちらにいらしてください。

仏間に入った母を、優しく誘導してくれたヘルパーさん。

ヘルパーさんがいらっしゃるとき、わたしは見守りカメラを見ていません。来る直前まで母を見ていますが、来られたら自分の仕事をしたり、買い物や食事に出かけたりしています。

でもこの日はわけあって、少しだけ様子を確認する必要がありました。

8月からお世話になっている、新しいデイサービスのスタッフさん。母を居間まで歩行介助したあと、近くの仏間の扉を開けて帰られました。珍しく開いていたので、母は仏間に入っていってしまったのです。

すぐに出てくればよかったのですが、5分、10分、20分経っても母は仏間から出てきません。わたしはキッチンにある見守りカメラでしか確認できず、仏間に入られると全く様子がわかりません。仏間にはエアコンが設置されておらず、暑い日であれば熱中症の危険もあります。

いったい母は何をしているのだろうと気になりながら見ていたところ、30分後にヘルパーさんが来て母を誘導してくれました。危ないことはなかったか、母は何を触っていたのか。すぐ電話で確認してもよかったのですが、母は元気そうだったので、そのままにしておきました。

仏間の中がおかしなことに!

ヘルパーさんの言葉をすっかり忘れて実家に帰ったわたしは、いつもどおり仏間の扉を開けました。するとガス乾燥機のコード類が、いつもと違う位置にあります。そして下の写真のガス警報器が、畳の上に落ちていました。

柱にかけてある状態が正常な位置

ガス警報器が外されていたのです。わたしも外した経験がなく、どうやって元に戻そうか迷いましたが、5秒ほどで元通りにできました。おそらく警報器のランプが気になり、消そうとして周囲のコード類まで触ったり、外したりしたようです。

さかのぼること半年前、母は寝室と間違えて仏間に入った日がありました。時間は20時、冬で暖房もありません。キッチンのカメラ越しに声をかけましたが、全く反応がありませんでした。自費のヘルパーさんに急に連絡して対応してもらえるだろうか、時間的に無理かもしれない。

そこでとっさに、居間の電話を鳴らしました。すると母は電話の音に反応し、仏間から出てきました。そのままキッチンのカメラを見ながら寝室へ誘導し、なんとか事なきを得ました。

今回もおそらく、母はガス警報器の赤いランプが気になり、触った結果床に落としてしまったのだと思います。わが家ではこうした待機ランプすべてにビニールテープを貼り、認知症の母の目に留まらないよう対策しています。エアコン、給湯器、テレビ、すべて同様です。

しかし仏間に母が入ることは想定していなかったため、警報器には貼っていませんでした。というより警報器なので、他の部屋にあったとしても貼らなかったかもしれません。

仏間への立ち入りを禁止にした

実は仏間にある押し入れには鍵を取り付けていて、中に常温保管できる食材、燃えるゴミ、洗剤類を収納しています。

食材は目につくとすぐ口にして過食につながるため隠し、燃えるゴミも目につくと袋から出してキッチンのテーブルに並べてしまうため隠し、洗剤は誤飲を防ぐために隠している状態です。これまでの認知症介護で経験したトラブルを、すべて押し入れに詰め込んでいるようなものです。

仏壇のおりんも何度か紛失しており、岩手で暮らす妹からは、いずれ線香やろうそくの誤食も心配だと言われていました。

たくさんのヘルパーさんが出入りするなかで、たまに押し入れの鍵をかけ忘れることもあり、その様子はカメラでは確認できません。であれば、仏間の入口そのものに鍵をかければよいと考え、実行に移しました。

鍵はAmazonで1290円で購入し、自分で設置しました。母が触れないよう、少し高い位置に取り付けています。介護職の女性に触っていただいたところ、少し高いくらいで問題ないとのことでした。

重度の認知症になると、もはや貼り紙や口頭での注意では対応できません。トラブルが起きるたびに、ひとつずつ対処していくしかないと感じています。

今日もしれっと、しれっと。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(83歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて14年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
工藤さんが教える 遠距離介護73のヒント(翔泳社)、老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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