認知症の経過報告(2年と17週・18週間目) 2年間探し続けて見つけたもの

装具

母が財布を失くし、1週間探し続けましたが見つけられず帰京。その後、わたしの妹と姪っ子に捜索を託したところ、なんとお財布が見つかりました!

やっぱり違う視点で探すと、見つかるんだなぁ・・・と思ったら、見つけたのは母自身(笑)意識のどこかで、自分で置いた場所を覚えていたんですね・・・きっと。

今回の捜索は今までとはレベルが違っていたので、押し入れの収納ケースとか普段開けないものを次々と開けました。こういう時ってお宝が見つかるもので、2年間探し続けたお宝を見つけました!

そのお宝はこちら。
装具

はい、装具です。

なぜお宝かというと、訪問リハビリに来ている作業療法士さんにこの装具を見せたくて、でもなくて困っていたわけです。この装具を左足につけると、つま先が垂れなくなるので歩けるようになるという装具です。

かなり軽い装具なのですが、外出するにはさらに専用の靴を作らないといけません。そして母の印象が最悪で、スキー靴みたいでだめ!といって、つけてくれません。

作業療法士さんにも見てもらったのですが、これは実用的ではないかも・・・ということで、5年前くらいにつくった6万円くらいかかった装具は意味ないものに・・・リハビリでも使えなさそうです(泣)

生活に根付いたリハビリ

今やっているリハビリはとても工夫されていて、こういった装具は使いません。居間のテーブルを使って立ち上がりの練習をしたり、起き上がるときには横を向いて肘をついて起きるとか、生活で使える動作を何度も練習しています。

シャルコー・マリー・トゥース病は認知症同様治らない病気なので、なんとか歩行維持をしてもらうためのリハビリです。認知症も加わっているので、前週やったことを忘れてしまうのですが、それでも繰り返すことに意味があります。

立ち上がれないと諦めて寝たきりへ一直線だし、夜中の失禁は立ち上がりに時間がかかっているからと推測しています。手すり、ベット、ソファ・・・立ち上がりやすい環境は明日にでも作れるのですが、自力で頑張れるうちは頑張ってもらうつもりです。

20代に戻りたい!

作業療法士さんと一緒にテーブルを使って、立ち上がりの練習をしていた母。ものすごく顔と顔が近づいた瞬間に母が、

母:「あら、肌きれい!かわいい!歯もきれいで~」

母:「生まれ変わったら、あなたみたいになりたい~」

わたしはお世辞は言わないのよ!本当にかわいいと言い出した母。我が家にいらっしゃる医療・介護職の中で最年少の作業療法士さんに対して、確かにいつも絶賛している母。

一方で忘れた頃に、「リハビリなんて意味ない」 と愚痴ることもあります。しかし、生活不活発病を一番恐れているわたしは、リハビリの大切さを何度も何度も説明します。100回は言いましたね、たぶんそれ以上。最近は意味ないという回数は減ってきました。

顔が接近しすぎて、青春時代を思い出したんでしょうか?べた褒めが止まらない母に、その日のリハビリは笑いで包まれました。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか