「認知症の人・認知症介護者と急性胃腸炎」は意外と密接かも?というはなし

急性胃腸炎と認知症

盛岡と東京の温度差で、なんとなく体調不良かな・・・初めはこんな感じでした。

認知症の母の前で風邪をひいたとは言えないので、風邪薬を早めに飲みました。熱は出なかったものの、その翌日から胃がキリキリ、キリキリと痛み出しました。

1日経てば治るだろうと放っておいたら、2日もキリキリ、キリキリ。あわてて市販の胃腸薬を買って飲みましたが、キリキリ、キリキリ・・・特に夜がキリキリして、眠れません。何度何度も目が覚めます。

市販の胃腸薬が効かない、胃痛ってなに? 早速胃腸科を受診すると、「急性胃腸炎」と診断されました。救急車で運ばれたり、芸能人が番組を休んだりするぐらいの病気なので、症状によっては思っている以上に重いです。

しかしわたしは比較的軽め、でも自分が体験した胃痛の中ではベスト3に入る痛みです。

なぜ?急性胃腸炎になった?

ストレスが原因の場合もあるそうですが、すぐに3日前の夕食を思い出しました。

あの、肉じゃが・・・

認知症の母は独居ということもあり、食材をかなり残します。もったいないという気持ちから、ほとんど廃棄しません。

なのでわたしが帰省したらまずやることは、冷蔵庫の整理です。ヘルパーさんの買い物伝票を見て購入日を推測、時間が経ったものはどんどん廃棄します。よく残っているものを挙げると、

・1週間前に焼き終わったホッケ
・2週間前からある豚肉
・色の変わったほうれん草

今回は体調が悪く、きちんとチェックしませんでした。あとで肉じゃがに使った材料をチェックしたら、ありました!やばい野菜が。おそらくこれを食べて気持ち悪くなったんだろうと思います。

認知症で賞味期限管理ができない → 介護者がそれを食べる → 急性胃腸炎になる

うちのような軽度の認知症のご家族で料理ができる家なら、あり得ない話ではないかなと。体調が悪かったこともあり、4年目にして初めて急性胃腸炎になってしまいました。でも、もっと怖いケースは次のケースです。

認知症ご本人が急性胃腸炎になるケースはもっと怖い!

こんな方が、ネット上にいました。

母73歳で去年アルツハイマーと診断されました。今年の夏、夜間に気持ち悪いと吐き気をうったえ、救急病院で診断の結果急性胃腸炎とのことで点滴をうけました。その後、3ヶ月間2~3週間に一度は同じ症状で病院で点滴を受けております。診断結果は全て急性胃腸炎です。
引用元:http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8353282.html

教えて!gooに寄せられた質問です。認知症介護経験のあるご家族が、このように回答されています。

1、お母様は一人暮らしですか? もしそうならご自分が食べたかどうか??での食べ過ぎ・腐敗物(完全に腐ってなくても少し傷んでるとか)を食べた可能性。
2、腰が曲がっておられませんか? 腰が曲がってる方は逆流性食道炎にもなりやすいらしいです。

私の母は1,2に該当してまして、急性胃腸炎ではありませんが9月に急に飲み込めなくなり(水分も)戻しました。逆流性食道炎と診断されました。 
引用元:http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8353282.html

上記にある食べ過ぎは今のところないのですが、腐敗物の判断はかなり甘いです。だいたい、まだ大丈夫と判断します。実際に認知症の方が、急性胃腸炎になるケースがあるということです。

この話とは別で気になったのが、食器の洗い方です。洗い終わってないものを食器棚に戻したり、それをまた再利用したりなんてことは日常茶飯事です。急性胃腸炎の原因は細菌らしいので、食器も要注意です。

たいしたことないかな・・と思いながら、5日経過してもまだ治ってません。胃が痛すぎて日中も動けず、夜も寝れないので、母がなったら大変です。とりあえず自分でよかったよ・・・

ちょっと母の料理や食器への警戒心が強くなってます、用心してたんですけど自分が弱るとダメですね。そういえば認知症ONLINEのコラムで「介護者の皆さま、疲れていませんか?」とか書いておいて、まさかの自爆です(笑)

この話の本当のオチは、母のおなかは丈夫で安心した、こっちです(笑)ケロッとしてますよ、なんで??

毒をもって、毒を制すってやつですね。程よく腐敗物を食べてる、母は強しです。そっかぁ・・・腐ったもの、食べる練習すればいいんだ・・・ムリムリ!

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

4件のコメント

工藤様のお母さまと私の母は同じ程度と思われます。食器をきちんと洗うことができなくなっており、一時はどの食器も薄汚くなっておりました。
食器用洗剤を使うことが無くなっております。
ディサービスの留守中に日常使う食器を洗い直し、掃除をしております。
魚焼きグリルにいつ焼いたか分からない魚が干物の様になって、水受けのトレイはカラカラに乾いて悪臭がしておりました。
夏場のコバエの異常発生の原因が数か月後に分かったこともありました。

はるちゃんさま

コメントありがとうございます!

わたしもデイで留守にしているときに、部屋の掃除や冷蔵庫の整理をよくしています。洗ったり洗わなかったりということはよくあるのですが、わたしはほとんど気にしていません。というのも、都度チェックしてもう1回洗えばいいやって思ってるからです。洗ってないときもシンクにしれっと戻しておくと、いつのまにか洗っていたりします。でも、胃腸炎はちょっとびっくりでした(笑)

いつも介護者の気持ちにしみるお話をありがとうございます。
くどひろさんが、胃腸炎の原因についてもさらりと流しているところ、しれっと度合いが高いなあと感心します 

義母は近距離独居の認知症です。
本人にはバイ菌耐性がついているのか本当に当たりませんが、折に触れ、抵抗力がなくなっているからと言う医師の言葉とのギャップになんだかなあと感じます。

台所はバイオハザードと怖れるわたしには、(無論認知症への心情的なものではなく、雑巾兼フェイスタオル兼布巾とか、腐敗弁当が食器棚にinなどの経験から) 食器を洗わずにはお茶も飲めません。
しかし、実子にすれば嫁の嫌がらせもしくは神経質の烙印。
特に、仏様からのお下がりは一撃即流ですので、孫にお食べと迫られると平常心を保つのは難しいです。

ああなんだかわたしがコメントするとドロドロしてきますね(笑)
しれっとの道は遠いですね。

ともかく、介護しているかたは情に流されずに、自分の体を守ってほしいと思います。

胃腸炎お大事になさいませ。

しましまさま

コメントありがとうございます!

読ませて頂いて、つい笑ってしまってすみません。(バイオハザードとかいろんなタオルを兼用するところとか・・うちも同じです。)
表現がすばらしくて、その文才っぷりを学ばせて頂きたいなと思いました。全然ドロドロしてません。ただ、実子にすればというところは、人間関係の難しさを感じます。

今後ともよろしくお願い致します!

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか