介護で実家に通っている人は、使わなくなった家電を送りがち?

ホットプレート

毎月19日発売のMONOQLO(晋遊舎)。

連載中の『ウチのおかんがボケちゃいまして』に登場する、ライター岡野さんのお母さまの先月号の食事は、本当に驚きでした。

あれだけコーラを飲む高齢者っているの?ってくらい、食事にコーラが出てきます。その食生活をあることをして変えたという話が今月号なので、読んでみてください!

みなさんも自分の家にある古い家電や、新しい家電に買い替えたいからと、今まで使っていた家電を、実家に送ったことありませんか?

わたしは、炊飯器、洗濯機、ノートパソコンなど、いろいろ実家に送り、倉庫みたいになっています。今回新しく送った家電は、ホットプレート。

買い替えのために送って、母と焼肉をしたときのお話です。

実家でのホットプレートの活用

コーラの話にも共通するのですが、わたしは母の低栄養状態を心配しています。

認知症 高齢者 低栄養

週2回のデイサービスや、岩手に居る妹が週1回は食事を作りにくるので、すぐ低栄養状態になることはありません。しかし、ひとりのときは、福田パン(全国区になったコッペパン)にコーヒーとか、驚くような食事をしていることもあります。

そのため、わたしが帰省した際は、母にとにかく「肉」を食わせます。

帰省した1週間で、すき焼きかしゃぶしゃぶは絶対やります。本当は水炊きもやりたいのですが、母がなぜか鶏肉を嫌がるようになったので(でも焼き鳥は食べる)、すき焼きとしゃぶしゃぶのループを繰り返しています。

しかし、そろそろ飽きてきたので、家で焼肉がしたいなと。盛岡だと、冷麺だけを食べに焼肉店に行く習慣があるので、割と気軽に焼肉店に行くのですが、うちには行く手段がありません。最近は介護タクシーを使うことが増え、わたしがレンタカーを運転する機会も減りました。

そこで焼肉を家でやることになりました。

30年ぶりの家での焼肉

おそらく実家では、30年ぶりの焼肉だと思います。

ホットプレート
とにかくデカいホットプレート

東京で使っていたホットプレートに、肉と野菜を並べるのですが、母が焼けていない肉を食べようとします。高齢者だしウェルダンがいいだろうということで、わたしがすべて焼くことになりました。

たれの入った皿の中に、わたしが焼いた肉を次々と入れていきます。久しぶりだったせいか、母はおいしいおいしいと言って平らげ、次の肉に手を出そうとします。

くどひろ
こら、ダメだって!まだ焼けてないから!黙ってテレビ見てて!肉が皿に入ったら食べて。

自分の分の肉を確保しながら、母が生肉を食べないか監視するという、なかなか落ち着かない焼肉です。

母が肉や野菜を取ろうとするその手は、まるでワニワニパニックのワニでした。ひょいひょいと生肉を取ろうとする母の手を、ピコピコハンマーで叩き落としたい衝動に駆られました。

生焼けのカボチャを食べようとするワニ。トントロをレアで行こうとするワニ。焼き加減を見ないで、雰囲気で肉や野菜を取ってることが、一目瞭然でした。認知症になって、細かいところに注意が行き届かなくなっているなぁ・・・と、妙なところで実感します。

あんた、食べた気しないでしょう
くどひろ
まあねー

結局、最後までわたしが肉と野菜を焼き続けたので、全く味わうことができず。でも母は大満足だったようで「あぁ~、おいしかった」と、何度も言ってました。

ホットプレートのおかげで、たこ焼き、お好み焼きもできます。たこは入れ歯なので、噛み切れません。細かく刻むか、ちくわとか入れるしかないかな。

とりあえずホットプレートのおかげで、夕食のレパートリーが増え、ホッとしております。

使わなくなった家電を、実家に送りまくってませんか?

今日もしれっと、しれっと。


【2024年講演会予定】
10/19(土)宮崎県えびの市 → 講演の詳細・お申込みはこちら

にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか