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矢継ぎ早に対策したあとに起きた認知症の母の水回り問題

これまで認知症の母には、ある程度自由にやってもらっていたのですが、190近い高血圧や衛生面、そして年初に受けた長谷川式認知症スケールが30点満点で6点となり、ある程度の制限が必要になってきました。

そこで介護方針を変えて、在宅で粘るために物理的な制限をかける方向に舵を切ることに。母の次の行動に対して、矢継ぎ早に対策をしました。

  1. 冷蔵庫を長時間開け、ピーピー鳴らしながら庫内の整理をする
  2. 冷凍食品を冷蔵庫に移動して溶かす
  3. 食器拭き、台拭き、床拭き、顔拭きを1枚のタオルで兼用する
  4. 食器用スポンジでテーブルなどを拭くので、泡だらけになる
  5. リハパンを普通のパンツのように洗濯する
  6. とても食べられない料理の味付けをして、疑問も持たずに食べてしまう
  7. 料理の仕上げに大量のグラニュー糖をかける

対策したおかげか、わたしは前ほど家の中を走り回らなくて済むようになり、平穏な生活になりました。しかし今度は別のところで、新しい課題が浮上したのです。

水を出し過ぎるようになってしまった

母にとって、この状況は物足りないのかもしれません。

台所に何度も立ち、水を出して石鹸で手を洗います。周囲に飛んだ水滴をふきんで拭きとったあと、ふきんで手が汚れたと思うのかまた手を洗います。そうするとまた水滴が飛ぶので、ふきんで拭きます。

これを寝る前の30分間、何度も繰り返すので水を使う量が増えましたし、終わらない日はさすがに止めます。というかこの記事を書いたときも、一旦止めてから自分の部屋に戻って記事の続きを書きました。

母は今でも自分は料理ができる、ひとりで料理を作って食べて生活していると信じて疑いません。頭の中で完結するならいいのですが、分からないまま実際に手を動かしてしまうので、料理と呼べない料理を作ってしまいます。

普通の人なら吐き出してしまう料理も食べてしまうので、そうならないよう食材は極力置いていません。そうすると食材もない、調味料も最小限しかないので、結局水を出して手を洗って、水滴を拭きとるしかできないのかもしれません。

認知症の人が水を出しっぱなしにする対策とは別の理由なので、水道料金が大変なことになったら考えるとして、今のところ水は自由に使ってもらっています。これもグッズで対策できなくもないんですけど、もうちょっと様子を見ます。

こたつで昼寝ばかりして筋力が弱るよりも、ひとり水仕事はリハビリになります。水道料金=リハビリ費用と考えるしかないかもです。自立と制限のバランスが難しいのですが、認知症介護的には制限しつつも自立を忘れない段階に入っていると思ってます。

冷蔵庫のピーピー音から、水のジャージャー音へと変化したお話でした。

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今日もしれっと、しれっと。


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2件のコメント

88歳の母は、認知症と診断されて一年ですが、亡くなった姑、夫、実姉、実母が生き返り「帰ってくる、どこにいる?」と言います。対象が多すぎて私が、教科書通りに対応できなくなり、帰ってくる、どこにいる?の対象が姑、夫の時は位牌と戒名が刻まれたお墓の写真を見せています。
ただ昨日、母にまた実姉が帰ってくると言われた時、見せるものが何もないため、ドキドキしながらも「亡くなってるよ」とはっきり言ってしまいました。
母は「知らなかった」と言ってましたが覚えてないだろうなぁ。

さいさま

複数生き返るパターンですね、そしてわたしと同じ行動をされている人がいたとは!
はっきり言う時の1番最初はドキドキしますよね。最近母の妹が亡くなったのですが、その話をしたときは緊張しました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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