しばらくすると、
岩手日報を開くたびに、渡さんのニュースが母の目に留まるようで、この日は10回ほど同じ会話のラリーを楽しみました。志村けんさんが亡くなったときは、ワイドショーの報道中ずっとこの調子でした。認知症の母にとっては、すべてが初見なんですよね。
コロナ禍の遠距離介護中には、こんなこともありました。
しばらく帰省が難しいかもしれないと思い、いつもより念入りにお風呂掃除をしました。
掃除が終わって1時間後。母がなぜかお風呂を使った形跡があったので、念のため排水溝チェックをしたところ、う○こが!ギャーー!
母は便で粗相をしたときに、トイレではなくお風呂場でリカバリーします。認知症で完璧な証拠隠滅ができず、流し場にう○こが残っていたり、トイレットペーパーが脱衣所の棚にあったりするので、すぐバレます。こちらの便利グッズは、超オススメなのでまた紹介します。
母親にしばらく会えないから優しくなれると思ってた
新型コロナウイルスの影響で、しばらく帰省できないことを考えれば、優しい認知症介護になるはずでした。
同じ話は何度だって聞くし、レディボーデンのアイスを冷凍庫から冷蔵庫に移し替えて、フニャフニャになったアイスを見ても笑うだけだし、冷凍庫からカッチカチの生ゴミが出てきても驚かない、そんなしれっとした認知症介護をイメージしていました。
ところがいつも以上に母と密で暮らしたせいか、最後に無敵の優しさを発揮するつもりが、渡さんとお風呂掃除で吹っ飛んでしまい、発動されませんでした。
結局、帰京前日の夜になって、やっと優しい認知症介護になりました。帰京前1週間くらい、ずっと優しさ全開で行く予定だったのですが、それほどでもなくごく普通の介護になりました。渡さんの話も無敵の優しさなら100回言われても笑っていられるのですが、普通だったので5回を超えたら「もう5回目」と指摘してました。
帰京前に自然と「ごちそう」が増える話をブログに書きましたが、構造は全く同じ。帰京したあとで、母に何かあったとき、ケンカ別れで終わったら一生後悔します。そうならないよう、遠距離介護で起こる自らの粗相を悔い改め、帰京前に母に優しくすることで辻褄合わせをしてきました。
コロナ禍の今、その優しさが溢れすぎたら、どうしよう!ベストファーザー賞ならぬ、ベストケアラー2020をもらえるほどの聖人君子になれると思ってたのに、ベストケアラーの盾とトロフィーを部屋に飾るはずだったのに、相変わらずのしれっと認知症介護のままでした。
おかしいなぁ……、まだまだケアラーとして未熟者でございます。
今日もしれっと、しれっと。
あー、くどひろさんでも、そんな風に感じることがあるのですね。ちょっとホッとしてしまいました。先日、1時間半の高速道路ドライブで、ずーーーっと「お風呂」「お風呂」とエンドレスで言われたときは、おかしくなってしまいそうでした。明日は盛岡に行きます。無敵の優しさで過ごせるかな。
ねーさんさま
あります、ありまくりです。そもそも100点の認知症介護なんて狙ってなくて、70点くらいで合格かなと思ってます。30点分はいろいろ問題あるわけで、常にしれっとできているわけではありません。だから自分に毎回「しれっと、しれっと」言い聞かせないといけません。
くどひろさま
初めまして。しばらく前までは父の認知症による行動が受け入れられず、怒りを爆発させることが多かったのですが、最近ようやく落ち着いて対処しているところです。ただ、表面的には落ち着いていても、心の中はそうでもなく、視線を合わせないという行動をとってしまいます。親に優しくというのは私にとって難しいものです。何か埋め合わせを求めてしまいます。好きな果物を余分に食べてみたり。
いろんなお話を聞けて励みになります。
あきこさま
コメントありがとうございます!
怒りのフェーズは介護家族の多くが通る道で、わたしもそういう時期がありました。でもそこに長く居ると自分自身が疲れてしまうので、次のフェーズに行く努力をしました。自分へのご褒美の話、最近ブログ記事で書いた気がします。えーっと、どこだったかな~
こんにちは
いつも拝見し、グッズなど色々参考にさせて頂いております!
私は 一緒に生活しているので日々の繰り返し行動に、自分の感情を抑えきれない事が多いです…
それでも どうしたら楽になるのかなぁ〜と、日々工夫しながらの生活です
tenさま
ブログ読んで頂き、ありがとうございます!
感情を抑えられなくなったあとにやってくる罪悪感とか後悔もキツイですよね。わたしはあの感覚がイヤなので、その手前で抑えるよう努力をするのですが、うまくいかないこともあります。グッズを見つけると、ラクになるので余裕もでき、優しくなれる気がします。
クドヒロさま
初めまして盛岡に住むRyoです。
クドヒロさまの本、2~3件はしごし、ようやく駅ビルの本屋さんで購入することができました。
こんなに良い本、地元なのにもっと力を入れて宣伝してほしいものです!!
うちの母も2年前、アルツハイマーと診断され、当初は泣いてばかりいましたが、クドヒロさまの本と出会い、最近は母との残りの時間を大切にしようと思えるまで落ちつきました。
とはいえ分かってはいても、ついキツイ口調で怒ってしまい、後悔の毎日です・・・
早くコロナが終息し、盛岡での講演会再開される事を楽しみにしております。
クドヒロさまは盛岡の誇りです!
いつか、お会いできる日を楽しみにしております。
連日暑い日が続いておりますが、くれぐれもご自愛ください!
Ryoさま
コメントありがとうございます!盛岡お住まいなのですね!
わたしが市内の書店回りをした7月末は、どの書店さんにも新刊はしっかりあったのですが、今はないのでしょうか?駅ビルということは、さわや書店さんですね。1階のフェザン店さんでは今、9月21日のアルツハイマーデーに向けた関連書籍を集めたフェアを開催していると聞きました。
そうですね、言い過ぎたあとの後悔やってきますよね。お母さま自体は悪くない、認知症自体が悪いと分かってはいるんですけどね。盛岡で一般公開の講演会は、2年くらいやってないです。もし講演会が開催されたら、ぜひぜひ遊びにいらしてくださいね。