11/15(日)11:05- ラジオ特別番組『明るいシニアライフ!〜しれっと介護しようよ〜』放送決定!

認知症の母は舟木一夫『高校三年生』に反応するか?13年眠っていたCDラジオの行き先

インフルエンザは治りましたが

インフルエンザ発症から3日目、吸入薬イナビルのおかげで平熱に戻ってよかったのですが、全く動けません。4日目から散歩しようという気持ちがあっても、歩けないのです。インフルエンザとの戦いで体力を消耗してしまい、1日中ベッドで横になっていました。

あと食事をすると、消化で疲れる感覚に。38℃の熱でそれほどでもないと思っていましたが、想像以上のダメージとなりました。5日目に外を歩いてみましたが、完全回復まであと数日かかりそうです。次の遠距離介護まで、ギリ間に合いそうです。

皆さま、感染には十分注意してくださいね。ここから本題です。

定食屋のラジオが故障した

遠距離介護で岩手の実家に帰ると、必ず立ち寄る定食屋さんがあります。実はこの定食屋のラジオをきっかけに、母にプレゼントしたCDラジオを13年ぶりに動かすことになりました。

その定食屋にはテレビがなく、ラジオのみ。わたしは常連で、いつも決まったカウンターの席に座ってご飯を食べます。店主とはラジオの内容について、あーでもない、こーでもないと話すのが日常です。ある日、店主がぽつりと言いました。

「なんか音が悪くなってきて」

確かに、いつもとラジオの音が違います。何年にもわたって、1日中使っていたラジオ。調理場が近いので、油の影響もあるのかもしれません。

ご飯を食べながらふと思い出したのが、実家で13年近く眠っていたCDラジオの存在でした。母のために買ったのに、ほとんど使わずに埃をかぶっていたのです。

「もしよければ、うちのCDラジオ持ってきましょうか」

翌日も定食屋でランチをする予定だったので、そう伝えて実家に帰りました。

13年ぶりのCDラジオは使えるのか?

電源を入れようとすると、コードがありません。小型家電をまとめて廃棄した際に、一緒に捨ててしまったようです。単3電池6本でも動くとわかり、すぐホームセンターへ。動作確認を始めました。

13年前に買ったCDラジオ

まずはラジオ。問題なく受信できます。次にCD。ふたを開けると、中には舟木一夫のCDが入っていました。

このCDラジオは、認知症の母がファンだった舟木一夫の曲を聴いてもらうために買ったものです。2013年にクリスマスプレゼントとして渡したと、ブログに記録が残っていました。

そのことをすっかり忘れていたし、今となっては母は舟木一夫がわかりません。

それでも、定食屋に持って行く前に、母が何度も聴いた名曲『高校三年生』を流してみようと思いました。重度の認知症でも、反応があるかもしれない。もし反応したら、店主に謝って、やっぱり実家で使いますと伝えよう。そう決めて、母がデイサービスから帰ってくるのを待ちました。

『高校三年生』を聴いた認知症の母の反応

デイサービスから帰ってきた母。夕食前に早速、CDラジオで『高校三年生』を流しました。

母

うん。聴いたことあるわね。

CDラジオを購入した当時の母なら、自然と口ずさむはずです。あれから13年。認知症は重度まで進行。新聞やテレビで舟木一夫の顔を見ても反応はありません。予想どおりの結果でした。

「聴いたことある」は、わたしに合わせて取り繕っている言葉だと思います。本当にわかっているなら、約14年介護しているわたしにはわかります。残念ですが、この反応はわかっていない。CDラジオの定食屋行きが決まった瞬間でした。

定食屋で活躍するCDラジオ

CDラジオは、定食屋のバックアップ用として置いてあります。ひょっとすると、もう使っているかもしれません。

試しにラジオをつけると、店主は「音がいい」と喜んでくれました。定食屋に行くたびに、母が舟木一夫のファンだったことを思い出せるし、ただ廃棄するよりも、ずっといいところへおさまってくれたなと思います。

今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(83歳・要介護5)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて14年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
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