認知症の経過報告(2年と23週・24週間目) 介護してやってる感は出さない

認知症 リハビリ

月1回か2回、近くのおいしいそば屋に母と行くことにしています。目的は2つで、

1.わたしがおいしいそばをただ食べたい
2.外の歩行が苦手な母のリハビリの口実

母のためだけではなく、必ず自分の楽しみも入れるようにしてます。病院に連れていくときも、終わった後においしい店に行くようにするし、美容室に連れていくときも、自分の買い物をセットにしてます。これ、実は重要です!

母は 「なんかいつも悪いわね~」 というのですが、わたしからすると自分の目的も達成したいという思いが本気であるので、「別に悪くないけどね」 という事ができます。

認知症の 「妄想」 は3種類ある!に書きましたが、「心理的負担解消型」というのがあって、認知症の人もお世話になってばかりいると、申し訳ないという気持ち(心理的負担)が働くんだそうです。

そう思わせないためにも、いかにも介護してあげている感は消し去ったほうがいいです。やってあげている的なやつです、思いあたる節ありませんか?

そば屋までの距離は歩くと30分弱。自転車だと10分くらいのところにあります。母は下り坂を利用して自転車に乗る事ができます。(というか、自分でそう思い込んでいる)面倒なルールがいくつかあって、

1.上り坂はムリなので降りる
2.自動車が来たら降りる

自転車に乗れるといっても、平地でこぐ、下り坂で座っているぐらい。ふらつくのでわたしは自転車の5m先を走り、車が来ないかチェックしながら、そば屋へとジョギングで向かいます。

派手に転倒

母が調子よかったので、そのまま一気に家まで行っちゃえ!と先に自転車で行かせ、わたしは軽くジョグしながら後方から追いかけたら、「ガッシャーン!」 と母が転倒してしまいました。

病気のせいで、幼少期から母は人の何倍も転んで生きてきたので、無意識のうちにうまく転べます。今回も音の割には、ズボンに穴をあけた程度で済みました。それから2か月後・・・母はこう言い出しました。

母:「自転車に乗るのが、なんだか怖い」

今までは転倒してもうまく忘れてくれたのに、今回はしっかり恐怖心が残ってます。今後、自転車リハビリをどうしようかなぁという思いと、記憶が残っている=認知症の症状は悪化してない という両方が交錯して、複雑な気持ちでした。

外出するきっかけを失くすとどんどんひきこもるので、次なる作戦を考えます・・・

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか