新型コロナの影響下で5月の遠距離介護はどうなる?

こいのぼり

近日中に、緊急事態宣言を延長するかどうかの判断がされます。

わたしは、通常だと2か月から3か月先まで遠距離介護の予定を決めているので、この判断を待っていられません。ブログにコメントを頂いた遠距離介護中の方からも、皆さんどうしたらいいか分からない、困っているという声が寄せられています。

5月6日の緊急事態宣言解除はないと踏んで、5月の遠距離介護について家族会議をLINEで行いました。

5月の遠距離介護はこうする

「首都圏在住者と接触した場合、2週間の介護保険サービスの利用を停止する」というお達しが、他の介護者同様、わが家にも来ました。

わたしが遠距離介護で帰省し、母と会ってしまうと、介護保険サービスの一部が利用できなくなります。また岩手県のホームページには、県外から来たかたへのメッセージとして、こう書いてあります。

来県後2週間は、平日夜間や週末の不要不急の外出自粛、 毎日検温するなどの健康観察等、慎重な行動をお願いします。

引用元:https://www.pref.iwate.jp/kurashikankyou/iryou/covid19/index.html

そのため、緊急事態宣言の解除に関わらず、5月いっぱいわたしが帰省しない前提で、遠距離介護を考えることにしました。

介護は不要不急の外出には当たらないとはいえ、帰省してしまったら、いろいろなところに弊害が出ます。県外ナンバーの車に石を投げた、あおり運転をしたなんてニュースもあって、そんな人はほとんどいないと思っていますが、県外の人は受け入れたくない気持ちは理解できます。

そうなると、岩手県にいる妹に頼るしかないのですが、嫁いだ妹は別の家の人間ですし、仕事も、2人の子どもの子育てもあります。県内とはいえ、それほど実家の近くに住んでいるわけでもありません。そのため、できるだけヘルパーさんの訪問介護など介護保険サービスを活用して、時間のあるときだけ家に行ってもらうプランでケアマネさんとも連絡を取り合いました。

実はものわすれ外来に、今年は1度も行けていません。2月の時点で外来を見送ったため、昨年末からずっと行けていなかったのですが、こちらは訪問診療に切り替えることにしました。

幸いにして、岩手県は未だに感染者ゼロです。奇跡です。

もし、岩手県で感染者が見つかって、感染が拡大して介護保険サービスの利用ができなくなったら、家族でなんとかするしかありません。面積の大きい岩手県は、医師不足が深刻です。河北新報さんより引用します。

岩手県は人口10万人当たりの医師数が207.5人(2016年)で全国42位。医師不足は深刻で、医療崩壊を防ぐため機能分担の明確化が求められている。

引用元:https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202004/20200416_33034.html

今は良くても、感染が始まると、岩手の医療崩壊は早そうなので心配です。

最悪の事態を想定して動いておかないと、母の認知症の進行が心配です。6月は誰にも迷惑をかけることなく、なんとかして盛岡へ帰ろうと思っていて、その方法を模索しております。具体的には、先日ブログで書いたこの方法になりますが、他の方法がないかも模索中です。

盛岡駅

新型コロナの感染リスクと生活不活発病のリスク

先日のNHKハートネットTVのコロナ禍の介護特集で、結城康博先生も言ってましたが、わたしも介護保険サービスはギリギリまで利用したほうがいいと考えています。自己判断で中断しようとは思いません。

コロナ感染のリスクは承知のうえで、5年前に経験した母の生活不活発病の再発を恐れています。寝てばかり座ってばかりいたら、人は簡単に動かなくなることを経験し、本当に慌てました。

母は認知症ですし、自分がどれだけの時間ゴロゴロしていたかを把握していないので、1日コタツから出なくなったときは何が起きたのかと思いました。介護保険サービスが利用できる間は、その心配はありません。

4月に使いまくった見守りカメラが、5月も引き続き大活躍しそうな予感です。不安はありますが、見守りカメラと介護保険サービスのおかげで、だいぶ解消されています。

これまでも遠距離介護で数々のトラブルを経験し対応してきましたから、今回もなんとかなると実は思っています。そのための絶対条件は、とにかく健康でいることですよね!食べ過ぎ、飲み過ぎに注意しないと…。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

8件のコメント

くどひろさんほどではありませんが、私も困っている一人です。

私も、遠地介護/独居/認知症気味の母の様子を確認し、雑作業を行うために毎月一回帰省していたのですが、1月末以降、帰省できていません。
母とは頻繁に電話で会話しているのですが、本人の新型コロナウィルスに対する感度が薄く、平気でマスク無しで近所に買い物に行っている様子。当人の性格もありますが、認知症気味なため、注意されたことを覚えていられない可能性も高く、遠地から心配だけしています。

先日、「もし、母が新型コロナウィルスに感染したら」・・・とふと想像したら、恐ろしくなりました。突然入院し、見舞いも出来ず、最悪そのまま帰らぬ人になる可能性がある・・・。この可能性が決して低くないという事実に、愕然とします。
こちらから今、できることは、とにかく感染しないように自己防衛を図ってもらうよう、本人にお願いすることと、神頼みだけです。

みのっちさま

新型コロナウイルスへの感度が薄いのは、うちも全く同じです。ニュースを何度見ても、初見のような反応をします。
そしてマスクはうちも誰かいないとしません。感染者ゼロの岩手県というところで、救われています。

介護保険サービスを活用できる環境でしたら、やはりそこを頼るのが第一選択になるかと思います。

7時の NHK ニュース見ました

本当にくどひろさんのおっしゃる通りですね

岩手は本当にゼロですもんね

辛いところですね

初めまして。工藤さんのブログでスマカメを知り、大阪で一人暮らしの認知症の母の遠距離介護で助かっています。ありがとうございます!

先程、NHKで工藤さんを拝見しました。そしてコメントさせて頂いています。長文ですがお許し下さい。

私(東京在住)も2月以降、母の介護帰省ができておりません。うちの場合、母が利用しているデイサービスやヘルパーさんの事業所では、工藤さんのお母さまのような「首都圏在住者との接触」の制限はないものの、万一母にうつして、そこからデイサービスの高齢者や職員の方々に感染しては、と考えると、どうしても帰ることができません。とは言え、工藤さんと同じく、母の認知症が本当に心配です。

私が考えた対策は、抗体検査です。現時点では特に無症状だと受けられないPCR検査ですが、抗体検査は受けられます。ただ抗体検査には、報道されている通り、結果の精度に問題があります。

私は4/18に抗体検査のセルフチェックキットで検査し、医師の診断で感染初期の可能性を示すIgM抗体が検出された陽性となりました。全くの無症状でした。即、自宅隔離し、同居の主人も4/26に同じセルフチェックを行ったところ、IgM抗体と感染後にできるIgG抗体が検出されました。

この結果を見る限り、私たちの抗体検査の結果は正しい可能性が高い(同居でどちらかが陰性だと、おかしいですよね)と私は判断しています。

医師からは、検査の10日後に再度セルフチェックを受けるようアドバイス頂きました。本日キットが届き、明日検査してみるつもりです。明日の結果がIgGのみの陽性なら、感染後期や治癒のフェーズであると判断し、医師のアドバイスの後、母の元に日帰りで介護帰省するつもりです。

もちろん、再感染のリスクも、検索結果が違うリスクもありえます。ただ、18日以降、家に籠もっていた私が感染している可能性は、大阪のヘルパーさんやデイサービスの職員さんが感染されている可能性よりは低いはずと思っています。

工藤さんの場合、感染ゼロの岩手県にお母さまがお住まいということで、感染者が多い大阪に住む母を持つ私より問題が深刻で、私のケースが役に立たないかもしれません。また、私は陽性反応が出たからこのような対策を取れましたが、陰性反応が出た場合は、どう対応すればよいか迷うと思います。

ですが、どなたか一人でも参考になればと、同じ認知症の親を介護する人間として、書かずにはいられませんでした。

テレビで仰ってた、庭でテントのアイデア、本当にそうですよね!私も、母のアパートのベランダに寝袋で泊まりたいですw

長文失礼いたしました。

ままりんさま

見て頂き、ありがとうございます!
さてどうしましょうね。ホテルシェルター実現しないかな…

kaigodekekkonさま

コメントありがとうございます。
スマカメご活用頂き、よかったです!(メーカーのものではありませんが)

大変参考になるコメントでした、その発想全くなかったです。わたしもセルフチェックしたとして、その結果を盛岡の介護事業所がどう判断するかですよね。
やはりホテルシェルターが実現してくれることが、ベストです。マギー審司さんと同じ車中泊も考えてます。

はじめまして。
私の実母は同じ県内ですが車で1時間15分程の所で一人暮らしをしています。
足腰と心臓が悪く要支援1です。
使えるサービスは週1回の訪問ヘルパー(シャンプーをしていただいています)のみです。
認知症はありませんが、やはり物事を一人で判断することは難しいようです。

今回のコロナのことで私も2月から実家に行っていません。
主人が首都圏に通勤しているので怖くて行けません。
買い物は生協宅配と近所の方が買い物同行してくれてなんとかこなしているようですが、田舎なので近所の方が家に上がってお茶飲みをしていくことがあるようです。
マスク手洗いもしているとは思いますがおそらく不十分です。
独身の兄が東京で一人暮らしをしていますが、兄も基礎疾患を持っています。

先ほど母から電話で「昨日から熱も血圧も大丈夫だけれども透明鼻水が沢山出る」と言われ、ドキッとしました。
今までも時々そういうことがあったのでおそらくアレルギーだとは思うのですが、普段から万が一母が感染することがあればどうしようかと悩んでいて、私自身かなりメンタルがやられています。
母を病院に搬送するのは誰がやるのか、基礎疾患持ちの兄にやらせるわけにはいかないので感染覚悟で私がやるしかないのか、でも車は夫の物しかないし私は感染するだろうから一月以上帰宅できないだろう、子供は軽度知的障害者なので放置できないから夫が会社を休むしかないがそんなことはできるのか…
答えは出ないままです。
みなさん同じような悩みをお持ちなのですね。

あおいさま

コメントありがとうございます!
お母さまの電話、本当にドキッとする内容ですね。

要支援1ということなので、まずは包括の方に相談するところから始めたほうがいいかもしれません。介護保険サービスでできること、できないことをすみわけして、頼れるところは頼るところから始めるといいと思うのですが、最終的には家族や自分が行くしかないと考えています。また頼る以上感染リスクはありますが、動かないリスクがもっと怖いので、わたしはヘルパーさんなどを頼りにする方針にしました。

このブログのコメントに様々な悩みが集まっていますので、直近のコロナ記事の下のコメント欄を読んでみてください。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか