認知症の母の排泄介助、8割成功・2割失敗の理由

母の排泄介助と格闘した日々を経て、最近はずいぶん時間が短縮されました。今は「無」に近い気持ちで、しれっと処理できています。何も考えず、手だけが動いている感じです。

理由の1番は「慣れ」、そしてもう1つは母の身体的な不自由さを理解できるようになったからだと思います。

8割くらいはうまくいく。でも残り2割で、「ちょっとー!」と叫ぶ日があります。今日はその排泄介助について紹介します。

トイレまでの誘導は割とうまくいく、でも?

排泄介助は基本、トイレで行っています。1番の難関は、母をどうやってトイレへ誘導するか。そこさえクリアできれば、あとは大きな問題はありません。

母は「まだ大丈夫」「さっき行ったばかり」と、てきとうな理由でトイレ行きを嫌がります。それでもあることないこと言って、トイレへ誘導します。母の尿意の感覚はだいたい2〜3時間。そのタイミングを見て、尿取りパッドを持ってトイレへ向かいます。

誘導の途中、母は間違えてお風呂場へ行こうとするので、「こっちこっち」と声をかけながらトイレに到着。扉を開け、便座のフタを開けると、母は便座の前に立ちます。まっすぐ立っていられないので、手すりにつかまってもらいます。

わたしは母と向き合うように立ち、「パンツ下げるよ」と声をかけてリハパンを下ろします。たまに「恥ずかしいわ」と言う日もありますが、「さっきもやったよ」と返すと、「あら、そう?」と受け入れてくれます。

わたしが思わず叫んでしまうのは、リハパンを下ろすのと同時に、母がおしっこをしてしまう瞬間です。目の前にトイレがあるのに、なぜこのタイミングでと思いますが、起きてしまうものは仕方ありません。

下ろしている途中なので、尿は一旦リハパンが受け止めてくれます。ただし完璧には防げず、ズボンや便座、床まで濡れてしまうこともあります。

何もなければ、尿取りパッドの交換だけで済んだはずなのに。リハパンは1枚100円弱なので、できればパッド交換だけで終わらせたい。それでも、こういう日はあります。

トイレまで誘導しても、「おしっこして」がうまく伝わらない日もあります。おなかのあたりを軽く押しながら、「シーって」「シャーってやって」と、まるで子どもに言い聞かせるように声をかけるのですが、それで理解してもらえない日もあります。

今日もしれっと、しれっと。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(82歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて14年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
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