物盗られ妄想の回数が増えたことによる意外なメリット

もの盗られ妄想 多くなる

病院に行く前の母との日常の一コマです。

あれ、財布がない!さとちゃん(わたしの義弟)がそういえば持ってった!
くどひろ
うそ~、これで出てくるかもよ~
「ピピピピピピ」

くどひろ
さとちゃん、持ってってないね~
あら、そうね

母がよくモノを失くすので、外出前にはいつもモノ探しをしています。特によく失くすものには、キーファインダーを取り付けてます。おかげでモノ探し時間は大幅に短縮され、物盗られ妄想につきあう時間も減り、ストレスが激減しました。

この日は、車に乗って出発する直前にメガネを忘れたりして、出発予定時刻を10分以上オーバーしてました。モノ探し時間も含めて予定を組むので、ホワイトボードにかなり早めの出発時間をいつも書いてます。

ちなみに今までで一番ひどかったモノ探しは、財布です。警察に届け出をして、銀行でキャッシュカードを再発行し、デイサービスの中を捜索してもらって、3週間後に家の中から出てきました。当時はまだ、キーファインダーを財布につけてなかったので、ホント大変でした。

実は最近、この物盗られ妄想が再び増え始めました。

物盗られ妄想が増えたメリットとは?

母は、部屋の模様替えが大好きでした。3年前くらいは、帰省するたびに置物や額縁の位置がコロコロ変わりました。ところが、直近の1年は部屋の模様替えがピタリと止まりました。

理由は、認知症の進行ではなく、活動量の低下でした。足が不自由でも、庭の草刈りや、台所の拭き掃除はなんとかやっていたのですが、そういったことはここ1年くらいでやらなくなりました。

あぁ~、草刈らなきゃ

口癖のように何度も言うものの、実際草を刈ることはありません。「口だけ草刈り、口だけ掃除」をずっとやっていたわけですが、最近口だけを卒業しました。台所の拭き掃除も、1年ぶりくらいにやってます。そして、部屋の模様替えも復活したのです。

部屋を整理する → 整理したことを忘れ、場所が分からなくなる → 義弟のせいにする

そもそも義弟は1年に数回しか来ないので、持って行くはずがありません。うちの特徴は最も近い息子ではなく、義弟を疑うので、わたしも少しラクです。物盗られ妄想が増えておりますが、わたしは活動量が増えたことに喜んでおります。

なぜ、活動量は増えた?

母はピック病ですが、一般的に言われている症状(万引きや横柄な態度、甘いものばかり食べるとか)はありません。場の空気が読めないぐらいでしょうか。

長谷川式認知症スケールも20点前後です。現在行っていることは、うちはコウノメソッドなのでこんな感じです。知らない医者には、意味不明なのでコウノメソッド実践医の元でお試しください。

  1. 朝、夕のフェルガード100MとフェルガードB
  2. 朝、夕のプレタール100mg
  3. 2週間に1回のグルタチオン点滴
  4. ヘルシーリセッタ

これら4つのどれが効果ある?と言われれば、2と3なのかなと思っていますし、1,4もなければやはり何かが違うとも思っています。

また、訪問リハビリをお願いしている理学療法士さんの筋力アップも効果があると思っています。デイサービス週2回もきちんと行ってますし、とにかく物盗られ妄想が増えたことに喜んでおります!

わたしはよく、自分自身を変えて物事を考えるクセがついていて、物盗られ=宝探しと考えようと思いましたが、まだ定着してません。

技適(ぎてき)マークのない無線機器を日本国内で利用すると、電波法違反で罰せられる恐れがあるので、購入の際はご注意ください。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

4件のコメント

いつも参考にさせて頂いております。
徒歩15分ほど離れたところに住んでいるアルツハイマーの母を介護しています。
キーファインダー、知らなかったので是非利用してみたいです。
私自身も母より先に鬱持ちで、鬱が酷くなると認知症のように記憶が無くなったり、記憶がうっすらしかなくなるので、通帳は全部無くしました(笑)
その分、母の気持ちが分かります。
一時期すごく物盗られ妄想(泥棒が入った、若しくは6月まで存命だった父のせいにする)と、窓とか開けっぱなしだったのに急にSECOMに入るとか言い出して、通帳や判子もしまい直しては無いと、無くは喚くは警察呼ぶわ…
明るくあっけらかんとした母とはおもえませんでした。
アリセプトを飲み始めて酷くなった為、中止してレミニールに代えたら少し落ち着きました。
で、自身の経験から覚えてない事から不安になるせいじゃないかと思い、たんとういにそうだん、イライラと不安を押さえるのに抑肝散、寝る前にエチゾラム錠を出してもらったら、嘘のように落ち着きました。
何かが見当たらなくても人のせいにしないし、そのうち出てくるやろ、と言ったり、華やかで明るい母に戻りました。
今は単に物忘れが人よりかなり多いというだけです。
鬱が酷かった時は意味の無い不安に襲われ、怖い思いを散々しましたが、母の役に立って良かったです。

とにかく、私用にも母用にもキーファインダー、使ってみます!

すみこさま

いつも読んで頂いて、ありがとうございます!

ブログにもよく書きますし、認知症講演会でよく見るのがやはりアリセプトの間違った処方です。少量処方や減薬、薬の変更で改善される方は本当に多いですよね。

キーファインダーは名前のとおり、鍵を探すためのものです。最初の本にも書きましたが、これがわが家は大活躍しています。外出前はいつもこれを使っています。

今後ともよろしくお願いします!

外国からの輸入製品は電波法の技術適合基準に合わないものが8~9割とのこと。電波法では技適にあわないものを、知らずに利用していても違法とのことで、電波をつかうものの購入するときは、注意ときいています。ご紹介してくださったキーファインダーが日本の電波法技術適合基準認証を受けたものかわかりませんが、輸入製品のキーファインダーは日本の法令にあわないまま販売しているものが多いので、その点ご注意ください。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか