認知症の母が近所の薬屋に電話注文したら3400円の謎の金の小玉が届いた話

認知症の母(70歳)が、コウノメソッドと出会って、どんな経過をたどるかをひたすら書いてます。

認知症の母の状態と、現在行っている認知症治療

  • コウノメソッド実践医にアルツハイマー型認知症(軽度)と診断されたのが、2013年4月上旬
  • おそらく1年前くらいに発症、祖母が子宮頸がんで入院して家で1人になってから一気に悪化
  • サプリメントのフェルガード100M(1日2回)と、お薬レミニール8mgを1日1回処方
  • 2週間のうち、1週間はひとり生活、1週間はいっしょに過ごしました。
  • 26週目より、秘密兵器?ココナッツオイルとMCTオイルのミックス を使用

東京から到着すると、おでこに手をあて、ボーっとしている母が居た

東京から新幹線で移動、そこからバスに乗って自宅に到着したわたし。家のドアを開けると、珍しく椅子に座ってボーっとしている母がいました。

わたし: 「椅子に座って珍しいね~、なに?どうしたの?」

母:   「なんか熱っぽくって、食欲がないみたい」

わたし: 「ありゃ!鼻風邪は毎週だけど、熱は初めてだなぁ・・・どれ、体温計で熱をはかりますか?」

母:   「なんかぼーっとするから、さっき薬局に電話してルル(風邪薬)を配達してもらうことにしたんだよ~」

わたし: 「またまたぁ・・・、薬局って、配達なんかしてんの?しかも、ルル目の前にあるでしょ、ほら。電話したの?」

母:   「あれ、あるね~、でもルルはあっても、また必要だからさ」

目の前のルル以外に、薬の引き出しを開けてみると、そこにはルル未開封の箱がさらに2箱。で今回また注文したから、3箱になりました(笑)で、しばらくすると、ピンポーンと玄関のチャイムがなり、

薬屋:  「どうも~、くすりやでーす」

電話したとか言って、電話してないんだろうなぁ~ とわたしは推測してたんですが、どうやら本当に電話したようです。何がホントで、何がウソか、認知症の介護してると、わけわかんなくなりますよね?

薬屋:  「頼まれたルルと、あとこれね。合計で5700円です」

ちなみに薬屋さんと母は20分近く会話をしていて、わたしはなぜか身を潜めながら2人の会話を聞いてました。東京から帰ってきた直後で、事態がのみこめないままに、玄関のチャイムがなったのでつい、身を潜めてしまいました。その20分間は、くすりの服用の仕方を説明するんですが、しばらくすると母がまた服用について質問するという・・・・得意のループです。薬屋のおやじさんもなんか変だとは思っても、気づかないレベルです。

身を潜めながら思ったのが、「なんで5700円も払うんだ?と。ルルってたしか2300円くらいだから、どう考えても3400円合わないと。2箱買ったのか?」いろいろ考えているうちに、薬屋さんは帰り、母がルルとなにやら不思議な小箱を持ってきました。その小箱がこれ↓

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写真だとイメージつかないかもしれませんが、小さいビー玉くらいのこれが3400円って!「長城清心丸」 という滋養強壮剤らしいんですが、70歳の母に、薬屋さんはなんてチョイスを!しかもご丁寧に、金箔貼ってるし!いらねー、これ!!これ飲んだら、死んじゃうんじゃないのってくらいの代物です。

わたし: 「なに買ったの?こんな高いもの??」

母  :  「薬屋さんが配達だからって、勝手にもってきたんだよ」

母が薬屋さんに電話でなんて言ったのか?本当のところは分からなかったんですが、目の前に3400円の金の小玉が現実としてあります。4分割して飲むそうで、1分割 約800円のお薬です、ボーっとするっていうから、とりあえず母に飲ませました。

わたし: 「で、体温何度か見せて~」

母:    「はい体温計、何度かみてもらっていい?」

わたし: 「いいよー、どれどれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さ、さ、35.9℃って・・・・熱ないじゃん!!!!」

母:    「でも、なんかボーっとしたんだよね、さっきは。」

わたし: 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

東京から帰ってきて1時間も経ってないうちに、いきなりこれかい! って思いながら、あのお薬があまりに衝撃的だったので、記念写真をとろうとすると・・・あれ?

わたし: 「さっきのお薬の、残り4分の3ってどこいったの?金箔の玉は?」

母:   「あれ、どこにいったんだろ・・・ない・・・・」

わたし: 「え?5分前まで、ここにあった金箔のさぁ、ほら、小さい玉。さっき飲んだやつ~」

思わず、ハライチの澤部風なしゃべりに、いつのまにかなってました(笑)

1分割約800円で計算して、5分で2400円がどこかへ消えました。この2400円で、もう1箱ルル買えるんだけど・・・・それから1週間が経ちましたが、結局見つかりませんでした。事の真相を確かめるため、次の日薬局に行きました。

わたし: 「すみませーん、なんか配達とかやってないのに、うちの母がムリいって・・・」

薬局:  「いーえ、配達やってるんですよ。大丈夫ですって。お母さんとは古いつきあいですから。」

わたし: 「それはそれは・・・・、ちなみにあの高い金の玉ってなんですか?」

薬局 : 「あれはお母さんにと思って、こういうものを用意しますと説明して、お母様納得されてましたよ。」

わたし: 「あの3400円の玉、すでに失くしてしまいまして・・・というか、うちの母認知症なので、今後はわたしが買いにきますんで。」

薬局 : 「それは大変ですね~、分かりました、ちゃんと認知症のお薬は飲んでるの?」

家に帰って固定電話機を見ると、見慣れない電話番号のシールが電話機に貼ってあって・・・スマホでググると、それは薬局の電話番号でした!ってことで、早速剥がしました。ひとり暮らしだから、体調の変化の拠り所にしていたのかもしれませんね・・・

この週は要介護認定の更新であったり、吹きこぼし過ぎで動かなくなったガスコンロの修理、メガネや財布がなくなる・・・認知症小ネタ集が作れる日々でした。書きたいんですが、本当に長くなるので、次の結論で唯一よかったことを。

結論

レミニールを4㎎から8㎎に増やした結果、中途半端な中間の記憶(2週間前とか1か月前とか)を、思い出す回数が増えてきました。またフェルガードも継続中ですが、こちらはひとりで完璧に服薬管理ができてます。でもって、今週からはココナッツオイル&MCTオイルのミックスが、アルツハイマーに効くとのことで、コーヒーに入れて飲んでます。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか