3週間ぶりに帰省した実家で認知症の母の身に起きていたこと

認知症 エアコン

東京と盛岡を100往復以上するうちに、東京2週間、盛岡1週間というサイクルがベストだと分かった。

交通費、わたしの生活リズム、母の生活リズムを考えてのことだ。

しかし、講演会やGW・お盆・正月があると、このリズムが少しだけ崩れる。

3週間も実家に帰らないと、わたしはソワソワするし、何かしら問題が母に起きる。

ゴホッ、ゴホッ

なんか、変なせきをしていた。

ヘルパーさんや理学療法士さんが書いてくださった伝票で、いなかった間の様子も探る。

まず、帰省してすぐに変だと感じたのは、エアコン。

都内もすでに暑いし、冷房がついているお店もチラホラある。

でも、盛岡はまだ冷房いらず。(暑い日も数日あったみたい)

なのに、部屋がキンキンと冷えている。

そりゃ、咳も出るわ!とまず思う。

そして、ヘルパーさんが書いてくれた伝票にも「お部屋を涼しくされてました」と優しい言葉で書いてある。

エアコンの使い始めは、カビで咳が出ることがあるし、冷房に体が慣れないので、そのせいかもしれない。

エコ加湿 ミクニ

案の定、わたしが帰省して数日はエアコンをつけなかったのだが、咳をしなくなった。

来月あたりから熱中症の心配があるので、エアコンを自分でつけられるだけありがたいのだが、こういうこともある。

冷蔵庫の腐った野菜はいつもどおり廃棄し、お薬の飲み忘れは少しあった。

3週間も空くときは、妹がいつもより多く実家によってくれるのだけど、泊まりではないし、母が料理を振る舞うこともしない。

だから、母が辛うじて作ることができる定番料理、きんぴらごぼう、ラーメン、鮭をやく、味噌汁、月見そば などなど、これらの味が変わってないかを一通りチェックしてみる。

醤油なしの煮干し味のうっすい月見そばが完成したけど、これはたまにあることなのでスルー。

あとは話す内容に変化がないか聞いているのだけど、これまた4年近く言い続けていることを繰り返しているので、問題なし。

たぶん数百回レベルでしか同じ話は聞いてないのだけど、つい「数万回聞いた」と盛って誰かに伝えたくなる介護者あるあるは、誰にでも経験があると思う。

同じことばっかり言っているのに安心するって変だけど、それすら言わなくなった時のほうがもっと不安なので、これでよし。

今週は、6/15(金)にある岩手・盛岡の講演会のための帰省で、10日後にまた帰省するときに眼科、ものわすれ外来のはしご。

6/29(金)に富士山旅行再アタックを計画していたが、ブログ読者の方からのアドバイスで秋のほうが富士山がよく見えるよという話を受け、秋に延期。

6/15(金)13時30分からの盛岡・おでって での講演会、電話予約は可能(019-604-3303)なので、お時間のある方は遊びにいらしてください!

この講演会の歴代の講師をチェックしていたら、映画『毎日がアルツハイマー』の関口監督や、元クロ現キャスターの国谷裕子さんが、男女共同参画の講演をされていたみたい。

直接は関係ないんだけど、大変ありがたいオファーだと思う。たぶん歴代で一番若い講師かも。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

4件のコメント

騙し騙しにしていた母の認知症 ご近所にも多大なご迷惑をかけてしまって やむなく覚悟を決めました
遠距離の為 帰れても月一
それでも 幾度となく聞かされるお金を取られた 誰が家に入ってくる話にイライラしてしまい
何回も聞いた❗️と返事してしまいます
身内は私1人なので 親戚には 早く施設に入れるようにと言われますが 本人が納得せず…
子供達も今が1番お金の必要な時期
そんなに帰省できなし 働かないと学費や生活費がない
夫は 私の事には無関心
どうしたらいいのか 解決などない毎日です
しれっと
出来たらいいのに

yokoさま

介護において、いろんなことを決断しないといけない時期が必ずあります。
しかし、その決断をしたからといって、介護は特に諸行無常(絶えず変化し続け、永遠ではない)だとわたしは思っています。

一度決断しても、やっぱり止めたり、やり直したり、新しいことを考えたり・・亡くなった祖母、父の介護で学習し、唯一生きている母にそれを実践しています。
わたしにも明確な答えはいつもないのですが、その瞬間には決断をして、ダメなら修正する・・そんな大きな余白をもった介護をしています。

お返事 頂けるとは思いませんでした
ありがとうございます

介護は諸行無常 永遠ではない…私にもどこか出口があるのでしょうか
会う度に一緒にいる時間が短くなっていく
実家を出る時は なぜか安心してしまう
そんな自分が 薄情に思えて悲しくなります
笑顔であって 楽しい会話をしてと 思うのですが 今の私には出来ない
誰にも相談出来なくて 抱え込んでしまいます

yokoさま

わたしも認知症の母をひとり置いて、帰京するときの思いは複雑です。

まずホッとします、そして後ろ髪をひかれる思いがこみあげてきて、置いていくことの罪悪感も襲ってきます。見送ってくれる母が笑顔のときは、それはもうたまらない気持ちにもなります。
でも自分にだって生活はあり、そこは割り切る必要もあります。自己犠牲=介護ではないですし、母とて息子の人生を拘束することは望んでないのです。そんな思いで東北新幹線のトンネルをいくつもくぐりぬけるうちに、スイッチが東京モードに変わるから不思議です。

行政や地域包括よりも、お近くの介護のつどい(少し離れていてもいい)で気持ちを吐露されたり、ツイッターもオススメです。どこの誰か分からない人が、相談に乗ってくれることもありますよ。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか