【夏の新常識?】認知症の母は冷蔵庫で生ごみを冷やす

冷蔵庫 生ごみ 認知症

今年は暑いですね。

夏に限らずなんですが、認知症の母は「生ごみを冷蔵庫で冷やす」という習慣があります。認知症になる前はそんなことをしなかったのですが・・・。なぜ母は生ごみを冷蔵庫に入れるのか? 質問してみると、こういう回答でした。

  1. 外に置いておくと、生ゴミに蟻がたかって家まで入ってくる
  2. 外に置いておくと、猫が生ごみをあさる

特に夏場は、生ごみを外に放置しておくとコバエが発生します。わたしが居る時はコバエの対処もできるのですが、母にその対処法を教えてももちろん忘れますし、継続することができません。

母は、台所で砂糖を床によくこぼす(コーヒーを飲むため)ので、そこに蟻が来ることはあります。猫も昔は生ごみをあさったこともありますが、今はありません。そういった過去の記憶がミックスされ、こんな理由ができあがってしまいました。

冷蔵庫の生ごみは、だいぶ慣れたものの、最初は本当にビックリしました。認知症のせいにはしたくないんですが、正直冷蔵庫を開けて生ごみを見つけたときは、「これも認知症なのか・・・」とつぶやいたほどです。

冷蔵庫に生ごみが入っていることは衝撃なので、たまに「反射的に」正論を言ってしまうことがあるんです。

くどひろ
ちょっと!これ!生ごみが冷蔵庫に入っているんだけど!
そうやっておくと、蟻が来ないし、猫があさらないしいいのよ
くどひろ
でもヘルパーさんが冷蔵庫を見たら、なにごと!って思うよ。ふつうの家庭では、絶対にやらないから
蟻が来るから、ここでいいのよっ!

これ以上先に進むと、わたしは「認知症になる前は、そんなことやってなかったでしょ」って言いそうになります。

認知症と母に向かって言ったことはないので、言葉を変換して「60代の時は、生ごみ冷蔵庫で冷やしてなかったでしょ」と、言い返すことはあります。

わたしもヒートアップして止まらなくなる可能性があるので、そんな時は自分の部屋に戻ってクールダウンします。そうすると母はケロっと忘れてくれるので、認知症という病気に感謝しています。

こんな理由づけをしておきながら、ゴミの大半は外にあるのです。その場しのぎで会話するから、辻褄があわないことだらけです。

ヘルパーさんも冷蔵庫チェックするのですが、そのタイミングでは生ごみと遭遇してないかもしれません。飲み終わった牛乳パックの中に生ごみを詰めていたり、野菜室にスーパーの袋があって、キャベツでも入っているかなと思ってみると、生ごみだったということがよくあります。

母はひとり暮らしだし、誰にも迷惑はかかりません。わたしが冷蔵庫を開けたときに、たまに臭いでウッとなるのと、自分の中の一般常識と生ごみの衝撃で一戦交え、結局は白旗を上げて受け入れる・・・そんな毎日です。

生ごみを冷蔵庫で冷やす人もいる!

正直、生ごみが冷蔵庫に入ってた!困った!という話から、わが家の対処法でも書いて、この記事を終わらせようと思ってました。でも、念のため調べてみると、驚きの発見があったのです!

まずは生ごみを牛乳パックに入れると、汁漏れがないし、臭いもないので便利という方がいます。母がやっていたことは、偶然とはいえ理にかなっています。そして本題の、生ごみを冷蔵庫で冷やす話ですが、

ゴミを冷蔵庫や冷凍庫に戻すなんて…と抵抗のある方もいるかもしれませんが、ついさっきまで食材の一部だった野菜の皮や切れ端、魚の骨などを「保管」しておくだけです。腐ってから入れているわけではありません。むしろ、生ごみのまま放置していることによる菌の繁殖や臭い・虫の発生の方が嫌なので、今はそれに悩まされることもありません。
引用元:https://kk0404.com/823.html#i-4

さらに、TBSアナウンサー安住さんまでもが、ラジオで生ごみの冷蔵庫保管を実践していたことを告白していたそうです。

(安住紳一郎)そこで、まあ私としましては解決策として、生ゴミを冷凍庫に入れて、ゴミ出しのタイミングが合う日まで、冷凍庫の中で生ゴミをスタンバイさせておくんだという話だったんですよね。
引用元:https://miyearnzzlabo.com/archives/21718

記事タイトルにつけた「夏の新常識?」は、母を揶揄するものと思った人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。実践している人がいるんです・・・だから夏の新常識。

では、わたしが生ごみを冷蔵庫で冷やすかといえば、やりません。奥さんに殺されます。独身だとしても、やらない・・・気持ちの問題です。母は今後も、最先端の?生ごみ保管を続けると思います。

ということで皆さん、この夏は冷蔵庫で生ご・・・これ以上は書かないでおきます。

常識を疑えってことで。

今日もしれっと、しれっと。


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6件のコメント

我が家はマンションの三階でベランダに生ゴミを置くと隣に迷惑だし、室内の土間でも臭いが嫌なので、ゴミ出し日まで冷凍してます。これは暮らしの知恵を教える先生が薦めるアイデアでもあります。冷蔵でもゴミ出し日まで腐敗が進まないので、冷凍でなくて冷蔵でも差はないように思います。利に叶う事を偶然ではなく、考えてなさっていると思います。

うさんこさま

常識って何だろうと、自分に問うております。
わたしはやはり抵抗がありますが、それでもそういう考えがあることを知って、なるほどなと思いました!

アリかもって思いました。冷蔵庫の中で生ゴミを散乱させるとかなら無理だけど、密閉して定位置で保管ってことならアリではないかと思いました。近年の夏の暑さはハンパないですから。

関東は毎日暑いですね!私も真夏に限り魚のアラなどすぐ腐るものは、調理後ビニール袋に入れ冷凍してます。ただ、ゴミの日に出すのを忘れないようメモしないといけないですが。
とは言え、自分以外の人が冷蔵庫/冷凍庫に入れた生ゴミに抵抗あるのも分かる気がします。

先月母の介護認定がありました。ちょうど1年前に認定が確定してから3ヶ月後に再審査を受けたので、再認定から1年後に次の認定調査だと思っていました。ケアマネに聞いてみると、個人の状況によって認定検査の間隔が違うと教えられました。認定が各人毎年一回ではなかったのですね。勉強になりました。

ふくいさま

今回の記事で実践している方が結構いらっしゃることが分かり、ビックリしました。
うちは密閉してないし、位置もバラバラなのが問題です(笑)

みーしえるさま

冷凍というご意見を結構頂き、なるほどなと思いました。
密閉して定位置というのが一つの条件ということが分かりましたが、うちはフルオープンでいろんなところに入ってます。

うちの場合は、最近2年に1回の更新です。市区町村によっても違いますよね。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか