認知症介護で使っていた貼り紙をはがした3つの理由

認知症介護で長い間お世話になった、貼り紙をはがしてきました。

母に何度も口頭で伝える必要がなく、母自身も貼り紙で自分の間違いに気づくので効果的だったのですが、今回の遠距離介護でほぼ終了となりました。

具体的にはお風呂場に便を流さないでの貼り紙、電子レンジで炊飯器の釜を直接温めないでの貼り紙をはがしてきたのですが、使わなくなった3つの理由をご紹介します。

読めない漢字が増えてきた

記事タイトル下の貼り紙の場合だと、炊飯器の文字が読めません。釜も読めたり、読めなかったりなので、漢字が読めなくなった時点で貼り紙の効果はありません。

ひらがなやカタカナにすれば効果は継続されますが、下記2つの理由からやりませんでした。ちなみにひらがなやカタカナはホワイトボードで母に伝えるときに、多用してます。

貼り紙が日常に溶け込んでしまった

貼り紙を貼って、しばらくは母も気にしてくれてましたが、ガスレンジの後ろの壁に貼ってたら汚れてきてしまって、すっかり効果が薄れてしまいました。(タイトル下の写真、たまらなく汚いですよね?)

漢字も読めないし、日常に溶け込んだ貼り紙は注意喚起にはなりません。こちらもはがす理由のひとつになりました。

貼り紙の内容を理解しても、数秒後にはすぐ忘れてしまう

そもそも貼り紙で注意喚起をしたとて、貼り紙を見た数秒後には忘れてしまうのです。注意喚起が伝わらず、わが道をいく母。こうなるともう貼り紙の意味はありません。

ただホワイトボードに文字を書いて、注意喚起をしたり、同じ質問攻撃をかわしたりするほうは未だに健在なので、今後はホワイトボードを中心に注意喚起をしていきます。

音声配信voicyのほうで、遠距離介護の1か月の総括を話してます↓

今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか