新しい保険証を認知症の母が捨てた!再交付までの道のり 

これまでは認知症の母の鋭い? 嗅覚のおかげで、大事な郵便物だけは捨てずに家のどこからか見つかっていました。またヘルパーさんが大事な郵便物を見つけたら、台所に貼ってあったタペストリーのポケットに入れてくれていて、なんとか10年凌いできました。しかし……。

大事なタペストリーが外された

ある日のことです。スマホで見守りカメラの映像を見ていると、母がコタツと畳の上に大量の書類をキレイに並べていました。そして近くには、あのタペストリーも!

まずい、あのタペストリーの中には大事な郵便物が入ってる! 今まで10年間、1度も外したことのなかったタペストリーを、母は外してしまったのです。そしてこの時期はちょうど後期高齢者の保険証や身体障害者の医療費受給者証、そして介護保険負担割合証が届きます。

母がどの書類を触っているかまでは見えなかったのですが、とにかく緊急事態だったので妹に連絡。次回実家へ行ったときに、重要な書類はすべてわたしの部屋に逃がすようにお願いしました。

それから1週間後、遠距離介護で岩手の実家に到着。わたしの机の上には、外れたタペストリーと重要な書類が並んでいました。障害者の受給者証ある! 介護保険負担割合証ある! 保険証ない! 

待てよ。身体障害者手帳を取れば、後期高齢者の保険証はいらないのか? 医療費は、すべて還付されるわけだし。ネットで調べましたが、保険証不要とは書いてません。市役所に電話で問い合わせると、保険証は必要ですねとあっさり言われてしまいました。

盛岡市は今、市長選、市議会選挙が近くて、候補者のチラシがたくさんポストに投函されていました。それで一緒に、母は捨ててしまったのかもしれません。

この前なんて県議会選挙の候補者自ら、家に来てビックリでした。もし母が対応していたら同じ質問を何回も繰り返すので、候補者の方は帰るに帰れなかったかもしれません。

保険証再交付の手続き

保険証再交付の手続きを市役所ホームページで調べたところ、委任状が必要と書いてありました。委任状は携帯電話の解約の回で書きましたが、母には至難の業です。

何枚か書けば、奇跡的に1枚くらいは成功するかもしれない。でも何日かかるか分かりません。もうちょっとで書き終わるところで字を間違えたり、決められた欄に書けなかったりします。

これは始めからギブアップしたほうがいいと思って、再び市役所に電話してみました。

母は認知症で、しかも障害があって手が震えて字がうまく書けません。何枚か書けば奇跡の1枚を持っていけるかもしれませんが、どうしたらいいでしょう? あと即日で再交付できますか? また郵送されると、廃棄しちゃうかもしれないので。

市役所の人

でしたら、いらっしゃる方の身分証明書と認印があれば大丈夫ですよ。即日で交付致します。

市役所へ行き、あっさり保険証は再交付されました。(記事タイトル下の写真に、再交付とありますよね)

保険証の発送先を東京の家にできることは知っていましたが、今まで何とかなっていたので今回もいけるだろうと思っていたら甘かったです。ちなみにわが家では郵便局の転送サービスはルール上使わないので、タペストリー以外の別の方法を今テストしています。

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6件のコメント

こんにちは、voicyとブログ、交互に他の聞いたり読んだりしています。
くどひろさん宅では、くどひろさんご自身やヘルパーさんなどがゴミ箱のチェックをしないのでしょうか?お母様は自分で、決められた曜日・時刻にゴミを出せないので、介護者の方がゴミを捨てると思っていました。
郵便物を捨てられてしまうのなら、他にも大切な物が捨てられる恐れもあるかと思うのですが…
ウチも郵便物や宅配物が知らない間に義母の部屋の押し入れに入ったり、開封して中身をバラバラにされて困ります。

かみゅさま

voicyの音声で返信した土曜日のコメント、かみゅさんへのコメントの返事に書いた内容でしたね。収録し直しはしないので、重複失礼しました!
介護者がゴミを捨てますが、わたしは常に一緒に生活しているわけではないので、東京に居るときは捨てられてしまいます。またヘルパーさんもゴミ箱の中身まではチェックしていませんし、今後もお願いしないというかできないと思ってます。時間的にも衛生的にも。方法はいくつかあるので、それをテスト中です。

くどひろさん
返信ありがとうございました。

ゴミ箱のチェックは手間ですし、確かに衛生面でヘルパーさんにはお願いしにくいですね。
独り暮らしの実母は認知症は有りませんが、かなり高齢のためゴミ出しが難しく、私が捨てられない時は、ヘルパーさんには生ゴミだけお願いしています。認知症でなくとも、ゴミの分別は高齢者にとってハードル高いようです。
くどひろさんの、その後の『いくつかある方法』について、また結果を教えて頂ければ幸いです。
認知症の義母のゴミ箱に、ティッシュにくるんだ入れ歯を見つけたときは、チェックして良かったと思いました。

かみゅさま

いくつかある方法は、郵便物のほうにかかってます。ゴミのほうではありません、失礼しました!捨ててしまったものは、お金で解決するしかないと諦めています。ポータブルトイレの処理袋が尿が入っているので、ゴミ袋は臭くて開けられません。入れ歯は、装着時に違和感があると外しやすくなる場合がありますよね。あとやたら外したがる方もいますよね。

郵便物はうちも悩みです。
大抵は見つけられますが、気づきまで時間がかかったり。
先日は介護保険証の更新。
ケアマネさんやデイサービスの方から、新しい保険証の写しが欲しいと言われ、まだ来てないかな?と発行元に聞いたら10日前には発送されていそう…
それからが大捜索…古い郵便物と一緒に中身はバラバラになってありました。

再発行も同居しているかどうかで対応が違うんですよね。うちは保険証はまだ大丈夫ですが、通帳は何度か…
明日はマイナンバーカードの代理受領に挑戦です。

あおいさま

コメントで返事しようかと思いましたが、数回先のブログ記事の内容なので今回は控えますね。
紙の通帳を使わない銀行も増えているので、そっちがいいかもですね。通帳再発行の手続きは、考えてやらないと望まない方向に行く可能性がありますね。ハッキリ書けませんが。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか