認知症の母が2分で入れ歯を破壊!訪問歯科に救われた在宅介護のリアル

東京から東北新幹線で盛岡へ。そこからバスを乗り継ぎ、ようやく実家に到着しました。遠距離介護の帰省は、到着した瞬間から「数日分の買い出し」という任務が始まります。

移動日の夕食のメニューは移動疲れがあり、考えるのが面倒なので固定にしていて、丸美屋の麻婆豆腐(甘口)丼。母はテレビを見ながらご飯を食べるのが下手で、認知症の進行で空間認識能力が低下しているから、よくこぼすのだと思います。

この日もグレーのセーターに麻婆豆腐を2回ほどこぼし、わたしがふき取って夕食が終わりました。

帰省初日のルーティンと変わりゆく母の食事事情

食後はいつも、果物かアイスを用意するようにしています。その理由は、ひとりの時はいつも栄養補助飲料のみなので、自分が帰ってきたときくらいはちゃんと栄養を取ってもらうと思っているからです。

以前はきちんと食事を用意していたのですが、残り物を鍋に入れたり皿に入れ替えたり、その皿をガスコンロの上に直接乗せて火をつけたり。

ガスコンロはレバーをロックしているので大丈夫ですが、料理ができていた頃のイメージが残っているからか、食材をもてあそんでしまいます。夏場は腐敗や食中毒の心配がありますし、ひとつの皿に残り物を集約して、まるで残飯を食べているかのようなので栄養補助飲料に落ち着きました。

麻婆丼のあとのデザートは、イチゴ。ビタミンÇを多く取ってもらおうと思い、台所でイチゴを洗って居間の扉を開けたら、母が下の入れ歯をこたつの上に置いていました。

わずか2分の惨劇。入れ歯が「掃除道具」に変わった瞬間

時間にして、2分程度目を離しただけ。どれどれと思って、入れ歯を口の中に入れたのですが、入りません。入れ歯を見ると、折れ曲がっていていつもより角度が急でした。

なになに、たった2分の間に何があった? 居間の見守りカメラの録画映像で母の動きを確認したところ、母は麻婆豆腐で汚れた服が気になり、なぜか下の入れ歯を外しました。その入れ歯を握りつぶして、バキッ。自分の歯にひっかける金属の部分で、服の汚れを取っていたのです。

重度の認知症になるともう、理由なんてありません。入れ歯がなければ、固形物は食べられません。次の日に行くデイサービスへ連絡し、明日は刻み食等で対応するようお願いしました。

入れ歯がない期間の食事をどう乗り切るか

ブログをアップした時点で、まだ入れ歯は治っていません。わたしの滞在中に、訪問歯科が来てくださることになり本当にありがたいです。

訪問歯科じゃなかったら、予約を取っても1週間から2週間先。その間、母はずっとおかゆなどで生活しなくてはなりません。それに遠距離介護なので、さらに面倒です。

入れ歯が片方しかないときの食事や、歯茎だけの食事について、歯科医に質問します。今は歯ぐきでつぶせる下記をドラッグストアで購入してきましたが、アサヒのシステム障害の影響で、2個までしか買えませんでした。

おかゆが安心かと思いきや、そんなこともなさそうなので、こちらも歯科医に聞いてみようと思います。

今日もしれっと、しれっと。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(82歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて14年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
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