コロナ禍の認知症介護中に何度も言った「しょうがねえんだよ」の言葉

2週間に1回(金曜日)に連載中の介護ポストセブンに、以前こんな記事を書きました。


認知症の症状が急激に悪化して、家族の想定を超えてしまう例をグラフを使ってご紹介したのですが、今年の遠距離介護中、認知症の母の症状と対峙したときが、まさにこのグラフの通りだったのです。

自然と出た「しょうがねえんだよ」

ここ最近の母の症状を、こうした記事に書いてきました。


母の症状を何度も見ていれば、怒ったり、怒ったことを後悔したり、受け入れたり、諦めたりしながら、自分の中で吸収して、いずれ慣れていきます。

ところが今はコロナ禍で帰省の回数も時間も限られているため、久しぶりに帰って母の様子を見ると、最初に驚きがやってきます。帰京するとリセットされ、また帰省して驚きます。

その都度、自分で「しれっといこうよ」と言い聞かせながらここまで介護してきたわけですが、何だか知らないのですが、今回は自然と「しょうがねえんだよ」という言葉が何度も出てきました。

もっと細かく書くと、「そりゃ認知症介護9年目になったし、ここから先はどんな症状でもしょうがねえんだよ」「ちょっとあたりが強かったかな。でも自分が慣れるまではしょうがねえんだよ。」という意味になります。自己分析をしてみると、母の認知症の症状をまだ完全には受け入れていないようです。

それぞれの症状に対して、グッズを購入したり、サプリメントを新しくしたり、割と冷静に対応したほうです。

ただ、症状に慣れるまでの時間がまだまだ必要で、「あ、またいつものやつね」と余裕を持ちたいのです。こうした葛藤は今までもありましたが、驚く回数が増えてきたので、やはりコロナ禍で何かが違ってきているような気もします。

それでもやっぱり慣れ親しんだ「しれっと」も、連呼しています。

最新のvoicyは、わが家の例を用いて介護のお金の捻出の方法について語りました↓

今日もしれっと、しれっと。


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4件のコメント

くどひろサン こんにちは
いつも色んな気づき、ヒントありがとうございます
「しれっと」昨夜は忘れてたなぁ
母の眠剤1が効かず眠剤2も効くまでに結局4時間程かかりワタシの睡眠時間3時間でした
反省点を探ると…
夕飯を残す母に腹をたてた⁉️
「しょうがねぇんだよ」って思えなかったな
今夜は怒らないぞ!
スミマセン つぶやきコメントになってしまいましたね

気温の変化激しい季節です
どうぞお身体お大事にして下さいね。

くどひろ様
現実と私の感覚のギャップ、そこに悩みが生じること、本当にその通りだなぁと思いました。私もまだまだ母の認知症を受け入れられない部分があるようです。
「しょうがない」母を赦し自分を赦す効果的な呪文になりそう!イライラしそうな時、自分を責めそうな時、使ってみたいと思います。
ありがとうございます!

函館の女さま

睡眠時間が自分を乱すというか、やはり睡眠をしっかり確保するのは大切だと思っています。
介護でよくない事件が起きる原因は、睡眠不足だそうですよ。

たまには怒ってもいいと思うんです。ガス抜きをしないと、大爆発してしまうので。
体のお気遣い、ありがとうございます!

まあさま

しれっとと言ったり、しょうがないと言ったり、いろいろ言葉が出てきてすみません!
本当に自然と言うようになっていて、やはり症状の慣れの時間が足りないかもしれません。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか