認知症の人が尿パッドの代わりにトイレットペーパーを使うときに注意すべきこと

このブログで「トイレットペーパー」と検索すると、母が尿パッドの代わりに、トイレットペーパーを股に挟み、家中にトイレットペーパーの紙くずが落ちている話が出てきます。

先日、デイサービスの所長さんとこの件について話していたところ、わが家と同じケースは多いようで、トイレットペーパーを大量に使い過ぎて、トイレを詰まらせる家もあるとのこと。

スッポン ラバーカップ トイレづまり
わが家はトイレ詰まりはないのですが、寝室にポータブルトイレを設置してからというもの、失禁でふとんを濡らす回数は激減し、その代わりに母の目の前に常にトイレットペーパーがあるので、せっかく習慣づけた尿パッドを忘れ、股はさみに戻ってしまったのです。

ポータブルトイレのトイレットペーパーで昔の習慣が戻った

トイレットペーパーまみれの介護生活の中で、デイ所長さんから言われたのが「尿路感染」の話でした。

尿路感染するとどうなる?

認知症の人が、トイレットペーパーを尿パッドとして使うときの問題として尿路感染があります。たしかに尿パッドと違って、紙だと尿を中に閉じ込めないので、尿で濡れた紙をお股にずっと当てている不健康な状態が続きます。

尿路感染になると、排尿時に痛みがあったり、頻尿になったり、尿路感染から膀胱炎、腎盂腎炎など、腎臓にも悪影響があって発熱します。かかりつけ医ともこの件について話したのですが、件数としてはそんなに多くはない、ただそういう人はいるのことでした。

尿路感染から入院する場合もあるようで、すぐ治るとはいえ入院をきっかけに生活リズムを崩したり、筋力が衰えたりするリスクが高いので、早速デイで対応してもらうことになり、デイサービスでお風呂に入ってはいますが、特に陰部洗浄をお願いすることになりました。

なぜトイレットペーパーの塊が床に落ちている?

トイレットペーパーを尿パッドの代わりに使うと、家中に紙屑が落ちるので、それを拾って掃除する毎日なのですが、たまにあり得ない大きさの塊がゴロっと落ちてます。

この件について今度は妹と話していたところ、母のノーパンデーがあることが発覚しました。たしかにノーパンだと、ズボンでトイレットペーパーを押さえたとしても、歩いたらボトッって落ちます。

なんでノーパンデーがあるかというと、タンスの整理がきちんとできなくて、母がパンツを見つけられないのが1つ目。

もうひとつは、トイレットペーパーだと尿パッドのように吸収しないので、下着がすぐ汚れます。1日に何枚もパンツを汚してしまい、すべて洗濯機の中に出払ってしまうからから、ノーパンになるのです。理由は分かったのですが、しばらくは打つ手なしです。

尿路感染の対策のためにやったこと

  1. デイサービスで陰部洗浄をするようになった
  2. パンツの洗濯回数が増えたので、失禁パンツを新たに追加購入した
  3. リハパンへの完全移行も検討したが、母が洗濯機をポリマーだらけにするのでダメ
  4. タンスの引き出しに「パンツ」のシールを貼って、パンツを探しやすくした

おそらく数年後に、母は洗濯機を回せなくなる時期が来ると思います。テレビやエアコンの誤操作がかなり多くなってきたので、洗濯機もいずれ使えなくなる気がしています。

リハパンをしょっちゅう洗濯しちゃうので、ポリマーで洗濯機が壊れるかもしれません。それで洗濯機を買い替えることになったら、母は操作ができなくなる気がするんです。そのときは、リハパンに完全移行します。あー、紙屑だらけじゃー!と騒いでいる今が、実は幸せかも?

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今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

 紙おむつを砕いて下水道に流せるようにする機械を開発中との噂をネットで目にしました。
 下水道の完備された都会ではそれも良しですが、浄化槽に頼る田舎では流すのは無理かも知れない、でも田舎は庭や畑がある。
 そこですぐに土に戻る生分解性プラスチック原料の紙おむつであれば堆肥としても使え一石二鳥?使用済みおむつの発酵に適した酵素が練り込まれた素材のおむつ。
 コンポストに入れて発酵させるんですわ。
誰か開発してくれないかな?
 そんな妄想してます!

おまつさま

ステキな妄想ですね!
確か下水道のニュースは、実験フェーズから次のステップに入るはずですが、コロナの影響で今どうなっているんだろう??

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか