【認知症介護】制限したくはないけど米や油を隠しました

前に、第二食器棚を確保した話を書きました。

認知症の母の皿洗いが雑で、しかも汚い台拭きで洗い終わった食器を拭くこともあるので、わたしが洗って拭いたキレイな食器を2人で使うための策でした。

母は息子のために家事をやっているプライドが満たされますし、衛生上問題ない食器で食事ができるので、第二食器棚の運用で落ち着きました。今日はその第二食器棚に、油や米なども隠すようになった話です。

ご飯を炊きすぎる母

認知症介護あるあるで、家族の人数が減っても必ず3合~5合ご飯を炊いてしまう家が全国にあります。(このネタを書くと、うちも!というコメントを頂くので)

うちの母は必ず3合炊いてしまうのですが、それでもたまにだったので、そのまま母にご飯を炊いてもらって、冷凍するなどしてやりくりしてきました。ところが最近は、1回3合を炊く習慣を思い出すと、毎日3合を炊こうとします。

78歳の母とアラフィフの息子の2人だけでは、毎日3合を炊かれても廃棄するしかありませんし、冷凍庫もパンパンになってしまいます。そこで炊飯器を隠したこともあるのですが、その結果が下記記事で、今度は鍋にお米を入れて研いでしまうのです。

結局、母には申し訳ないけど、米を隠すしかありませんでした。米を探す母を見ると申し訳ない気持ちにもなるのですが、毎日お米を炊かれると米もどんどん減りますし、廃棄も増えます。

もうひとつ、サラダ油も隠すようになりました。たっぷりのサラダ油で目玉焼きを焼いて、さらにサラダ油を追加して、もやしを炒めます。油まみれの朝食はさすがに食べられませんが、母は平気と言って食べようとします。

そこでサラダ油をフライパンにちょっと入れた状態にしてから、母を呼んで朝食を作ってもらいます。もやし炒めのタイミングで油を探し始めるのですが、そのままで大丈夫と声を掛けて、油を減らすようにしました。

目に入った調味料を入れたがる

料理全盛期のイメージが母には残っているので、調味料があると何でも入れようとします。味噌汁を作っていると、目の前にあるしょうゆ、砂糖、塩、なんでも入れてしまうのです。あと、お玉に乗せた味噌を溶かさず味見して薄いといって、さらに味噌を追加してしょっぱくなります。

こんな感じなので、母の調理は常に目が離せません。母の最期の砦が料理なので、なんとか台所に立ってもらう工夫をしてきましたが、いよいよ制限が必要になってきました。安全面や健康面を考えないといけない段階に来ています。

音声配信voicyの最新回は、認知症介護は負けるが勝ちという話をしてます。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか