珍しい!親の介護経験のある30代~50代の「介護に関するアンケート」

アンケート

在宅医療マッサージ株式会社が運営しているドクターネイル爪革命が、親の介護経験のある30代~50代を対象に「介護に関するアンケート」を行ったというページを、偶然ネットで見つけました。

わたしが注目したポイントは、アンケート対象者の世代です。一般的には40代~60代、70代の介護者を対象にしたアンケートが行なわれることが多いのに、このアンケートはそれよりも若いことに驚きました。

アンケート結果にわたしの感想を加えて、ご紹介していきます。

介護が始まった年齢

親御様の介護経験のある方に、「介護を始めた時のご自身の年齢を教えてください」という質問をしたところ、『45歳~54歳(42.0%)』が最も多く、次いで『35歳~44歳(29.6%)』『25歳~34歳(16.7%)』と続きました。

引用元:https://dr-nail.jp/press/20190319

わたしの書いた本『ムリなくできる親の介護』(日本実業出版社)にも、介護が何歳から始まるかという話を取り上げたのですが、その年齢とも合致しています。

今回のアンケート対象者の世代が若いので、あまりお目にかかることがない20代、30代で介護が始まったというデータも載っています。わたしも40歳で介護が始まったので、この結果に含まれています。

厚労省が発表している最新の国民生活基礎調査によると、介護が始まる要因の1位は認知症です。しかし男女別でみると、女性は認知症が1位、男性は脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)が1位です。

このアンケート結果からは読み取れませんが、おそらく80代以降で有病率が高まる認知症より、脳血管疾患で介護している人が多いアンケートかもなと推測しました。

また介護は自宅で行ったと回答した人が9割という結果も、驚きでした。若い世代になると、単純に周りに相談していない(できない)から、介護施設を選択肢に入れていないという理由もあると想像しました。

年齢別の年収で考えても、年功序列の名残が残る現在だと、施設の費用負担は若い世代にはさすがに重いと思われます。(親が介護費用を負担できないとしたら)

介護をする際に準備不足と後悔したこと

「介護をする際に準備不足だったと後悔したことはなんですか?」と質問したところ、6割以上の方が『知識不足だった(64.4%)』と回答し、次いで『バリアフリーに取り組んでいなかった(14.2%)』『介護費用を貯めていなかった(13.0%)』と続きました。

引用元:https://dr-nail.jp/press/20190319

わたしも介護の知識不足で激しく後悔したので、こうやってブログで発信したり、本を書いたりして、これから介護が始まるかもしれない方々へアプローチを試みております。

しかし、自分が介護当事者になる前に知識を集めようとする人は、本当に少ないのが現状です。たまに認知症カフェで、30代前半だけど介護の知識を集めたいという方にお会いすることもありますが、かなりレアケースです。

自分が病気にならなければ、身近な家族が倒れたりしなければ、健康診断や人間ドックを受けようとしません。自然災害が身近なものと感じなければ、非常用グッズを揃えようとしません。痛ましい交通事故が起きなければ、免許を返納しようとしません。わたしも含め、人間ってなかなか行動できない生き物なんだなと。

だから、そういった情報から刺激を受けたら、すぐ行動するように心がけています。最近では人間ドックで救われた身近な人の話を聞き、すぐ実行に移しました。

本やブログなど文章で伝えることも大切ですが、講演というライブで話すことも、すごく意味のあることで、行動に移してもらえるチャンスだと考えています。

このアンケートの中に 「介護中に親御様の足爪はチェックしていましたか?」という項目があります。うちは訪問フットケアを入れて、4か月に1回くらいのペースで、母の足の爪と魚の目をとってもらっています。

高齢になるほど歩行する機会が少なくなり、それに伴い地面から爪が受ける圧力(爪を広げる力)が減ってしまいます。指に力が入らない状態が長く続いてしまうと巻き爪につながり、さらに歩行が難しくなります。その結果筋力が落ちて、寝たきりになってしまうのです。


引用元:https://dr-nail.jp/press/20190319

特に認知症のご両親を介護されている方で、足の爪見てなかった!という介護者の方は、一度爪チェックをしてみてください。爪の状態が改善されると、認知症の症状が改善されることもよくありますよ。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか