6年使った座椅子の尿臭が取れないので買い替えたら失敗した介護の話

今から6年前の2018年1月に、こんな記事を書きました。

体にフィットするコンパクト座椅子 ニトリ
このニトリの座椅子は、コタツですぐ寝がちだった母を座らせるのに大活躍しました。

体にフィットするコンパクト座椅子 ニトリ
6年お世話になった座椅子

ところがここ数年、母の失禁が増え、座椅子本体が尿で汚れるようになったのです。最初は座椅子カバーを花王の消臭ストロングで洗濯し、洗濯できない本体は花王のリセッシュ(消臭ストロング)でニオイを消せば、何とかなっていました。

しかし失禁が続くと、ニオイ消しではどうにもなりません。そこで座椅子カバーの中にペット用シーツを入れ、座椅子本体を守るようにしたのですが、シーツがカバーの中で動いてしまい、本体を守りきれませんでした。

居間に漂う微妙な尿臭。鼻をクンクンさせた結果、座椅子本体がニオイの元と分かり、6年使いましたが廃棄しました。それで代わりとなる座椅子を探し始めたのです。

座椅子選びで注意したこと

座椅子選びの際、まずは失禁ありきで考えました。座椅子本体を守りつつ、洗濯しやすい座椅子。そんなものは売ってないのですが、外しやすい座椅子カバーをニトリで発見!

座椅子全体をカバーで覆うタイプではなく、背もたれと座面にゴムの輪っかを通して、すぐ取り外しができるパッドタイプのカバーにしました。

さらに購入時に薄手のビニールで包まれてたのを、そのまま使用。これで本体は汚れないはずです。その上から新しく購入した使い捨て防水シーツで、座椅子の座面をカバーしました。ここまでやれば、本体は尿で汚れません。

購入時のビニール袋をそのままにした

しれっと新しい座椅子をセットして、母に使ってもらうことにしたのです。ところが……。

新しい座椅子に座った母の反応

座面が少し高いので、母はきっと立ち上がりやすいだろうと思っていました。

ところが横からはみ出した白い防水シーツが気になり出して、それを引っ張って外そうとします。やめてといっても、聞いてくれる母ではありません。わたしが席を外すと、シーツを外しにかかる母。

サイドに見える白い防水シーツが気になってしょうがない

やたらと見た目を気にするタイプなんです、うちの母は。だから朝の布団もキレイに整えてから起きるのですが、マットレスの下には汚れたリハパンやトイレットペーパーがいっぱいあります。見た目を気にするだけ、いいのかもしれません。

結局、購入したその日で使用は諦め、新しい座椅子はわたしが使うことにしました。まさか防水シーツの見た目が原因で、使えなくなるとは。

わたしが使っていた古い座椅子に、前に使っていた座椅子カバーをかぶせて中に防水シーツを敷きました。さらに40年以上前に使っていたと思われる座布団を持ってきて、その座布団の中にも防水シーツを入れました。こうすることで、

  • 失禁したら、まず座布団が汚れる
  • 座布団には防水シーツが入っているので、座布団カバーだけ洗濯すればいい
  • 仮に座布団を外して座っても、座椅子カバーの中に防水シーツがあって本体は大丈夫

次回は使い捨て防水シーツについて触れようと思います。この格闘の間に、リハパンの尿吸収回数はもちろん増やしましたが、座布団は4日連続汚れました。

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今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか