認知症の母と息子の76歳Birthday Party

バースデーケーキ

少し早かったのですが、母とわたし2人で毎年恒例のBirthday Partyをやりました。

過去5年の誕生日記事を集めてみました。毎年お寿司とケーキでお祝いしているのですが、ケーキはホールケーキからショートケーキに変わり、すし屋もいろいろ変えています。

最近では、記事タイトル下の写真のように、ナンバーキャンドルで年齢を表す工夫もするようになりました。

当初は、Birthday Partyで母の記憶にくさびを打つ!みたいな考えがあったのですが、今はそういう思いもなく、しれっと開催しています。ろうそくの火のように、母の記憶もすぐ消えてしまうので。

認知症 誕生日 75歳
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誕生日



今回は特上寿司を出前で取ろうと電話したら、「今日は夜の部だけお休みです」と。ランチ営業だけの寿司屋ってあるの?と思いながら百貨店へ行き、お寿司とケーキを買って、自宅に戻りました。

その日は暑かったので、母はレディーボーデンの小さなアイスを食べ終わっていて、その2時間後から、誕生日をしれっと始めました。

あら~、お寿司なんて久しぶりね~、お正月ぶりかしら。
くどひろ
いやいや、2か月に1回は食べてるよ

母はひとり暮らしで、料理もなんとか作っていますが、何年かしたら、おそらく最後の砦である料理もできなくなると思っています。そんなレベルなので、普段の食事は決していいものではなく、わたしが帰省したときくらいは、外食に行ったり、寿司を食べたりして栄養補給をしております。

Happy Birthdayを母ひとりのために歌うのはさすがに恥ずかしいので、恒例のYoutubeの歌詞入りHappy birthday の曲を流して、ろうそくの火をフーっと母に消してもらいました。

アイスを食べてお腹いっぱいだったせいか、12貫のお寿司がどうにも多いと感じる母。

いや、わたしこれ全部ムリだわ
くどひろ
うそ、この前の回転ずしはこの倍以上食べてたよ

お腹いっぱいらしく、ケーキまでたどり着けない様子。

お寿司も最後の2貫はシャリは食べずに刺身で食べて、パーティは終わりになりました。

そして、2時間後・・・。

くどひろ
今日、デザートにケーキ買って来たんだけど、食べる?おいしいやつ
あら、ホント!食べる!

認知症介護のお手本のような展開に。

認知症の人に何か言っても伝わらない、どうしても嫌がる場合、少し時間を置くという方法をいつものように実践したら、母は喜んでケーキを食べてくれました。

こうやって来年も再来年も、家で誕生日ができるといいなぁと思っています。76歳を無事迎えられて、よかったです!

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか