男女共同参画講演会『男の介護、息子介護』の講師として伝えたかったこと

男女共同参画 講師 依頼 派遣

岩手県盛岡市で行われた男女共同参画週間の講演会の講師として、「頑張りすぎない男の介護~息子が親を看るとき~」というお題でお話ししました。

平日お昼のイベント開催は参加者が集まりづらく、厳しい戦いを強いられるのですが、主催者・もりおか女性センターの皆さんのおかげで、たくさんの方々に来て頂きました。

参加者は、10代の専門学生から80代までと幅広く、参加目的も、介護目線、男女共同参画の目線、親目線など様々でした。

男女共同参画の登壇で分かる参加者の皆さんの顔

今回のステージは、観客の皆さんの顔がよく見える会場の作りでした。よく見えるので、これで笑って頂ける、しんみりするなど、反応がよく分かりました。

盛岡の皆さんの真面目な気質が出ていたといいますか、眉間にしわ寄ってました・・・わたしの介護体験をきっと、真正面で自分事で受け止めた結果だと思います。

あまりに自分事になりすぎると、自著にも書いた「共感疲労」になりますので、軽快に話すよう意識しているのですが、少し重く感じられた方もいたかもしれません。介護というテーマ自体が、重くなる傾向にあるので、なんとか自分のキャラでカバーする講演内容にしています。

男女共同参画講演会で一番伝えたかった介護のこと

もりおか女性センターの今年度の事業テーマが「チャンス・チャレンジ・チェンジ!多様性を認めあう社会へ」なので、わたしの介護の話とこのテーマをどう絡めるかというところから、講演を作り始めました。

わたしが最後のメッセージとしてお伝えしたのが、「『普通』や『世間の常識』に縛られない勇気を持ちましょう! 」ということでした。

もしわたしが今までの「普通」や「世間の常識」の中で介護をしていたなら、とても生きづらく息苦しい介護生活を送っていたことでしょう。

40代男性は会社員として働くことが当たり前、介護で社会のレールから外れ、昼間にクロックスでスーパーにいるなんて、生き恥をさらすようなもの。遠距離在宅介護なんてありえない、施設に預けるのがふつう・・・そんな時代も数十年前まではあったわけです。

しかし、普通とか世間の常識なんていう「移ろいやすいもの」にわざわざ縛られる必要はなくて、依存せず解き放つ努力や勇気が必要なわけです。

そこに固執していると、世間や普通と自分自身をどうしても比較するから、介護がもっと大変になるのだと思います。その比較が妬みを生み、自分を苦しめるのです。自分がチェンジすることで、チャンスが生まれます。それはチャレンジでもあると思うのです。

わたしみたいに介護離職して、昼間にスーパーにいることをむしろ快感と思う・・・少し変なのかもしれませんが、たぶんこれからの時代は、みんなと同じでないことのほうが有利になると思います。

お嫁さんだから、女性だから、長男だから、長女だから・・・そうやって介護する人を決める時代では、少しずつですが、なくなりつつあるということです。世代によってはこの考え方は根強く、その影響を受ける人もいますが、よりスピード感を増してこの考えは消えていくと思っています。

自著3作を販売したのですが、まとめ買いされる方が多くて驚きました。いつもなら1人1冊にサインするのに、今回は1人で複数冊という方が多く、お仲間に配ってくださるということで大変うれしかったです。

次の講演も聴きに来ますと言って頂けたり、いつもわたしの講演に足を運んでくださる方もいて、ホント泣けてきます。

介護がテーマの男女共同参画の講演依頼、お待ちしております!

男女共同参画の講演で、全国を回っております。

40代男性の現役の介護者から見た男性介護、息子介護の現実を、面白く飽きさせない内容でお伝えします。同世代の男性介護者はあまりいませんし、男女共同参画の枠で講師をやっている方も、お会いしたことがありません。

NHKニュース「おはよう日本」やNHK「あさイチ」で取り上げられ、介護に関する書籍も多数出版しております。ご興味のある方は、下記プロフィールをご覧になってください。また、お問合せ欄には、講演に参加された方の声を多数、掲載しております。

気軽にお問合せください、よろしくお願いします。

工藤広伸 プロフィール

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

4件のコメント

「こんにちわ
まさにこれ!『普通』『世間の常識』に縛られない勇気を持ちましょう! 」は本当に胸に響きます。
くどひろさんは遠距離で介護ですが私は同じ地域に住んでいて同居もせず身の回り一日四回ヘルパーさんをお願いし、それでいてほぼ毎日実家の猫の世話に行くという(もちろん母の下の世話とか掃除もタイミングが合えばしますが)変わった生活をしてます。くどひろさんからしてもびっくりかなと思いますが、多少の罪悪感を持ちつつも、自分でできる精一杯をしてるつもりだし人からなんといわれても私は堂々としていきたいです。でも全然言われないですけどね。唯一「娘さんが近くにいてよかったね」の言葉は私には昔から腹立たしい言葉なので言われたくないですね。

だんご47歳さま

おぉ、胸に響きましたか!講演最後に参加者の皆さんに放った、渾身の言葉です。(←わたしの中で)

びっくりどころか、素晴らしいと思います。介護にはいろんな形があっていいはずです。程よい距離感を作り出すことで、お母さまと良好な関係を保つっていいですよね。このブログにいらした「お金に働いてもらう」といった方にも感動しました。選択肢がないことが一番つらいのです。もっともっと皆さんのいろんなケースを知りたいですよね。

くどひろさん、こんばんは。

もりおか女性センターの、センター長をされていた田端八重子さんの講演を拝聴した事があります。
東北震災時に活動された経験を踏まえた、男女共同参画の講演でしたが、とても良い講演でした。

現在のセンター長は後任の方のようですが、このような素晴らしい団体のお招きで「大切な事をお伝えできた」事は
女性のみならず、男性にとっても宝の山だったと思います。

自分もてんてこ舞いさま

現センター長は、平賀圭子さんですね。就任されて10年以上経過されているようですよ。
参加者アンケート結果が来るのでドキドキです、特に男性はどう思ったかな・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか