NHKあさイチ出演ウラ話と感想

GoPro HERO9

11月18日(水)に出演した、NHKあさイチの撮影ウラ話です。

10月5日から盛岡のビジネスホテルを経由して実家へ帰省したわけですが、この時点で出演オファーはありませんでした。

わたしは、9月末にGoPro HERO9を購入。(記事タイトル下の写真)自分のビジネスホテル生活を、誰に公開するわけでもなく撮影していました。使い方も設定も分からないので、YoutubeでGoproを研究しながらの試し撮りです。

こんなに小さなGoproなのに、テレビを見ているとよく使われていることに気づきます。そしてわたしが撮った映像も、あさイチでかなり使われました。

実は、新型コロナウイルス感染者ゼロだった岩手に、感染者が最も多い東京から覚悟を持って介護で突入したところ取材が殺到しましたが、その中に全国放送で密着取材のオファーもありました。

ところがgotoトラベルに東京が加わり、人々の移動も普通になったのでおそらく企画がボツになり、連絡が途絶えました。そういうオファーがあるくらいだから、何かのために撮っておくかという気持ちもありました。

もうひとつ、自分の講演会で使うために、実家を撮影しようとGoproを持っていきました。要はなんとなく試し撮りを繰り返していたところに、まさかのあさイチよりオファーがあったというわけです。

もし、ご自身で何も考えずに撮った自撮りの映像が、ある日突然全国に流れるとしたらどう思います?しかも、あさイチ。ゾッとしませんか?

出演の反響

今回は10分近くも放送され、わたしが全国で出演した中では最長記録でした。

わたし自身より、見守りカメラ、スマートリモコンやSwitchbotに興味を持たれた方が多かったように思います。例えば、スマートリモコンnature remoですが、Nature社の塩出代表が、早速Twitterで反応してました。

介護の方法、選択肢が増えたと感じた人がいたら、うれしいです!

あさイチの感想

まずは、見守りカメラのプライバシー問題。

今では街中に設置されている、防犯カメラ。犯罪の瞬間が映像に残っていて、それをニュースで見るのは日常です。プライバシーを優先して、街中の防犯カメラをなくすか、犯罪抑止のために防犯カメラは必要と考えるのかの議論に近いところもあります。

親のプライバシーや尊厳を超えるほどの事件、例えば親が転倒して骨折し何日も連絡が取れない、熱中症で倒れていたなど、命にも関わるような事態に直面したときのことを想像、経験すると、見守りに対する意識は変わるかもしれません。

わたしは、8年の遠距離介護で怖い経験をしています。(これを言うと施設に預けろ、岩手で介護しろと言う人もいますが、この介護のカタチはわたしも母も望んだものです)

母自身も不安を口にすることがあり、見守りカメラを受け入れてもらってます。プライバシーを気にする、監視と思う元気な親には、見守りカメラは早いのかもしれません。

番組や自分の本でも紹介していますが、センサーやポットによる見守りもあり、見守りはカメラ一択ではありません。松岡アナも言うとおり、ご家庭毎に見守りのラインがあるので、それぞれのラインを見極めるといいと思います。

そして親の状態は加齢、病気、ケガなどでどんどん変化していきます。番組では元気な親と分けて、きちんと紹介してくれていたのですが、同列の扱いで受け取った方もいたみたいですね。

番組最後のFAX紹介。確かに認知症の人(高齢者)がコンセントをどんどん抜く問題あります。これでIoT機器の設置は意味がない、やっぱり使えないと、解釈した方もいるかもしれません。

実は、19日発売のMONOQLO(晋遊舎)の連載『ウチのおかんがボケちゃいまして』で、偶然コンセント問題を扱ってます。うちもコンセントとの格闘を経験してまして、その話が載ってます。結論から言うと、これも工夫次第です。

見守りカメラの設置を、ヘルパーさんにも伝えて欲しいというご意見もありました。うちは伝えているのですが、わたしは家に人が来ているときは、カメラは見ません。誰もいないときに不安だから、カメラを見ます。

しかも、ずっとカメラで見守っているわけではなく、わたしは1回30秒も見てません。その仕組みをお伝えしたほうがいいのかもですね。また、盗難など不正問題のニュースも、たまーにあります。カメラが抑止力になっているご家庭も実は……。

人、介護保険制度、こうしたツールを組み合わせることで、見守り力はアップします。もしも介護保険サービスで100%の安心が得られるなら、こうした試行錯誤はしなかったはずです。番組でもありましたが、1日数十分のヘルパーさんの滞在だけでは、見守りは足りないのです。

最後に。年齢や性別に関係なく、目の前の介護の困りごとを道具やツールで解決していく方が、このブログ読者の中にいらっしゃいます。

最初はケアマネや包括、介護保険制度を頼って、それでも解決できなくてこのブログにたどり着きます。そして自分の介護の困難と慣れないツール設定に果敢に立ち向かい、両方とも解決に至った方がいます。

年齢や性別ではなく、人間本当に困って追い込まれると、苦手なことでも突破しちゃうのだなと。その姿に心打たれました。介護は、選択肢を多く持っている人のほうがラクできます。わたしの提供したカードも、ポケットに入れておいて欲しいなと願っています。

視聴者のレベルを考えた丁寧な番組作りで、あさイチいいな!と改めて思いました。露出があると、多少のダメージを受けます。なので自分を鼓舞するために、次の記事を読み直します!

サンデー毎日
今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

4件のコメント

工藤さま

あさイチ観ました。
今回は主人も観てくれて、なかなか良かったと言ってました。

私の父は、介護されることに抵抗があるので見守りカメラも難しいですが、だんだん必要になる日が来ると思っています。
こうしてテレビやブログなどでデジタル機器を紹介して頂くとありがたいですね。

介護は始まったばかりですが、このブログには助けられています。

sakoさま

あさイチを旦那様とご覧くださり、またブログのこともありがとうございます!

人の力、地域の力、介護保険サービスの力だけで見守りができれば理想ですが、現実はそうはいきません。そんなときここ数年で急激に進化を遂げたデジタル機器のおかげで、わたしはだいぶ救われています。介護の悩みやトラブルを解決してくれたこれらツールに、本当に感謝しています。

はじめまして。
いつもブログを拝見して、著書を読ませて頂いています。もっと、沢山の方にくどひろさんの創意に富む知恵、グッズを知っていただきたいと思います。
若年性アルツハイマーの50代の主人との生活を10年程過ごしていますが、沢山の知恵を頂き感謝です。
これからの、体力勝負の介護に向けて自分のケアの大切さもみに染みています。
お母様の家の整然としたキレイさに驚きました。以前からそうなのでしょうか?介護しやすさを考えて、そのようにされていったのでしょうか?
今、「今後を見据えて介護が楽になりそうな家」を目指して片付けを実施中です。シンプルなお住まい、参考にしたいと思いました。

マルコさま

ブログ・書籍を読んで頂き、ありがとうございます!
若年性の介護者の皆さんは、岩佐まりさんを追っている方が多いと思っているので、こちらも読んで頂けてうれしいです。

コメントを頂く前まで、twitterでぱっと見はキレイだけど、食器棚の中とか冷蔵庫とか見せられないとつぶやいてました。それも事実ですが、冷静に考えると母がきれい好き(片づけ過ぎて、ものがなくなる。そしてものとられ妄想が発動)なのと、手足が不自由なので転倒防止のためもあります。うちも何年もかけて、モノは捨てまくっています。母が片づけられない、モノが見つけられなくなっているからです。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか