計算ドリル『100マス練習帳』を軽度認知症の母に試してみた!

百ます計算

我が家では、こちらの 「100マス練習帳」 (小学生向け)を、認知症の母(70歳)にやってもらっています。

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試すきっかけになったのが、認知症診断の時にやるテスト、「長谷川式認知症スケール」 で出てくる、あの計算問題です。

長谷川式認知症スケールとは?

長谷川和夫医師が作った、認知症検査のためのテストです。30点満点で20点以下になると、認知症の疑いがあるというものです。ちなみにうちの母は21点なので、スケール上は認知症ではないとなりますが、このテストだけで認知症と判断できるものではありません。

祖母(90歳)はというと、5点です。5点というのは高度というレベル(詳しくはこちらを参照)になるんですが、通常はテストと問診(問診の方が重要)なので、やや高度という判定になっています。

このスケールの問題に、このような問題があります。

「100から7ずつ引いていってください」

このテストを受けた時に、

「ひょっとしたら、計算ドリルを解かせることが、脳の活性化につながるんじゃ?」 
「脳を活性化させたら、認知症の進行も遅れるのでは?」

ということで、早速Amazonで注文して、この 「100マス練習帳」 を母にやらせています。(Amazonのありがたさは、地方都市では強く感じます)

引きこもりな母にはぴったり

シャルコー・マリー・トゥース病で外出がなかなか難しい上に、ひきこもりな母。正直、この百ます計算をやってくれるかどうか不安だったんですが、とりあえず渡してみることにしました。すると・・・・

「なにこれ?ちょっと面白いねー、何分で解けばいいの?」

まさかの好感触!購入した 「100マス練習帳」 は、足し算、引き算、掛け算、割り算があります。マスの数が1日目、2日目と日数をこなすと、どんどん増えて難しくなります。この100マス練習帳、長谷川式認知症スケールに、近いんですよね・・・。友達と話すよりも、ひとりで黙々と計算する方が合っていると本人が言ってます。

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百ます計算

左上の 「+」 のところが、「-」 ?「÷」 「×」 というのもあります。マスの数も百マスと言いながら、1日目などは少ないマス数でスタートして、だんだん増えていきます。最初は目標時間を設定してましたが、プレッシャーに弱い母なので、今は好きな時に好きなだけ時間をかけて解いてもらうようにしてます。

こんなニュースもあります。

「昔ながらの習い事、そろばんが再び脚光を浴びている。頭の中のそろばんで計算する「イメージ暗算」に取り組んだり、算数の文章題を絡ませて考える力を養ったりする珠算塾が人気。認知症予防に活用する施設もある。計算力向上はもちろん、脳の活性化や集中力の強化にも役立つという効用面が見直されている。」(MSN産経ニュースの一部を抜粋)

そろばんも面白そうですが、暗算する点ではそろばんも 「百ます計算」 も同じ。新潟県南魚沼市の認知症支援サイトでは、認知症予防ということでこの「百ます計算」を薦めています。
我が家が受診しているコウノメソッド実践医も、計算ドリルとか効果ありますよ と言ってました。

注意しなければならないこと

一般的に計算を解くという行為は、ストレスになりかねません。我が家は母が喜んでやってくれているのでいいのですが、こういったドリルを買って与えたはいいけど、ストレスが強くなってしまって、認知症が悪化!ということもあります。

ドリルの効果は?

正直に言うと、効果は分からないです。

ブログで書いているとおり、コウノメソッドによる米ぬかサプリメントココナッツオイル&MCTオイルのミックス、この百ます計算と、どんだけチャレンジャーやねん! って突っ込まれそうなくらい、いろんな事試しています。この中のどれが効果があって、どれが効果がないのかさっぱり分かりません。

「何もやらないよりは、何かやったほうがいい!」

認知症は完治しないので、この精神で行くしかないんですよね。

この1年間、何も手を打ってなかったら、きっと認知症はさらに悪化していたと思います。それがゆっくりになっているので、これらすべて意味があること! そう信じてやってます。この百ます練習帳の本自体、ある事を忘れてしまうんですよね・・・認知症の怖いところです。

今日もしれっと、しれっと


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか