認知症の母との食後の楽しみ『ハーゲンダッツ』が「まだご飯食べてない」に役立ってた話

わが家では、夕食後にアイスか果物を食べる習慣があります。

わたしが小さい頃は母がリンゴをむいてくれたり、スイカを切ってくれたりしたのですが、今は買ってくるのも切るのも片づけるのもすべてわたしの役割です。

この前スーパーでアメリカンチェリーが安かったので母に食べてもらったのですが、ちょっと怖かったですね。種をきちんと処理できるか不安で、1粒食べるたびに「種出してね」と毎回声をかけないといけなくて、今後はさくらんぼ系は買わないと決めました。

たぶん大丈夫だと思いつつも、魚の骨が多いものも最近は避けています。

ご飯まだなのを繰り返す母

ある日の夕食後。

いつもよりご飯の量が少なかったのか、母は繰り返し「ご飯はまだなの」と。頭の中では自分が料理しているはずですが、こういう時だけは自分で作る前提ではないから不思議です。

この日は帰省初日で、わが家の食後の定番「ハーゲンダッツ」を買うのを忘れてしまったのです。夕食後に食べるものが何もなく、母は繰り返し「ご飯食べてない」「ご飯まだなの」と。

なんとなくですが、「ハーゲンダッツ」は母のご飯食べてない攻撃を緩和しているのだろうとは思っていました。しかし今回、食後に何も食べるものがない状態になって初めて、やはり緩和の役割を担っていたのだと気づかされました。

認知症の人がご飯食べてない、ご飯まだなのを繰り返す場合、こういった少量の食べ物を食べてもらうとおさまると言いますが、無意識のうちに対策を講じていてそれが効果を示していたようです。

お米がないと困る、しょうゆを切らすと大変といったレベルと同じくらい、「ハーゲンダッツ」がないとわが家の認知症介護においては大変になります。

夏も冬もアイスを食べているのですが、これから暑くなりそうなので絶対に在庫を切らさないようにするつもりです。

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしが書いた最新刊】
「老いた親の様子に「アレ?」」と思ったら」(PHP研究所)

これから親の介護が始まるかもしれないと不安に感じている人に向けた入門書です。目次や本の内容はAmazonに掲載されています。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

【音声配信Voicyパーソナリティ】
ちょっと気になる?介護のラジオ